あるOBの呟き- 第一節 vs. オービックシーガルズ
2008/09/12
いよいよ2008シーズンの開幕。す でにウエストは第一節の試合が終了していますが、関東地区ではこの試合が開幕戦となります。しかも対戦相手は強豪のオービックシーガルズ。シーガルズと は、秋のリーグ戦では2003年に一度対戦し、27-14と力の差を感じた試合になりました。また、昨年の交流戦(ワールドカップのためパールボウルは休 止)でも対戦。この時は21-24と惜しい試合となりました。この試合は、BigBlueとシーガルズ両チームでヘッドコーチを務めた、デビッド・スタント元ヘッドコーチの壮行試合も兼ねた試合でした。
「開幕戦」「強豪チームとの対戦」だけでなく、この試合にはもう一つ大切な目的があります。シーガルズがフットボール普及のために、この東京ドームでの試合に一万人のファンを集めようという「東京ドーム一万人プロジェクト」。 BigBlueも、その趣旨に賛同し、事前の告知活動やイベントのお手伝いをしてきました。「一万人」という数字は、Jリーグ等の試合での観客数を参考に したものですが、通常のXリーグの試合では会場にも寄りますが東京ドームで開催される場合には、多い場合でも3000人から4000人と、まだまだ差があ ります。フッ トボールの知名度が、まだまだ日本では低いという理由はあるものの、この魅力的なスポーツをもっと広く知って欲しいという熱い気持ちは、流石に日本を代表 するチームの一つ、シーガルズだけあります。BigBlueも、選手やスタッフだけでなく、家族・友人・ファン全員で"ONE TEAM"を目指しているチームだけに、このプロジェクトに関しても負けられません。
試合開始前には、プリゲームショーとして、シーガルズ・BigBlue両チームのチアリーダーによる合同パフォーマンスがあり、また国歌斉唱では習 志野高校吹奏楽部による演奏があり、まるでボウルゲームのような雰囲気です。大いに気持ちが盛り上がったところで、いよいよオービックのキックオフで試合 が始まります。
BigBlueのビッグプレーで試合はスタート
シーガルズK#1金親選手のキックは、大きくゴール前まで飛びます。これをキャッチしたのはWR#83イアン選手。リー ドブロッカーを巧みに使い、フィールドを右から左に斜めに横切ると、一気に加速。タックルに来るシーガルズカバーチームをかわすと、一気にサイドライン際 を駆け上がりキックオフリターンTDを決めました。K#28崔選手のTFPキックも決まり、試合開始15秒で7-0とBigBlueがリードします。盛り 上がるスタンドのBigBlueファン。続くシーガルズのオフェンスでは予想に反してQB#4木下選手がスターターで登場。RB#20古谷選手のランで ファーストダウンを狙いますが、ここは4thダウンパント。BigBlue最初のオフェンスシリーズが始まります。
QB#15岡村選手の最初のプレーはRB#2片岡選手のラン。これはゲイン無しで止められてしまいますが、続くプレーではWR#89円谷選手に14 ヤードのパスが決まりファーストダウンを更新します。これで敵陣に入ったBigBlueは、ルーキーWR#13岸選手へのパス、RB#2片岡選手のランで 再びダウンを更新。好調な滑り出しでしたが、シーガルズのディフェンスも踏ん張り4thダウンで残り5ヤード。ボールは敵陣の34ヤードに置かれましたが、ベンチはここでFGを選択。K#28崔が登場し、51ヤードのFGを見事に成功。TDは取れませんでしたが、10-0とリードを広げます。
このまま一気にモメンタムを掴みたいBigBlue。しかしK#28崔のキックオフが2回続けて直接外に出てしまい、3回目のキックはほぼ中央付近 まで戻されてしまいます。WR#83清水選手への20ヤードパスで大きく前進すると、RB#20古谷選手が突進してゴール前に。そして、最後の4ヤードは WR#22古谷選手がTDパスをキャッチして、兄弟の連係プレーで10-7とまず攻め寄ります。
取られたら取り返す、BigBlueオフェンスに期待が高まりますが、反則が続き大きく罰退したためパントで陣地を回復。2Qに入ります。シー ガルズのオフェンスもパントに追い込みBigBlueにすぐに攻撃権が移動するも、このシリーズもパント。パンターにいつものようにWR#87永山選手が 入りますが、ここでロングスナップが大きく後ろに外れてしまいます。何とか永山選手がボールを確保しパントを蹴りますが、距離は結果的にマイナス。エンド ゾーン前14ヤードからシーガルズのシリーズが始まります。この最初のプレーで、シーガルズはフリーフリッカーからのパスをWR#83清水選手へ投げ、そ のままTD。1プレーで10-14と逆転を許してしまいました。
