あるOBの呟き- 第三節 vs. 学生援護会戦観戦記
2005/10/10
今シーズン開幕から連勝中のBigBlueの、第三節の対戦相手は学生援護会ROCBULL。昨シーズンも対戦し、試合は逆転に告ぐ逆転の繰り返 し。最後はTDパスでBigBlueが再逆転すると、パスインターセプトで相手の反撃を断ち切り、スタントコーチにBigBlueでの初勝利をプレゼント した試合でした。学生援護会は、Xリーグでも随一の強力なラインとRBが特徴でしたが、昨シーズンからパス攻撃にも力を入れて、オフェンススタイルとして はBigBlueと似た部分があります。BigBlueディフェンスが、どの程度学生援護会のオフェンスを押さえ込めるのか、昨年同様接戦が予想されま す。
試合前の天気予報では雨天が予想され、今回はRB陣を中心としたラン攻撃が主体になるかと思われましたが、試合会場であるアミノバイタルフィールド に到着すると、灰色の雲が空を覆いやや強い風が残っていましたが何とか雨天での試合は避けられそうです。QB#15岡村選手から好調なWR陣へのパスプ レーがオフェンスの中心になっている今シーズンのBigBlueにとって、これは良い兆候です。また、そんな天候も何のその、試合開始が近づくとともに BigBlueサイドの観客席には続々とファンが詰め掛け、試合開始を待ちます。
今回試合会場となった「アミノバイタルフィールド」は、大学の試合ではお馴染みの場所ですがXリーグの試合としてはこの第三節で初めて使用される会 場です。隣に建つ、サッカーでお馴染みの「味の素スタジアム」の補助グラウンドですが、今年人工芝が敷き詰められ、ナイター用照明やクラブハウス等が設置 された準フットボール専用グランドに改修されています。この新しいグラウンドで、いよいよBigBlueの試合がキックオフされます。
先行するも何かチグハグな前半
学 生援護会のキックオフは、そのまま外に出たため自陣35ヤードからの攻撃となったBigBlue。RB#39礒谷のランプレーが続いた3rdダウンの攻 撃。QB#15岡村のパスを学生援護会がインターセプトし、行き成り攻守が入れ替わります。学生援護会はファーストダウンを更新し、ほぼ中央付近からの 1stダウンの攻撃、サイドライン際にパスを試みますが、これをDB#9阿部が見事にインターセプト。試合の序盤は、お互いにターンオーバーで攻守が入れ 替わる、波乱の幕開けとなりました。
再 びオフェンスを手に入れたBigBlueは、QB#15岡村がWR#44天谷へショートパスを通すと、ランアフターキャッチで敵陣に進みます。激しいプ レッシャーを受けながらも、QB#15岡村は再びWR#44天谷へパスを通し、再びファーストダウンを更新しゴール前30ヤードまで前進します。ホール ディングの反則で罰退し、さらに学生援護会の厳しいプレッシャーで思うようにボールコントロールの出来ないBigBlueオフェンス。しかしWR#81安 田へのパスが3rdダウンで決まり、続く4thダウン1ヤードのギャンブルをRB#39礒谷がドライブしてゴール前19ヤードでファーストダウンを更新し ます。1stダウンでのWR#83円谷へのパスは失敗しますが、続けて2ndダウンでもQB#15岡村からWR#83円谷へパスが投げられると、そのまま エンドゾーンに飛び込みTD。試合を7-0と先制します(K#11井田のTFPキック成功)。
続 く学生援護会の攻撃を3回で押さえ、4thダウンパントに追い込みます。パントをキャッチしたWR#7福井は、タックラーをかわすとサイドライン際を独 走。ゴール前まで大きく戻しますが、残念ながらBigBlue側に背後からの不正なブロックの反則があり、攻撃権はBigBlueに移りますがボールポジ ションは自陣10ヤードまで大きく戻されてしまいます。ゴール前からの不利なポジションですが、学生援護会のパスインターフェアの反則でレッドゾーンを脱 すると、SB#23貴志へのパスでファーストダウンを更新。中央付近まで前進して1Qが終了します。サイドが変わった2Q最初のプレーは惜しくもパス失 敗。しかし続く2ndダウンではWR#44天谷へのパスが決まり、ファーストダウンを更新します。続く1stダウンのプレーでは、RB#39礒谷がタック ラーを引きずるようにして大きく前進。ゴール前15ヤードまで迫ります。しかし、ここで学生援護会のディフェンスが粘り、BigBlueの3回のパスが失 敗。BigBlueは32ヤードのFGを4thダウンで試みますが、これも学生援護会の厳しいラッシュにボールが弾かれ失敗。追加点を上げることが出来ま せん。
