あるOBの呟き- 第二試合 vs. オンワードオークス
2008/05/19
パールボウルブロック予選第二戦の対戦チームは、「あの」 オンワードオークス。昨シーズン第2節で対戦したオンワードスカイラークスが、今シーズンは以前のチーム名である「オンワードオークス」にチーム名を変 更。しかし、チームの実力はそのまま、というか強力な新人補強にも成功して、さらに強いチームとなって再び対戦の機会を迎えました。昨シーズンの雪辱を狙 うオンワードの意気込みは、試合前から聞こえてきています。一方BigBlueも、何名かの選手の引退はあったものの、今年も有望な新人を獲得。昨シーズ ン後一歩及ばなかった上位チームの壁を今年は越えられるか、その試金石となる大切な試合です。
どうしても去年の印象が強すぎて、今回も取って取られてと言うオフェンスゲームに気持ちが行きがちですが、さらに二年前の対戦の時に は、逆にディフェンスゲームに持ち込み、ロースコアでのチャンスを狙うゲームプランを展開しました。昨年の試合ではオンワードとしても失点が多い試合とな りましたから、今回は一昨年のようなディフェンスに重点を置いたゲームプランを準備してきたのではないかと予想されます。そうであれば、BigBlueに 取って今年のチーム目標である「オフェンス力」を試す絶好の機会。いずれの場合にも、厳しい試合になることは間違いありません。
初夏を思わせるような暑い日差しの中、試合会場である大井第二球技場は、メインスタンドもBigBlueベンチのあるバックスタンドも、それぞれのチームのファンや関係者でほぼ一杯の状態。両チームの熱い気持ちが最高潮に達し、いよいよ試合開始です。
BigBlueオフェンス絶好調!
オ ンワードのキックオフをWR#83イアンが大きく戻してBigBlueのオフェンスシリーズが始まります。QB#15岡村のファーストプレーは、 WR#17小川へのパス。続く2ndダウンのパスは、ホットラインの一つになりつつあるWRイアンへの23ヤードのロングパスが決まり一気に敵陣に入りま す。RB#39礒谷のランプレーを挟みながら、WR小川へのロングパスが決まり一気にゴール前に前進。残り1ヤードでRB礒谷がオープンからエンドゾーン を目指しますが、ここでハードタックルを受けボールをファンブル。しかし幸運なことに、転がるボールは先にエンドゾーンに走り込んでいたルーキー WR#13岸の前に。これを押さえて、結果的にWR岸がXリーグ初のTDを決め、BigBlueが7-0と先制します(K#11井田のTFPキック成 功)。
これで一気に盛り上がるBigBlueベンチですが、その歓声も消えないうちにオンワードが反撃を見せます。TD後のキックオフで、オンワードRB#20杉原がボールをキャッチすると、89ヤードを独走。あっという間に7-7の同点に追いつきます。
しかし、BigBlueオフェンスは慌てません。WRイアン、WR小川とパスが好調に決まり、RB#2片岡、RB礒谷が確実にゲインを積み重ね相手 ゴール前に迫ります。相手のパスインターフェアの反則もあり、ゴール前2ヤードからのファーストダウン。1st/2ndダウンと押し返されるものの、 3rdダウンでRB片岡が4ヤードを飛込みTD。TFPキックも決まり、BigBlueが14-7と再び試合をリードします。
1Q終盤からのオンワードの攻撃。BigBlueディフェンスに取っては、この試合初めてのディフェンスシリーズになります。ここでディフェンス チームがビッグプレー。オンワードQB冨澤のパスを、DB#20古川がインターセプト。直ぐに攻守が交代します。再びBigBlueのオフェンスシリーズ が始まり、1Qが終了。2Qに入りサイドが代り、ダウンを更新しますが、ゴール前8ヤードが攻めきれずに4thダウンとなり、ここはK井田が25ヤードの FGを確実に決めて17-7と点差を広げます。
2Qに入り、流石にオンワードもオフェンスをアジャストし、ランプレー中心のプランに変更。これが当たり、次々にダウンを更新して攻め込まれます。最後は、RB杉原が2ヤードを飛込んで17-14と点差を縮めてきます。
2Q中盤となり、何とか点差を広げたいBigBlue。しかし、4thダウンパントに追い込まれ、WR#87永山がパントをキック。このボールの目 測を誤ったオンワードリターナーがボールを零したところに、コンテインマンとして入っていたWR#89円谷が飛込みボールをリカバー。パントカバーチーム が良い仕事を見せ、チャンスを広げます。このチャンスは、しかしQB岡村のパスがインターセプトされて消滅。ところが、続くオンワードの攻撃でLB#49 神前がファンブルフォースを見せ再び攻守が交代。ここから、残り1分を切ったところで、RB片岡がこの日2本目の4ヤードTDランを決め、BigBlue が攻守ともにオンワードを圧倒し、23-14とリードして前半を折り返しました。
ほぼ100点の前半戦
細かなミスや問題はあるものの、オフェンスは確実に相手チームを圧倒して得点を重ね、ディフェンスはオフェンスが好調なため出番が少なかったものの、インターセブトやファンブルフォース等のビッグプレーも見せ、こちらも相手チームをほぼコントロールしています。唯 一の問題点は、最初のTD直後のキックオフリターンTDを許してしまったこと。1Qのまだ速いタイミングで、しかもその後のプレーに影響がなかったから良 かったものの、もしもう少し接戦で前半が終了したならば、かなり致命的なミスと言えます。過去の試合でも、こういったシーンは何度か見ていますが、今後注 意が必要なプレーと言えます。
