あるOBの呟き- 第四節 vs. 鹿島戦観戦記

2005/10/20

9月から始まった2005シーズンも、この試合からは後半戦。レギュラーシーズンの試合数が5試合であるため、この第四節、そして最終戦第五節の試 合では、上位を目指す激しい試合がどの対戦でも見られます。今シーズン無敗同士の対戦となったこの試合は、BigBlueがディビジョン優勝・ Final-6へ王手をかけた状態で鹿島と対戦すると言う、まさに天王山となる試合。試合会場となった東京ドームのBigBlue側スタンドには、 2000名を超える応援団が詰め掛け、BigBlue勝利の瞬間を期待して熱い声援を試合前から送っています。

ここまでQB#15岡村を中心としたパッシングオフェンスで相手を撃破してきたBigBlue。前半にやや得点力不足の傾向があるものの、後半には 必ず逆転し点差をつけて勝利してきた実力は本物です。レシーバー陣も、WR#81安田、WR#44天谷、SB#23貴志、WR#83円谷と四人のターゲッ トが競い合い、Xリーグトップのパッシング成績を誇っています。欲を言えば、ランオフェンスの軸が今のところRB#39礒谷一人で、それに続くのが QB#15岡村という所にややバランスの悪さを感じますが、そういう懸念を払拭する力強さが今年のBigBlueオフェンスにはあります。

とはいえ、対戦相手の鹿島は日本のトップチーム。昨シーズンまで4年連続してFinal-6に進出している強豪チームです。当然、BigBlueの オフェンスもこれまでのように簡単には得点出来ません。ここまでランオフェンスに重心を置いている鹿島オフェンスを、どれだけBigBlueディフェンス が止めて耐えBigBlueの攻撃に繋げられるか、点差と残り時間を意識した厳しい試合が予想されます。

好機を逃すも接戦で折り返し

BigBlue のキックオフで始まったこの試合、鹿島のファーストシリーズではBigBlueディフェンスにいつもの精彩が見られず、自陣への進入を許してしまいます。 BigBlue陣内30ヤード付近での攻防で、DB#22中山のロスタックル、DB陣の厳しいマークでのパス失敗で鹿島の前進を止めると、最小失点のFG の3点で最初のシリーズを乗り切ります。

そ の後のキックオフリターンでは、リターナーに入ったWR#83円谷がビッグプレーを見せます。自陣ゴール手前でボールをキャッチしたWR#83円谷は、密 集をまっすぐ抜けると味方のリードブロックにも助けられて一気に加速します。残念ながら外に押し出されてリターンTDにはなりませんが、敵陣28ヤードま で一気に攻め込みます。このチャンスにBigBlueオフェンスは、まず最初のプレーでWR#83円谷に8ヤードパスを決めRB#39礒谷が走りファース トダウンを更新しリズムに乗ります。しかし、この後3rdダウンでのRB#39礒谷のランが僅かにファーストダウンに届かず、4thダウンギャンブルも失 敗し、最初の得点チャンスを失います。

続 く鹿島のオフェンスシリーズは、この日DLにも入るOL#55 GieselのQBサックで相手のチャンスを奪いパントに追い込みます。このパントが伸びず、敵陣45ヤードから再びBigBlueのオフェンスシリーズ が始まります。厳しい鹿島ディフェンスのラッシュの中、QB#15岡村は冷静にパスを決め、またショートヤードではRB#39礒谷が確実にゲインを稼ぎ前 進します。QB#15岡村がオプションキープで30ヤードまで前進したところで、思わぬプレーが出ます。QB#15岡村からピッチを受けたRB#43 Kapanuiは、一度左オープンを目指しますがここで反転すると、逆サイドを駆け上がっていたQB#15岡村にパスを投げます。これが見事に決まり、 QB#15岡村はゴール前13ヤードまで前進します。ここからRB#1高木が一気に9ヤードを走り一気にゴール前に攻め込みます。しかし、鹿島ディフェン スの猛攻で続く2nd/3rdダウンのプレーが止められ、最後はK#11井田の21ヤードFGで同点としたところで1Qが終了します。

鹿島のオフェンスシリーズをパントに押さえた2Q最初のBigBlueオフェンスシリーズ。ホールディングの反則によるハーフディスタンスの罰退も あり、ゴール前6ヤードからの厳しいシリーズ。ここでWR#44天谷へのパスが通るものの、鹿島の厳しいタックルでファンブル。これを鹿島がリカバーし、 ゴール前15ヤードからの攻撃権を渡してしまいます。この好機に、鹿島QB尾崎がQBドローでゴール前1ヤードまで一気に前進。その後反則で罰退したもの の、最後は鹿島RB池場が飛び込み、3-10と再びリードされます(TFPキック成功)。