これでBigBlueに焦りが生まれてしまったのか、続くBigBlueのオフェンスではRB#39礒谷選手が痛恨のファンブル。これをシーガルズ がリカバーするとゴール前1ヤードまで攻め込み、最後はRB#20古谷選手が1ヤードをダイブしてTD。10-21と点差はさらに広がります。この後も シーガルズは再びゴール前に攻め込んできますが、このピンチをDB#9阿部選手がパスインターセプトで救い追加点を許さず、残り時間はニーダウンで消費し 何とか前半が終了しました。
カレッジフットボールを彷彿させるハーフタイム
試合のスタートはBigBlueにとって満点とも言うべき状態でしたが、地力に勝るシーガルズは、じりじりと追い上げてきます。その追い上げに、何 かBigBlueが自分で浮き足立ち逆転を許してしまったような前半でした。確かに、シーガルズディフェンスの厳しいプレッシャーと優れた個人技もありま したが、今ひとつ何か物足りなさを感じさせるオフェンスです。ハーフタイムに何とかアジャストして、是非後半の追い上げに期待したいものです。
そのハーフタイム、「一万人プロジェクト」企画の一つとして、この日は桜美林高校チアリーディング部HOPPERS、習志野高校吹奏楽部、そして両 チームチアリーダーによる一大コラボレーションが披露されました。グラントいっぱいに広がった習志野高校吹奏楽部の演奏は圧巻。HOPPERSのダイナ ミックな演技も素晴らしく、まるでUSカレッジフットボールのハーフタイムショーを見ているような雰囲気です。高校生達の元気なそして迫力あるハーフタイ ムショーに、両チームのスタンドも大いに盛り上がり、いよいよ後半のスタートです。
遠いエンドゾーン
3QはBigBlueのキックオフで始まります。シー ガルズのオフェンスは、後半も好調。WR#83清水選手のパスで大きく前進すれば、今度はRB#20古谷選手が立て続けにボールを進めてゴール前17ヤー ドまで攻め込まれます。ここでTDを狙って、シーガルズRB#36白木選手が一気にスクリメージラインを突破してエンドゾーンに迫りますが、LB#50原 選手がファンブルフォースのハードタックル。こぼれたボールをDB#9阿部選手がリカバーし、何とかゴール前4ヤードで攻守交代、ピンチを救います。
後半最初のBigBlueオフェンスシリーズ。相手のオフサイドの反則で5ヤード前進したやり直しの1stダウン。QB#15岡村選手が投じたパス は、レシーバーとすれ違ったシーガルズDB#47寺田選手の手の中に吸い込まれ、そのままエンドゾーンまで運ばれてしまいます。予 想外の展開にしばらくは声も出ないBigBlueサイド。一方ビッグプレーに大いに沸くシーガルズサイド。BigBlueは、なかなかモメンタムを掴むこ とが出来ません。ディフェンスチームが何とか踏ん張り、オフェンスがリズムを掴むのを待ちますが、シーガルズのディフェンスも厳しさを増し得点を許しませ ん。このまま3Qも終了し、試合は最終4Qに入ります。
自陣ゴール前8ヤードからと厳しいポジションからのシーガルズのオフェンスシリーズ。シーガルズは早くもタイムコントロールを考えてか、ランプレー中心のシリーズに変更。BigBlueディフェンス陣も踏ん張るものの、ダウンを更新されてじわりと前進を許してしまいます。流石にここで集中力が切れてしまったのか、シーガルズRB#23古川選手のカットバックを止めることが出来ず、28ヤードのTDランを許してしまい、10-35と点差はさらに広がってしまいます。
4Qも中盤となり、何とか反撃の糸口を掴みたいBigBlue。ここで、SB#23貴志選手へのショートパスが続けて決まりダウンを更新すると、 RB#2片岡選手が相手ディフェンスを断ち切るようなビッグランを見せて敵陣に入ります。さらに、今度はRB#2片岡選手にパスが通ると、18ヤードのロ ングゲインを見せオフェンスにリズムが戻ってきます。勢いに乗ってきたオフェンスに焦ったのか、シーガルズはパスインターフェアの反則を犯し、ボールは ゴール前19ヤードまで前進。ここからQB#15岡村選手はSB#18高木選手にパスを通し、そのままエンドゾーンへ。待ちに待ったTDが決まり、17-35と反撃開始です。