オンワードの厳しいディフェンスもあり、必ずしもパスプレーが順調とは言えませんが、それでも要所でのレシーバー陣のスーパーキャッチもあり、オン ワードディフェンスに対しての手応えも感じているのではないでしょうか。その反面、ややランプレーで物足りなさを感じます。とは入っても、前半の3TDは 何れもランプレーでのTDであり、そういう意味ではパス、ラン、それぞれの持ち味を発揮しているようにも見えます。
前半リードして折り返したとは言え、9点差は1TD/1FGでひっくり返される点差。とても、「安全圏」とは言えないリードであり、まだまだ同点、あるいは逆にリードされている気持ちで後半もどん欲に攻める気持ちが必要に感じます。
昨年の再現、逆転劇が続く後半
3Q はオンワードのオフェンスシリーズから。ここでオンワードは大胆な手を打ってきます。前半起用したベテランQB冨澤に代え、ルーキーのQB#4菅原を起 用。菅原は学生時代を彷彿させる、巧みなランプレーでシリーズを組立、この最初のシリーズを後半最初のTDに結びつけます。オンワードはディフェンスでも 前半の対策を投入。QB岡村のパスは失敗に追い込まれ4thダウンパントで攻守交代します。ここからQB菅原が再び登場。1st/2ndダウンでは BigBlueディフェンスが優勢ながら、確実に3rdダウンコンバージョンをものにしてファーストダウンを更新。ゴール前19ヤードまで攻め込まれます が、ここはBigBlueディフェンスが踏ん張り4thダウンでFGに。このキックも失敗に追い込み、逆転を阻止します。長いオンワードのオフェンスシ リーズがFG失敗で終わり、BigBlueに攻撃権が移動しWR円谷へのパス成功でファーストダウンを更新したところで最終4Qに入ります。
4Q に続いたBigBlueのオフェンスシリーズですが、厳しいマークでパスが通らずパントに。変わって、QB冨澤が再び登場し3rdダウンコンバージョンの パスを投げます。これを一度はレシーバーがキャッチしたものの、激しいタックルを浴びてボールは空中に飛び出し、これをLB#50原がキャッチして攻守交 代となります。しかし、このチャンスも生かせず4thダウンパントで攻守交代。4Q中盤再びオンワードに攻撃権が回ってきたところで、試合は再び動き出し ます。
パントが短かったため、ほぼ中央付近からの攻撃となったオンワードは、最初のプレーでQB冨澤からWR#7井本への34ヤードパスが決まり、一気に 敵陣レッドゾーンまで前進。ここからベテランらしい落ち着いたプレーコールを見せ、最後はゴール前1ヤードをRB#18宮幸が飛込みTD。TFPの2点コ ンバージョンは失敗したものの、23-27とこの試合初めてオンワードがリードします。
残り3分15秒からのBigBlueの攻撃。FGでは届かないために、TDは必須。さらに相手の反撃を抑えるためにも、時間も消費したい状況。自陣 10ヤードからのスタートと厳しい条件ですが、QB岡村は落ち着いてターゲットを探し、WR円谷、SB#3徳地、WR#44天谷とパスを通してダウンを更 新しながら前進し、SB高木へのパスも決まりボールは中央まで戻ります。ここでオンワードも厳しいディフェンスを見せますが、これがホールディングの反則 となり労せずしてファーストダウンを獲得。再びWR円谷へのパスが決まりゴール前29ヤードからのファーストダウン。QB岡村は、ここで一気にTDを狙い ます。左サイドにパスフェイクを見せてから、右サイドラインを駆け上がるWR小川にロングパスを一閃。小川は相手ディフェンダーと競り合いながらもこれをキャッチしてエンドゾーンに倒れ込みTD。29-27と再びBigBlueが逆転しますが、TFPキックは失敗したため、点差はFGでも逆転可能な2点差にとどまります。
残り時間1分を切り、オンワードの攻撃が始まります。QB冨澤も落ち着いたプレーコールを見せ、パスを通しながら、レシーバーがサイドラインに出て 時計もコントロールしながら前進。3rdダウン、ゴール前20ヤード、残り8秒となったところでオンワードはFGを選択。昨年とは立場が逆になった BigBlueとオンワード。オンワードキッカーは、ルーキーのK#1西村。このプレッシャーの中、しかし37ヤードのFGキックはゴールポストに吸い込 まれ、オンワードが30-29と再度逆転。結局、この後のキックオフリターンをオンワードがしっかり止めてオンワードが歓喜の中昨年の雪辱を果たして試合 は終わりました。
悔しいが、本当の結果はこれから
同 じ負けるにしても、例えば最初からリードされて終わるとか、あるいは逆転のTDが決まり終わるのであれば、まだ少しは納得できるのかもしれません。しか し、フットボールの神様は皮肉好きなのか、昨年と同じようなシナリオを用意し、しかし当事者の立場は逆にした舞台設定にして試合を盛り上げてくれました。
正直「悔しい」の一言以外何も浮かんできませんが、去年のオンワードはこの何倍も悔しい思いをしたはず。その中から、短い期間の中チームをもう一度 まとめ上げ、最終戦で鹿島を破りFinal-6に進むまで気持ちを切替えてきたことは、流石に日本一を経験したチーム力の賜と言えます。今の BigBlueに、それだけのチーム力があるかと言われれば、正直まだ足りない部分も多いでしょう。しかし、幸いにもこの試合は春のパールボウル。じっく りと試合を振り返り、何が足らなかったのか、何が間違っていたのか、そして何をすれば解決するのか、十分に考え準備する時間があります。どんなチームス ポーツでも同じだと思いますが、本当に強いチームは試合に勝つだけではなく、負けてもそこから這い上がって次の試合ではもっと強くなるからこそ「強豪」と 呼ばれるチームになることが出来るはず。1点の重さ、1点の遠さ、1点の価値を再認識する良い機会になったと、後から振り返って言えるような試合であった ことを期待します。
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