鹿 島のキックオフがタッチバックとなり、自陣20ヤードからのBigBlueオフェンスシリーズ。WR#7福井へのパスでファーストダウンを更新し、さらに 相手のパスインターフェアの反則でファーストダウンを得ます。RB#39礒谷のランで敵陣にはいるものの、反則での罰退と嫌な雰囲気が感じられましたが、 RB#39礒谷のカウンタープレーで再び敵陣に攻め込みファーストダウンとなります。RB#1高木のラン、QB#15岡村のスクランブルでファーストダウ ンを更新するものの、次の1stプレーでロスタックルとなり敵陣41ヤードまで後退した2ndダウンのプレー。QB#15岡村からBigBlueサイドラ イン際をエンドゾーンに駆け上がるWR#83円谷へのTDパスがヒット! 残念ながらK#11のTFPキックは失敗しますが、9-10と鹿島を追撃します。

しかし、2Q残り4分を切って鹿島の猛攻が始まります。自陣40ヤード付近までボールを戻した鹿島は、BigBlueディフェンスの厳しいタックル にあいながらも確実にダウンを更新。BigBlue陣内40ヤードに進むと、再び鹿島QB尾崎のQBドローで一気にゴール前17ヤードまで前進されます。 厳しい状況となったBigBlueディフェンスですが、鹿島1stダウンのパスをDB#9阿部がインターセプト! ピンチを救います。残り1分は、BigBlueオフェンスが時間を消費し、そのまま前半が終了します。

点差は接戦、しかし逃したチャンスは大きかった

「れば」「たら」はスポーツではご法度のセリフですが、最初のオフェンスシリーズでの4thダウンギャンブル失敗が悔やまれます。テンポ良くゴール 前に攻め込みながらも鹿島ディフェンスに止められたことで、逆に勢いが萎えてしまったようにも感じられます。もう一つ痛かったのは、鹿島のTDに結びつい たファンブルです。ディフェンス戦では鹿島のオフェンスを抑えているだけに、相手にチャンスを与えてしまった事が悔やまれます。

と は言っても、ミスはしつつも鹿島のオフェンス・ディフェンスに良く対応し、一点差で前半を折り返した事は大きいと思います。特に、2Q最後のピンチを救っ たDB#9阿部のインターセプトは、単に相手に得点を許さなかっただけでなくチームの士気を大いに上げました。惜しむらくは、もしあれが残り2分位の場面 であれば、あそこからBigBlueのオフェンスが波に乗り追加点を上げるチャンスに繋がったかもしれないことです。ゴール前4ヤードでのターンオーバー という事で、安全策を取って前半を終了したBigBlueでしたが、その分後半の反撃を期待したいものです。

平日火曜日の夜の試合ですが、今回も2000名を超えるBigBlueファンがスタンドに詰め掛けています。選手の顔を印刷したポスターや手作りのバナーも多く見られ選手も勇気付けられることでしょう。多くのファンの期待と声援を受けて、いよいよ後半が始まります。

モメンタムを自ら失う

鹿 島のキックオフで始まる3Q、自陣26ヤードからBigBlueのオフェンスシリーズが始まります。ワンセットバック隊形からQB#15岡村がRB#39 礒谷へピッチ。しかし、ここでRB#39礒谷が痛恨のファンブル。あっと言う間に鹿島に攻撃権が移ってしまいます。予想もしなかったこのピンチに、 BigBlueディフェンス陣も慌てたのか、ここでも鹿島QB尾崎のQBドローで一気にゴール前10ヤードまで進まれ、さらに鹿島RB池場が一気に飛び出 しボールはゴール前3ヤードまで進みます。これで目が覚めたBigBlueディフェンスは、続く2ndダウン、3rdダウンのランプレーからゴールライン を死守。何とかFGの3点に抑えて、突然のピンチを凌ぎます。

気 を取り直してBigBlueのオフェンスは、RB#39礒谷が行き成りファーストダウン更新のランを見せ、悪い雰囲気を払拭します。続けてSB#23貴志 への23ヤードのパスが決まり、QB#15岡村が9ヤードのスクランブルの後、WR#44天谷へのパスでファーストダウンを更新し、オフェンスがリズムを 掴みます。敵陣26ヤードからのファーストダウンになりましたが、鹿島のプレッシャーもあり4thダウン。K#11井田が登場して38ヤードのFGを蹴り ますが、これが僅かに短く失敗。点差を縮めることが出来ません。

