あるOBの呟き- 第二節 vs. アサヒビール戦観戦記

2005/09/26

三連休となるこの週末に日程が組まれたXリーグ2005第二節の試合。本来ならば絶好のフットボール三昧となるはずのこの週末に台風17号が接近し ているために、どのチームも雨・風対策の中での試合となりました。特に、25日は台風が最も関東地域に接近すると予報されたため最悪試合の中止も予想され ましたが、何とか台風がコースを逸れてくれたお陰で午前中には雨も止み、BigBlueの試合が始まるころには青空もところどころに見えるようになりまし た。ただ、台風の余波の強い風は残っており、パスやキッキングへの影響が心配されます。

対戦チームのアサヒビールは、誰もが認める日本のトップチーム。選手全員がAll Japan級と言っていいほど人材は揃っていますし、コーチや支援体制にも恵まれています。しかし、BigBlueは過去のパールボウルや昨年のリーグ戦 では接戦を演じてきており、特に去年のバールボウル予選でまさかの逆転勝ち(44-20)をした事は、チームとして大きな自信にもなりました。Xリーグ各 ディビジョン6チーム中上位2チームがFinal-6に進出することが出来ますが、その為には絶対に勝たなければいけないチームです。

過去のFinal-6では、3勝2敗でFinal-6に進出したチームもありましたが、4勝1敗でも涙を呑んだ場合もあります。目標はあくまで5戦 全勝。1敗するとしても、上位チームには完勝しなければFinal-6への道は開けません。前節の日産戦で爆発したBigBlueオフェンスが今週も機能 すれば、接戦にはなると思いますがFinal-6への期待は大きくなります。心配なのは、体格差のあるオフェンス/ディフェンスラインがどう巨大なアサヒ ビールラインを切り崩すか、今までの真価が問われる試合になることは間違いありません。

怒涛のアサヒビールに追いすがるBigBlue

BigBlue のキックオフで始まった試合は、タッチバックによりアサヒビールの自陣20ヤードからの攻撃開始となります。アサヒビールのQBは、前節学生援護会戦でも スターターであった、ベテランQB金岡です。BigBlueディフェンスは、強力なアサヒビールのランを手堅く止めますが、3rdダウンコンバージョンで のパスを止める事が出来ず自陣内に攻め込まれていきます。やや浮き足立ったのか、このシリーズBigBlueディフェンスが精彩を欠き、TDランが決まり 0-6と先行されます。TFPのキックを防ぎ元気な様子を見せたBigBlueが、最初のオフェンスシリーズに臨みます。

替 わってBigBlueのオフェンスシリーズは、相手の反則でファーストダウンを更新するとRB#39礒谷が大きくゲインしてファーストダウンを更新。 QB#15岡村からWR#81安田へのパスでさらにファーストダウンを更新すると、再びRB#39礒谷が切れ込み敵陣20ヤードに入ります。しかしここか らプレーが手詰まりとなり、4thダウンではRB#43 Kapanuiが突進しましたが僅かにファーストダウンに届かず、得点につなげる事が出来ませんでした。

この後のアサヒビールのオフェンスをパントに押さえて再びBigBlueの攻撃。反則で後退したものの、自陣45ヤードからの絶好のポジション。し かし、プレッシャーを受けながらQB#15岡村が投げたパスはアサヒビールがインターセプト。再び厳しい状況となります。このチャンスからアサヒビール は、得意のランとパスでシリーズを繋げてファーストダウンを更新し、この日2本目のTDを早くも決めて0-13と試合をリードします。

一 方的な試合展開にいやな雰囲気が漂い始めた2Q早々、自陣20ヤードからBigBlueのオフェンスシリーズがスタートします。WR#83円谷へのロング パスで一気に中央付近まで前進すると、RB#39礒谷の中央ランで敵陣中央付近までさらに大きく前進します。再びWR#83円谷へのパスでファーストダウ ンを更新すると、SB#23貴志へのパスでゴール前6ヤードに迫ります。1stダウン・2ndダウンとプレーが止められますが、続く3rdダウンでは QB#15岡村がタイミング良く飛び出し自らTDランを決めて6-13とアサヒビールを猛追します。ここでTFPキックのスナップが乱れたため、ホルダー のWR#81安田はLB#99小西にボールをトス。LB#99小西は猛然とエンドゾーンに突進しますが、僅かに届かずTFPは失敗となってしまいます。

