あるOBの呟き- 第一節 vs. 日産戦観戦記

2005/09/16

今年も、いよいよ開幕戦。リーグ戦が始まります。昨シーズンは、ディビジョン順位こそ過去最高の4位となりましたが、リーグ成績は1勝3敗1分と決 して満足できるものではありませんでした。スタント・ヘッドコーチ三年目となる今年こそは、必ず目標を達成するという強い思いを全員が共有しながら、早い 時期から活動をスタートしました。春のシーズンは惜しくもオービックに一歩及ばず涙を呑みましたが、地道に秋に向けての練習を消化し、サマーキャンプはこ こ数年で最高の状態で行うことが出来ました。試合一週間前の壮行会では、自信にあふれた選手・スタッフが集まり、久しぶりに彼らを見たOBや関係者は異口 同音に今年のチームの素晴らしさを語りました。そして、今日の開幕戦です。

対戦相手の日産とは、リーグ戦では過去二回対戦。最初の対戦は、日産がX2リーグに降格していた1996年。BigBlueは後半追い上げたが、 18-21の僅差で敗れてしまった。この年日産はX2を制して、Xリーグに昇格しています。二回目の対戦は舞台をXリーグに移した2002年。 BigBlue昇格最初のシーズンの第三節に日産と対戦しました。BigBlueはXリーグ初シーズンながら、初戦の鹿島にあわやアップセットの接戦を演 じ、続く二節ダイノス近鉄では念願の初勝利を飾り、勢いに乗って迎えた第三節の試合でした。BigBlueはそれまでの勢いそのままに、1Q/2QとTD を決めて14-0と試合をリードしましたが、前半終了間際に1TDを返され14-7で前半を終了します。後半3Qにも1TDを返され、試合は14-14の まま試合終了間際にBigBlueがFGを蹴りますが、惜しくも外れて同点で試合は終了しました。また、昨年のバールボウルでも対戦しましたが、この試合 は点の取り合いとなり最後は日産が決勝のFGを決めて逆転勝ちをおさめました。

勝ち星のない相手というだけでなく、過去BigBlueはXリーグの開幕戦を全て落としています。今年こそは、今までと違ったBigBlueである ことを証明するためにも、是が非でも勝利を勝ち取りたいこの試合です。そういう熱意が伝わったのか、BigBlue側スタンドには2000名近い会社関係 者、友人、ファンの方が詰め掛け試合開始前から大きな声援が投げられます。今年も入場した選手がスタンド前に集合し、全員で"1, 2, 3, One Team!"の掛け声を掛けて試合開始となります。

BigBlue先制のTD、追いすがる日産、接戦の前半

日 産の最初の攻撃シリーズをきっちりと4回パントで抑えたBigBlue。この日の先発QB#15岡村からピッチを受けたRB#43カパヌイは、相手の裏を かき縦に走りこんだWR#44天谷にロングパスを決めます。これで一気に敵陣レッドゾーンに入ったBigBlueは、WR#23貴志へのアウトパターンで ファーストダウンを更新。しかしこの後の攻撃が進まず、ゴールまで8ヤードを残して4thダウンとなります。ここで本来ならばFGですが、BigBlue は一気にTDを狙います。これが的中し、右コーナーに走りこんだWR#81安田に8ヤードのTDパスが決まり(K#11井田のTFPキックも成功)試合を 先制します。

続 く日産のオフェンスシリーズも、DB#22中山、LB#52鈴木、LB#47二上からの好タックルで相手を抑え、再びパントに追い込みます。今まで日産の ようなオプションを苦手としていたBigBlueディフェンス陣ですが、今日は見事にゲームプランが的中しています。しかし、次のBigBlueオフェン スは、2ndダウンのプレーで痛恨のファンブル。自陣奥からの攻撃権を日産に渡してしまったBigBlueは、あっさりと2回のプレーで日産にTDを許し 同点に追いつかれます。

し かしここからBigBlueオフェンスが爆発します。QB岡村から、WR貴志にパスが決まりファーストダウン。その後2Qに入りサイドが変わると、QB岡 村からWR安田、WR#83円谷、WR貴志へ小気味よくパスが決まり敵陣に入ります。ここで日産は堪らずタイムアウトを取り、試合の流れを一度止めます。 しかしQB岡村は自身のスクランブルも絡めてジリジリと相手ゴールに迫ると、再び4thダウンギャンブルに挑み、QB岡村がQBキープでファーストダウン を更新しギャンブルを成功させます。そして、その次の1stダウンのプレーでは、今度は左コーナーに走りこんだWR天谷に6ヤードのTDパスを決め、試合 を14-7と逆転します(K井田のTFP成功)。