今後の得失点差争いも考慮し、少しでも点差を詰めたいBigBlueは、続くキックオフでオンサイドキックを試みます。K#11井田のキックはシー ガルズのフロントラインの間を抜けてフリーボール状態に。ここにBigBlueの選手達が突進し、TDを決めたばかりのSB#18高木選手がボールを確 保。再びチャンスをものします。ほぼフィールド中央付近からのBigBlueオフェンスシリーズ。QB#15岡村選手のパスは決まらないものの、シーガル ズにも焦りが出たのか反則が続きダウンを更新。敵陣内に入ると、WR#17小川選手にパスが決まりはじめ、再びTDのチャンスが見えてきます。シーガルズ のパスインターフェアの反則が再びあり、ゴール前17ヤードでファーストダウンを獲得。ここで一気にTDを狙ったQB#15岡村選手のパスは、しかし無情 にもシーガルズDB#47寺田選手がキャッチしタッチバックとなってしまいます。残り3分弱をシーガルズがニーダウンで消費し、試合は17-35で終了し ました。
まずは次の試合で
試合開始直後はBigBlueが完全に試合を支配していましたが、その後はほとんど良いところが無いままに試合は進んでしまいました。4Qに一矢報 いるTDはあったものの、これも相手の反則に助けられての事であり、正直オフェンスで取ったとは言い難い内容でした。「実力の差」とは言いたくないもの の、やはり強いチームだけあってBigBlueのオフェンスを良く研究し、見事にそれが的中した印象でした。
「れば」「たら」は言うべきではないと思いつつも、何度かあった得点チャンスでもう少し何か方法がなかったのか、なかなか納得できない気持ちが消え ません。とはいえ、終わってしまった試合の結果が変わるわけでもなく、残り4試合で結果を出すしかありません。幸いにも、次の試合までには少し時間があり ます。まずは気持ちを切り替え、そして確認すべき部分はもう一度確認し、必要な部分は見直して、もう一度気持ちを一つにして次の試合では勝利を勝ち取って 欲しいと思います。
Xリーグの発表では、この試合の入場者数は「6398人」。目標の一万人にはまだまだ足りなかったものの、昨年東京ドームで開催された BigBlueの試合では3000~4000人前後の入場者数でしたから、ほぼ倍近い数字でした。この結果に、満足するものではないけれど、貴重な一歩に は十分になったと言えるのではないでしょうか。フットボール自体が、一つ一つのプレーを積み重ねてダウンを更新し、シリーズを構成してTDを狙うスポーツ ですから、同じように今回のような努力を積み重ねていくことが大切なんだと実感しました。そのためにも、次の試合ではBigBlueらしいプレーを、もっ と見せて欲しいと願います。
« あるOBの呟き- 交流戦 vs. 富士ゼロックスAFC | あるOBの呟き- 第二節 vs. オール東京ガスクリエイターズ »
- 2025年1月(1)
- 2024年12月(2)
- 2024年11月(6)
- 2024年10月(6)
- 2024年9月(5)
- 2024年8月(2)
- 2024年7月(4)
- 2024年6月(1)
- 2024年5月(5)
- 2024年4月(4)
- 2024年3月(2)
- 2024年2月(4)
- 2024年1月(2)
- 2023年12月(5)
- 2023年11月(7)
- 2023年10月(10)
- 2023年9月(9)
- 2023年8月(3)
- 2023年7月(4)
- 2023年6月(2)
- 2023年5月(5)
- 2023年4月(4)
- 2023年3月(2)
- 2023年2月(4)
- 2023年1月(3)
- 2022年12月(2)
- 2022年11月(7)
- 2022年10月(6)
- 2022年9月(7)
- 2022年8月(3)
- 2022年7月(5)
- 2022年6月(4)
- 2022年5月(6)
- 2022年4月(3)
- 2022年3月(2)
- 2022年2月(1)
- 2022年1月(1)
- 2021年12月(5)
- 2021年11月(8)
- 2021年10月(6)
- 2021年9月(6)
- 2021年8月(4)
- 2021年7月(2)
- 2021年6月(1)
- 2021年5月(1)
- 2021年4月(7)
- 2021年3月(3)
- 2021年2月(1)
- 2021年1月(2)
- 2020年12月(3)
- 2020年11月(7)
- 2020年10月(9)
- 2020年9月(2)
- 2020年8月(7)
- 2020年7月(6)
- 2020年6月(3)
- 2020年5月(3)
- 2020年4月(4)
- 2020年3月(7)
- 2020年2月(4)
- 2020年1月(1)
- 2019年12月(2)
- 2019年11月(4)
- 2019年10月(5)
- 2019年9月(7)