大きくボールを戻したアサヒビールは、再びリズム良くオフェンスを進めます。ランプレーは止まるものの、要所でミドルパスが通りアサヒビールは ファーストダウンを更新してBigBlueエンドゾーンに迫ります。最後はアサヒビールRB波武名が一気に22ヤードを駆け抜け、点差が再び6-20と大 きくなります。

2Q も後半となり何とか点差を縮めたいBigBlueは、RB#39礒谷が元気な走りを見せると、SB#23貴志へのヒッチパスも決まり敵陣に入ります。反則 で後退した後、再びSB#23貴志へのロングパスが決まり敵陣37ヤードに前進すると、アサヒビールはたまらず二回目のタイムアウトを取りシリーズを一度 止めます。RB#39礒谷のランの時アサヒビールの反則がありゴール前5ヤードまで前進すると、最後はQB#15岡村からWR#83円谷へのTDパスが決 まり点差を13-20と縮めて前半が終了します。

BigBlueの大応援団がチームを後押し

今 季から川崎球場には両チームのベンチ後ろに、収容人数300名程の仮設スタンドが設けられ、試合観戦が便利になりました。台風の影響が心配される生憎の天 候になりましたが、この仮設スタンドは立ち見の方も見られるほどの満席。さらには、スタンド横の芝生席も多くのBigBlueファンで埋まっています。前 半はリードされて終了しましたが、前節で力強いBigBlueを見た多くのファンの方が、後半での反撃を期待しているように感じられます。

今回のハーフタイムショーは、BBCが新しいダンスを披露。新しく加わった五名の新人も、前節の東京ドームでのデビューを終えて少し落ち着いている ようにも見えます。BBCにとっても天候が心配でしたが、時折明るい日差しも差し込む中、大きな拍手とともにBBCのハーフタイムショーが終了しました。


再びサイドラインに戻ってきたBigBlueの選手達。表情にはまだ厳しさが残りますが、後半に向けての自信のような雰囲気も漂います。生憎最初の シリーズでディフェンスが上手く機能せずに得点を許してしまいましたが、決して調子が悪いわけではなく、またオフェンスも2TDながら今までに無い自信に 溢れたシリーズを展開しています。期待を膨らませながら、いよいよ後半3Qがスタートします。

BigBlueオフェンスが爆発!

ア サヒビールの蹴った短めのキックオフをBigBlueが自陣35ヤード付近まで返しての1stダウンの攻撃、いきなりRB#39礒谷が中央を突破して自陣 47ヤードまで前進します。QB#15岡村のキープで3ヤード前進すると、次もQB#15岡村がロールアウトからスクランブルし、相手選手を倒しながら突 進するQBとは思えない迫力あるランで敵陣40ヤードでファーストダウンをもぎ取ります。さらに、この日絶好調のRB#39礒谷が一気に11ヤードを走り ダウンを更新し、ここまで怒涛のオフェンスを見せます。この後、反則による罰退で大きく後退しますが、続くWR#83円谷へのパスで後退分を挽回。次のプ レーは、大胆にも右サイドラインをエンドゾーンに駆け上がったWR#81安田への35ヤードTDパスとなり、K#11井田のTFPキックも決まり、3Q 早々に20-20の同点に追いつきます。

続 くアサヒビールのシリーズを、きっちりと4回のパントで終わらせると、BigBlueのオフェンスが再び爆発。自陣30ヤードからのファーストダウン、 ボールを受けたRB#39礒谷はライン中央を抜けると一気に加速し、敵陣36ヤードに達するロングゲインを見せます。さらに、WR#44天谷へのパスで ファーストダウンを更新すると、QB#15岡村が自らキープしゴール前15ヤードまで前進します。ここで再びWR#81安田へのコーナーTDパスを試みま すが惜しくも失敗。続くパスも失敗したところで、4thダウンFGトライアルとなり、登場したK#11井田が突風にも負けず34ヤードのFGを成功して、 この試合を23-20と逆転します。