この後、学生援護会、BigBlueともにシリーズを更新できずに2回づつパントを蹴り試合の流れが膠着します。そして2Q残り3分を切り、学生援 護会が自陣31ヤードから攻撃権を得ます。BigBlueの反則で敵陣内に進んだ学生援護会は、ランプレーで手堅く前進してファーストダウンを更新し、 QBキープでさらにゴール前に迫ります。しかしここでDL#91小山がQBサックを決めると、学生援護会は2Q残り1秒を残してタイムアウトを取り時計を 止めます。強い風が吹くコンディションでしたが、学生援護会K#7小山が44ヤードのFGを決めて前半は7-3で終了します。
ハーフタイムで気持ちを切り替える
試合はリードしているものの、思うようなオフェンスシリーズを作ることが出来ず、また最後はFGに抑えましたが学生援護会に試合の流れを主導され、 全体の雰囲気としてはモメンタムは学生援護会に傾きつつあるように感じられます。決して、相手に抑えられているという雰囲気ではなく、何かBigBlue の中のシステムが今ひとつ噛み合っていない印象のまま、前半が終了してしまいました。コーチの厳しい檄が飛ぶなか、チームは控え室に駆け足で戻り気持ちを 切り替えてくるようです。
BigBlue ファンにとっては、ややストレスの溜まる前半でしたが、言い方を変えれば両チームのディフェンスが健闘した渋い内容とも言えます。前半の間に、 BigBlue側のスタンドはほぼ満席状態となり、この試合に賭けるBigBlueファンの熱い気持ちが伝わります。
BBCのハーフタイムショーも終わり、気持ちを引き締めたBigBlueが再びサイドラインに戻ると、スタンドもチームも後半の反撃を信じて3Qの 開始を今か今かと待ちます。この頃には、曇り空の所々に青空が垣間見え、時折差し込む光が何かを予感させるような演出をしているようにも思われます。
怒涛の3Q、鉄壁の4Q
BigBlueのキックオフで始まった3Q。学生援護会のリターン中の反則もあり、自陣20ヤードからの学生援護会の攻撃。ファーストダウンの更新を許すものの、BigBlueディフェンスの厳しいマークがパスを許さず4thダウンパントにまずは抑えます。
3Q 最初のBigBlueオフェンスシリーズは、2回パス失敗の後BigBlueのディレーオプザゲームの反則でさらに5ヤードの罰退。さらに3rdダウンの プレーでもターゲットを探している最中にQB#15岡村がサックされ後退します。しかし自陣エンドゾーン内からキックされたRB#43 Kapanuiのパントキックは風にも乗り、転がりながら相手のエンドゾーンに入りタッチバックとなり、この窮地を救います。これがビッグプレーを生みま す。自陣奥からの攻撃となった学生援護会、2ndダウンで投じたパスは味方レシーバーに通りますが、DB#22中山がそのレシーバーにハードヒット。堪ら ずボールをこぼしたところを、DB#31元野がリカバリーし敵陣奥からの攻撃権をBigBlueが得ます。
ゴー ル前30ヤードからのBigBlueの攻撃は、RB#39礒谷のランで前進すると、次のプレーでQB#15岡村からWR#44天谷への21ヤードのTDパ スがヒット。やっとBigBlueのオフェンスがリズムを取り戻してきます。K#11井田のTFPキックも成功し、14-3と試合をリードします。
BigBlueディフェンス陣も勢いを取り戻します。ランはスクリメージラインでタックルし、パスもプレッシャーで失敗に追い込みま、4thダウン パントで学生援護会の攻撃は終了します。WR#83円谷へのパスでファーストダウンを更新して敵陣に進むと、次にQB#15岡村はWR#23貴志へのミド ルパスをヒット。これをキャッチしたWR#23貴志は、相手ディフェンダーの間をすり抜け最後はタックラーと一緒に雪崩れ込むようにエンドゾーンに飛び込 みTDを決めます。K#11井田のTFPキックも決まり、3Q中盤で21-3とさらにリードを広げオフェンスの流れを確かにします。