- 2019年8月(2)
- 2019年7月(2)
- 2019年6月(9)
- 2019年5月(4)
- 2019年4月(3)
- 2019年3月(3)
- 2019年2月(1)
- 2019年1月(1)
- 2018年12月(3)
- 2018年11月(5)
- 2018年10月(5)
- 2018年9月(7)
- 2018年8月(6)
- 2018年7月(2)
- 2018年6月(9)
- 2018年5月(3)
- 2018年4月(4)
- 2018年3月(4)
- 2018年2月(3)
- 2018年1月(2)
- 2017年12月(7)
- 2017年11月(10)
- 2017年10月(13)
- 2017年9月(12)
- 2017年8月(10)
- 2017年7月(3)
- 2017年6月(16)
- 2017年5月(12)
- 2017年4月(12)
- 2017年3月(8)
- 2017年2月(4)
- 2017年1月(4)
- 2016年12月(2)
- 2016年11月(7)
- 2016年10月(8)
- 2016年9月(7)
- 2016年8月(4)
- 2016年7月(4)
- 2016年6月(5)
- 2016年5月(12)
- 2016年4月(10)
- 2016年3月(4)
- 2016年2月(5)
- 2016年1月(3)
- 2015年12月(1)
- 2015年11月(6)
- 2015年10月(7)
- 2015年9月(8)
- 2015年8月(4)
- 2015年7月(8)
- 2015年6月(2)
- 2015年5月(4)
- 2015年4月(8)
- 2015年3月(2)
- 2015年2月(4)
- 2015年1月(5)
- 2014年12月(13)
- 2014年11月(9)
- 2014年10月(6)
- 2014年9月(8)
- 2014年8月(6)
- 2014年7月(3)
- 2014年6月(5)
- 2014年5月(7)
- 2014年4月(4)
- 2014年3月(6)
- 2014年2月(2)
- 2014年1月(3)
- 2013年12月(5)
- 2013年11月(8)
- 2013年10月(10)
- 2013年9月(7)
- 2013年8月(3)
- 2013年7月(3)
- 2013年6月(4)
- 2013年5月(4)
- 2013年4月(6)
- 2013年3月(4)
- 2013年2月(2)
- 2013年1月(3)
- 2012年12月(6)
- 2012年11月(5)
- 2012年10月(11)
- 2012年9月(8)
- 2012年8月(10)
- 2012年7月(4)
- 2012年6月(4)
- 2012年5月(10)
- 2012年4月(4)
- 2012年3月(2)
- 2012年2月(3)
- 2012年1月(5)
- 2011年12月(3)
- 2011年11月(9)
- 2011年10月(11)
- 2011年9月(12)
- 2011年8月(4)
- 2011年7月(4)
- 2011年6月(11)
- 2011年5月(4)
- 2011年4月(2)
- 2011年3月(2)
- 2011年2月(7)
- 2011年1月(3)
- 2010年12月(4)
- 2010年11月(6)
- 2010年10月(6)
- 2010年9月(8)
- 2010年8月(3)
- 2010年7月(1)
- 2010年6月(3)
- 2010年5月(3)
- 2010年4月(4)
- 2010年3月(2)
- 2010年2月(1)
- 2009年12月(2)
- 2009年11月(5)
- 2009年10月(7)
- 2009年9月(4)
- 2009年8月(2)
- 2009年7月(3)
- 2009年6月(3)
- 2009年5月(3)
- 2009年4月(4)
- 2009年3月(4)
- 2009年2月(3)
- 2008年11月(1)
- 2008年10月(2)
- 2008年9月(2)
- 2008年6月(1)
- 2008年5月(1)
- 2008年4月(1)
- 2007年11月(1)
- 2007年10月(2)
- 2007年9月(2)
- 2007年5月(2)
- 2006年11月(1)
- 2006年10月(3)
- 2006年9月(1)
- 2006年5月(2)
- 2006年1月(1)
- 2005年11月(1)
- 2005年10月(2)
- 2005年9月(2)
- 2005年5月(1)
- 2005年4月(1)
- 2005年1月(1)