こ の後、中央付近まで大きくキックオフを戻した日産は、BigBlueのオフサイドに助けられて1stダウンを更新し、また4thダウンギャンブルを成功さ せ、BigBlue陣内30ヤード付近まで前進します。ここでBigBlueディフェンスは踏ん張りBigBlue陣内37ヤードで4thダウンに日産を 追い込みFGの3点に抑えます。第2Q残り40秒となりますが、BigBlueオフェンスは果敢にパス攻撃を仕掛け追加点を狙います。QB岡村から、WR 円谷、WR安田と左右にパスを投げ分けてファーストダウンを更新しながら敵陣内に進みます。最後のプレーでは、ゴール内でボールの競り合いとなりしたが、 日産ディフェンスの好守備に阻まれインコンプリート。惜しくも時間切れとなり、14-10で前半が終了します。点差こそ4点とまだまだ安心できる点差では ありませんが、BigBlueのオフェンス/ディフェンスともに日産を圧倒していた印象です。特に、これまで苦手としていたオプションプレーに対しては、 ロスタックルも多く決めていて、文字通り日産オフェンスの「足を止めた」印象です。

BBC Kids Cheer、ドキドキの東京ドームデビュー!

熱 戦が繰り広げられたフィールドから舞台を移して、サイドラインには可愛いゲスト達が登場します。春のパールボウルにも応援に来てくれた、BBC Kids Cheerの子供たちです。試合開始前早い時間から東京ドームのグランドに集まり、このハーフタイムショーのために一生懸命練習をしていました。練習の時 とは違って、沢山のお客様を前に緊張したのか、ちょっと慌ててしまうKidsも見られましたが、最後はBBCのお姉さんとフィニッシュを決めて、一生懸命 に演技を披露してくれました。

さらにこの日は、やはり春の試合に駆けつけていただいた「保谷和太鼓会」 の皆さんも応援に加わっていただき、東京ドームのエアドームが太鼓の迫力で波打つかと思われるような演奏で、BigBlueやスタンドのファンを魅了して いただきました。キックの時の「和太鼓ロール」は、何度聞いても迫力があります。ただ残念だったのは、前回の川崎球場と異なり大きなドーム内とはいえ「室 内」であったため、予想以上に太鼓の残響音が大きくなり、聞く場所によっては地鳴りのような迫力ある音が半減してしまったかもしれません。前半の BigBlueの活躍もあり、スタンドも大いに盛り上がって後半戦の開始を待ちます。

オフェンス・ディフェンスが爆発!

後 半は日産のキックオフで試合開始です。自陣10ヤード付近でボールをキャッチしてSB#3徳地は、味方ブロッカーにも助けられて、自陣35ヤードまで大き く戻します。ファーストプレーでQB岡村がオプションキープで9ヤード前進すると、2ndダウンではRB#39礒谷へのピッチで手堅くファーストダウンを 更新します。しかし、次のプレーでは日産選手のブリッツにQB岡村が捕まり逆に10ヤード以上も後退させられてしまいます。2ndダウンのパスは失敗しま すが、3rdダウンではWR天谷にロングパスが決まり敵陣に入りますが惜しくも4thダウンで残り1ヤード。ここでBigBlueは再びギャンブル。ハン ドオフを受けたRB礒谷がラインをすり抜け、見事ファーストダウンを更新。礒谷も、更新のシグナルを見せて喜びます。敵陣39ヤード地点からのファースト ダウンのプレー、左右に広がったショットガンフォーメーションからスナップを受けたQB岡村は、ラインの空けた穴を駆け抜けるとそのまま一気にゴールに走 りこみTD! 後半最初のシリーズで点差を21-10と再び広げます。

続 く日産のオフェンスシリーズは、確実に日産のオプションを止めパントに追い込み再びBigBlueのオフェンスシリーズとなります。日産のパスインター フェアの反則で15ヤード前進した後、期待の新人RB#43 Kapanuiのパワーランで4ヤード前進すると、次のプレーではWR円谷に7ヤードのパスが決まり、テンポよく前進していきます。QB岡村も、この日は 判断良くダウンフィールドに飛び出し、自らのスクランブルでファーストダウンを更新します。続いて、WR#7福井へのパスで7ヤード前進すると、再びRB Kapanuiが突進してファーストダウンを更新し再びTDチャンスとなります。1stダウンのプレーでは、日産ディフェンスのブリッツを避けながら辛く もパスを投げ捨てたQB岡村ですが、2ndダウンでは日産DBのマークを外して走り抜けたWR安田に冷静にTDパスを決めて、早くも試合を28-10と決 定付けます。