続く鹿島のオフェンスシリーズは、オープンのランやBigBlueの反則もありじりじりと前進し、BigBlue陣内21ヤードで3rdダウン ショートとなります。この鹿島の攻撃も止め、4thダウンでFGの場面となったところで、鹿島が底力を見せます。FG隊形からホルダーがスナップを受け取 ると、そのまま走り出します。虚を疲れたBigBlueディフェンスの間を抜かれ、何とかゴール前でDB#25布施がタックルし止めます。しかし、そこか らTDランでエンドゾーンを割られ、9-20と点差が開いていきます。

何とか反撃の糸口を掴みたいBigBlueですが、キックオフ時の反則もあり自陣8ヤードからのオフェンスとなります。ここでQB#15岡村がサッ クされ、さらに後退。RB#39礒谷のランとWR#44天谷のパスで前進しますが、4thダウンで1ヤード足りません。ここで3Qが終了。サイドが変わっ たところでBigBlueが4thダウンパントを蹴り、何とか中央付近まで陣地を回復します。

早 く攻撃権を取り戻したいBigBlueですが、その焦りもあるのか鹿島のランプレーが止まりません。それまで比較的抑えていた中央付近のランを許すように なり、あれよあれよと言う間に自陣奥に攻め込まれます。最後もゴール前1ヤードを走りこまれ、さらに点差が広がります(TFPキック失敗)。50ヤード付 近から始まったこのシリーズ、鹿島はパスを使うことなく全てランプレーでTDを奪い、地力の強さを見せ付けたシリーズとなりました。

何 とかして追加点を上げて試合の流れを戻したいBigBlue。自陣23ヤードからのシリーズは、鹿島ディフェンスの激しいプレッシャーを受けながらも、 QB#15岡村からSB#23貴志、WR#44天谷、WR#83円谷へのパスでファーストダウンを更新しながら前進し、敵陣内に入ります。一旦QBサック で戻されますが、ここからWR#44天谷に続けてパスがヒットし、敵陣30ヤードでファーストダウンを獲得します。さらに、WR#83円谷、WR#44天 谷へのパスでボールはゴール前6ヤードまで進みます。スタンドの大声援を受けて、一気にTDを狙いたいBigBlue。QB#15岡村は、コーナーに走る WR#83円谷にTDパスを投じます。しかし、鹿島ディフェンスがこれをエンドゾーン内でインターセプト。大歓声が一瞬にして大きなため息に変わります。

これで緊張の糸が切れてしまったのか、この後登場した鹿島ベテランQB鈴木にも簡単にTDを奪われ、さらに点差が9-32と広がります。最終戦、 BigBlue、鹿島、アサヒビールの得失点差で順位が決まる可能性もあり、何とか点差を縮めたいBigBlueですが、この後の追い上げも叶わずそのま ま試合終了となりました。

負けて強くなる

点 差ほど力の差があるとは思いませんが、やはり常にXリーグのトップにいるチームが持つ底力・地力の強さを見せ付けられた試合でした。また、それ以上に BigBlueのミスが目立つ試合でもありました。ミスを誘発させ、そこから確実に得点する強さは、やはり日本の一・二を争うチームの実力です。ただ、決 して負け惜しみではありませんが、ここまで点差が付いた事で返って気持ちの切り替えがし易いようにも思います。

とにかく悔しい思いを何年も経験してきたBigBlueが、今年は見違えるようなチームになりました。チームとしてのまとまりも最高で、今までの努 力がやっと花開いたようにも感じます。しかし、そこで満足していた気持ちが僅かでもあったのかもしれません。最後に大きな果実を実らせるためにも、まだま だやる事がある、努力する事があると言うことを思い出せるための試合だったように、今は感じられます。

Final-6は、最終戦での結果によって決まります。まだ他チームの第四節の試合が残っているので、可能性としては多々ありますが、一つ確実に言 える事はBigBlueはルネサスに勝ち、シーズン成績を4勝1敗の勝点8としてリーグ戦を終えなければならないということです。この場合でも、 Final-6に進めない可能性がありますが、まずはBigBlueが今シーズン何を考え何を目指してきたのか最終戦ではっきりと示すことが、今シーズン 応援していただいたファンの方への一番のお礼になるはずです。「負けて強くなる」。逆説的な言い回しですが、チームとして一番伸びている今こそ、一度立ち 止まり振り返ってみるのに良いタイミングのように思います。そこから、さらに強いBigBlueが生まれるはずです。Go BigBlue!

アーカイブ