オ フェンスの好調さはディフェンスにも伝播します。ファーストダウンを更新され、ゴール前8ヤードまで学生援護会に攻め込まれます。DL#52鈴木のロス タックルの後、学生援護会は4thダウンでギャンブルを試みますが、このパスが失敗。BigBlueディフェンス陣が凌ぎ逆にBigBlueオフェンスが 自陣ゴール前8ヤードからスタートします。厳しいボールシチュエーションからの最初のプレー、ロングスナップを受けたQB#15岡村は間髪入れずにダッ シュ。虚を突かれた学生援護会のディフェンス陣の中央を駆け抜けると、一気に長躯92ヤードを駆け抜けあっと言う間にTDを追加します。K#11井田の キックも決まり、3Qに3TD 21点を追加して28-3とこの試合を決定付けます。
BigBlue が再び自陣奥で攻撃権を得たところで3Qが終了、サイドが入れ替わり4Qに入ります。ゴール前からの厳しいシチュエーションながら、SB#23貴志へのパ ス、RB#39礒谷のランでファーストダウンを更新しますが、その後のパスが通らずパント。しかし、その次の学生援護会もパントに追い込んだところで、 BigBlueオフェンスはQB#10柴田が登場します。QB#10柴田は、WR#83円谷へのパスでファーストダウンを更新すると、RB#1高木のラ ン、RB#43 Kapanuiのラン、そしてWR#19右田へのパスでファーストダウンを更新し、敵陣30ヤードに入ります。SB#23貴志へのパスで大きくゴール前 14ヤードまで前進するものの、反則による罰退もありこのシリーズTDは奪えず、ここはK#11井田の30ヤードフィールドゴールで3点の追加にとどまり ます。
何 とか一矢報いたい学生援護会は、ロングパスを決めてBigBlue陣内に攻め込みます。しかし粘るBigBlueディフェンスは、ここからの前進を許さず DBの執拗なマークでパスを失敗させ、さらに4thダウンギャンブルではDL#52鈴木のQBサックも決まり、相手の攻撃を封じます。続くBigBlue のオフェンスもパントになりますが、次の学生援護会のオフェンスで、DB#22中山がパスインターセプトTDを見せ、点差は37-3と広がります(TFP キック失敗)。この後の学生援護会の攻撃も抑え、開幕から三連勝を飾る試合となりました。
次の鹿島戦で最高の試合を
得 点・点差こそ、この三試合で最高の結果になりましたが、特に前半の内容は歯車の噛み合わない印象のある不満足な内容でした。慣れないフィールドという事も あったかもしれませんが、パスは通らずランも止められ、これまでのBigBlueオフェンスの力強さが感じられないシリーズでした。
そんな状態でしたが、ディフェンスはしっかりと相手の攻撃を抑え、2Q最後のFGだけに相手の得点を止めた事が隠れたファインプレーだと言ってよい でしょう。今年のBigBlueは、確かに今までのようなスロースタートの部分はまだ残りますが、ハーフタイムでしっかりと気持ちを切り替えて、その結果 を後半に出す力強さがあります。まだまだ、反則の多さや、細かなプレーのミスといった問題はありますが、そういった事も含めてチームとして前進する力強さ が、今シーズンのBigBlueには感じられます。それが、今年のBigBlueの一番の強みでしょう。
しかし、次節の鹿島戦では、そういった小さなミスが致命的なミスとなる油断できない試合です。ミスを恐れるあまり、小さくまとまることは最も避ける べきことですが、冷静にしかし大胆な試合運びが必要です。鹿島には、過去4度公式戦で対戦して、未だに勝星がありません。しかし、その中でも最高の試合は 2002年のXリーグ昇格最初の試合です。4Q終盤まで試合をリードし、最後まで鹿島を苦しめたあの試合の最大の要因は、徹底的に初戦にこだわり自分達 に、チームに絶対の自信を持って臨んだ、あの時の「気持ち」ではないでしょうか。あの時からメンバーの半数は入れ替わっていますが、あの時の熱い気持ちを 思い出して試合に臨んでほしいと思います。時節鹿島戦に勝利すれば、Final-6出場とセントラルディビジョンの1位が決まります。最高の舞台での、最 高の結果を期待します。
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