こ のままでは終われない日産も意地を見せます。3Q終盤、自陣21ヤードからの攻撃シリーズとなった日産は、得意のオプションで小刻みにゲインを重ね、 ファーストダウンを更新しBigBlue陣内に迫ります。4Qに入りサイドが変わると、BigBlueの反則もありBigBlue陣内35ヤードまで一気 に前進します。リズムを掴んだ日産オフェンスは、ショートパス、オプションピッチでファーストダウンを更に更新。さらにオプションフェイクからのパスが決 まり、一気にゴール前4ヤードまで進むと、最後は日産RBが1ヤードをダイブして1TD 6点を返します。ここで日産は、TFPでプレーを選択。少しでも点差を縮めようとしますが、日産のパスをDB#8河合が見事にカットし、TFPは失敗に終 わります。

こ の次のBigBlueオフェンスシリーズは、淡白に終了。ファーストダウンを更新することなく、この試合初めてのパントを蹴り日産に攻撃権が移動します。 時間との戦いもしなくてはならない日産は、パスに比重を移してきますがBigBlueの厚い守備に阻まれてパントを余儀なくされます。反則もありゴール前 4ヤードからオフェンスシリーズ。じっくりと時間を使って攻撃したいBigBlueは、しかしこの日冴えているパス中心のオフェンスを変えることなく、 WR81安田に21ヤードのパスを決めて窮地を脱出すると、SB徳地へのスクリーンパスでゲインを稼ぎ、RB礒谷のドローでファーストダウンを更新と、効 果的にラン・パス織り交ぜながら時間と距離を進めていきます。WR安田へのパス成功で敵陣34ヤードに進むものの、後が続かず再び4thダウンで距離を残 します。ここでBigBlueは得点にこだわりギャンブルを選択。頼れる"God Hand"WR安田にパスを通し、ファーストダウンを見事に更新。ゴール前9ヤードとなった次のプレーでは、右コーナーに走りこんだWR天谷にTDパスを ヒットさせ、TFPも成功して35-16と更に点差を広げます。

何としても一矢報いたい日産は、パス中心のオフェンスに切り替えてきますが、BigBlueディフェンスの厳しいプレッシャーにボールが定まりませ ん。残り16秒で4thダウン1ヤードのギャンブルも、BigBlueの激しいラッシュにQBがサックされギャンブル失敗。最後はこの日好調の BigBlueオフェンスチームが時間を消費して、ついに念願の開幕戦勝利を勝ち取りました。

開幕戦、見事勝利で飾りFinal-6の第一歩

試 合終了とともに、スタント・ヘッドコーチがグランドにダッシュし、選手一人一人に荒っぽいハグをプレゼントする姿は、スタント・ヘッドコーチに BigBlue初勝利をプレゼントした昨年の学生援護会戦での逆転勝利を思い出せます。スタンドを埋めた2000名近いBigBlueファンも、危なげな い大勝に満足げに大きな声援を選手やスタッフに送ってくれます。

試合前のゲームプランを、この試合でほぼ完璧に実行したBigBlue。試合内容を見ても、今までのBigBlueには無かった力強さを感じます し、試合やプレーに対しての執着心も大いに感じられます。ただ、唯一問題点を上げるとしたら、反則による罰退75ヤードでしょう。これは、日産オフェンス が獲得したラン69ヤード、パス59ヤードを上回る数字です。内容や理由はどうあれ、反則を犯すと言うことは自分のプレーに対しての集中度・精度が不足し ているからと言えます。チームとしては勿論、選手、スタッフ一人一人がさらに上を目指して、次の試合に臨んで欲しいと感じました。


次の対戦相手は、試合巧者のアサヒビールです。昨年春のパールボウルでは快勝しましたが、秋のリーグ戦ではしっかりと返されました。今日の試合以上 に、1プレー、1プレーの集中が勝負の分かれ目です。今日の勝利に、奢ることなく油断することなく次の試合に臨み、そして勝利して欲しいと思います。Go BigBlue!

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