完 全に試合のモメンタムを掴んだBigBlueは、再びアサヒビールのオフェンスシリーズを4回パントに押さえ、オフェンスにボールを回します。WR#44 天谷へのパスでファーストダウンを更新すれば、RB#39礒谷が中央突破して大きくゲイン。そして再びWR#44天谷へのパスでファーストダウン更新と、 完全に試合をコントロールします。RB#39礒谷へのピッチカウンターがあわやTDと思われるロングゲインとなりますが、惜しくもゴール前1ヤードでボー ルデッド。ここで3Qが終了して4Qに試合は入ります。サイドが変わった4Q最初のプレー、QB#15岡村からハンドオフを受けたRB#39礒谷はゴール 前でタックルされますが、両手を伸ばしてボールをエンドゾーンに入れ執念でTDをもぎ取ります。TFPのキックは残念ながら失敗しますが、ここで点差が 29-20と1TD差以上に広がります。

何 とかしたいアサヒビールは、QBを金岡から東野に変え試合の流れを変えようとしますが、逆にリズムを掴んだBigBlueディフェンスが爆発。ロスタック ルを連発して、アサヒビールに前進する余地を与えません。しかし、BigBlueオフェンスもこの土壇場で反則が連続し、無意味に後退を繰り返し、結局自 陣奥からのパントキックもプレッシャーで短くなり、アサヒビールに反撃のチャンスを与えてしまいます。

残り時間2分を切りましたが、まだ十分に逆転のチャンスがあるアサヒビール。しかし、QB東野が投げたパスをDB#9阿部がインターセプト。1分 41秒を残してBigBlueにオフェンスが回ってきます。すでにタイムアウトを使い果たしているアサヒビールは成すすべも無く、QB#15岡村が確実に 時間を消費してついに念願の勝利を手にしました。

念願達成するが、課題もまだまだ多し

歓 喜に爆発するベンチやスタンド。当然選手達も満面の笑顔でサイドラインに集合し、この勝利の喜びを分かち合います。関東の強豪チームを、それも昨シーズン の準優勝チームと競り合い逆転勝ちするということは並大抵なことではありません。しかし、それが出来なければFinal-6への道も開きません。シーズン 二勝目も大切ですが、やはり日本のBig Nameに逆転勝ちした事は大きな自信につながります。

チームの全員がヒーローなのは間違いありません。それでも、あえて上げるとすると、この日のOB会MVPも獲得したオフェンスチームを称えたいと感 じます。まず、サイズで勝る相手に対しても負けることなく抜群の安定感を見せてくれたオフェンスラインの面々。それを生かして、非常にナチュラルな走りを 存分に見せてくれたRB#39礒谷選手と、彼らのMVPには疑問の余地もありません。さらに、WR#81安田/WR#44天谷に続き、WR#83円谷がこ の試合大活躍をしてくれました。スタッツを見ると、前節のパス獲得距離299ヤードから今回は220ヤードに減っていますが、逆に前回91ヤードだったラ ン獲得距離が今回は211ヤードと倍増しており、オフェンスのバランスとしては非常に良くなっている印象があります。唯一難点を挙げるなら、レシーバー陣 の成績が比較的平均しているのに対して、バックスでは礒谷選手の走りが突出してきたことです。礒谷選手の負担を減らし、かつチーム全体の底上げをするため にも、バックス陣の次回での奮起を大いに期待したいものです。

さ らに言えば、今回も反則が非常に目立つ試合でした。15回/88ヤードの罰退は前回を大きく上回ります。反則に善し悪しはありませんが、まずは交代違反等 本当につまらないミスからの反則は今後避けたいものです。さらに、ホールディングやパーソナルファウルのような重要な反則については、まずはルールがあり きの前提を再認識してONとOFFの切り替えにもっと注意してほしいものです。積極的なプレーで、勢い余って反則になってしまった、という事もあります が、それすらも凌駕するような「もっと上の選手、チーム」を今年は目指してほしいと感じます。何故なら、それが出来るだけの能力を持ったチームが今年の BigBlueだと感じるからです。Go For It !

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