2023 第二節: エレコム神戸ファイニーズ戦の見所
2023/09/17
初対戦となるotonari福岡SUNS(以下、SUNS)との開幕戦が、雷により3Q途中での中止・終了という予想外のスタートとなったた2023リーグ戦。試合序盤からオフェンス、ディフェンスと好プレーが続き、前半で39-14と4ポゼッション差で折り返します。この大量リードが功を奏し、後半のSUNSの反撃を突き放して勝利。この勢いで迎える第二戦の相手は、昨シーズンのライスボウルトーナメント準々決勝で対戦し、悔しい結果で終わった、エレコム神戸ファイニーズ(以下、ファイニーズ)です。この試合も前節に続いて遠征試合となり、今回は関西(MKタクシーフィールドEXPO)でファイニーズと対戦します。
ここまでの対戦成績は、3勝3敗1分と全くの五分。昨シーズンは、1年目のQB#5 Pindell選手のパスとランに苦しめられましたが、今シーズン加入したWR#14 Howard選手が前節では空中戦で活躍するとともに、RB#24白神選手を筆頭に豊富なRB陣による地上戦も強力になっており、前回以上に点の取り合いとなるオフェンス戦が想定されます。ディフェンスでも、ディフェンスライン(DL)はリーグトップレベルの富士通フロンティアーズオフェンスライン(OL)とも互角に対戦し、SUNS戦以上の厳しい戦いがBIG BLUE OL陣には要求されます。昨年以上のオフェンスゲームとなる試合展開が予想されるだけに、オフェンス、ディフェンスともにSUNS戦以上のプレーが出来ないと、勝利には届かないでしょう。
オフェンスの見所
QB#2政本選手、QB#10 Viramontes選手が指揮したBIG BLUEオフェンスは、ここ数シーズンの中でもベストな内容だったと言えるでしょう。ファーストシリーズでのアップテンポなオフェンスは、これぞBIG BLUEのパッシングオフェンスと言って良い内容でした。QBとレシーバーの息が合っていた事は勿論、オフェンスライン(OL)のパスプロテクションが機能しており、QB#2政本選手にも余裕が戻ったように感じられます。QB#10 Viramontes選手のパスも、予想以上にレシーバー陣とタイミングは合っており、自らのサイズを生かしたフルバック(FB)のような突進力は、他チームに取って脅威になることは間違いありません。対戦チームのQB#5 Pindell選手との「スクランブル合戦」が、ある意味この試合の見所になるかもしれません。
そのOL陣への新加入選手は、復帰したOL#66玉嶋選手と移籍組のOL#76山下選手と、即戦力のベテランが加入したため、全体の底上げになったと言えます。勿論、まだ課題は見られるものの、昨シーズンと比較してパスポケット内でターゲットを探す余裕が生まれ、またプレーが崩れてもQBが逃げる余地が守られており、昨シーズン何度か見られたウィークサイドの対策も生かされているように見られます。また、ブレー数は少なかったものの、SUNS戦ではランプレーも効果的に機能しており、それもOL陣がしっかりとブロックするだけでなく、リードブロッカーとしても積極的にダウンフィールドに出る光景も多く見られ、ランオフェンスが生きた試合展開になったと言えるでしょう。
オフェンスの見所は、なんと言っても二人のQBによるパスオフェンスでしょう。SUNS戦では12名のレシーバーに投げて、3Q途中までで387パッシングヤードを獲得しました。最後まで試合が進んでいれば、500ヤード近いパッシングヤードも実現したかもしれません。レシーバー陣では、WR#81糸川選手がシーズン初TDを含む、7捕球/112レシービングヤード/2TDと文句のない活躍でした。同じくルーキーのTE#89戸澤選手もTDレシーブする等、ルーキーからベテランまで満遍なく活躍しました。昨シーズンと比べても、プレーの幅がより広く厚みを増したBIG BLUEのパッシングオフェンスが、ファイニーズディフェンス陣、特にディフェンスバック(DB)陣とのマッチアップでどれだけ勝負出来るかが、この試合オフェンスの見所です。
ディフェンスの見所
SUNS戦でのディフェンスのプレーは、前半はほぼ完璧と言って良いでしょう。DLの厳しいラッシュでQB#11西山選手に効果的にプレッシャーを掛け続ける事が出来たことが大きかった反面、西山選手が積極的にレシーバーの先にボールを投げて、レシーバー能力の限界を引き出すようなプレーを狙いつつも、それがまだ機能していなかったことにも助けられれました。ですから、2本目のTDシリーズ最初のプレーである、WR#7横山選手のスーパーキャッチがSUNSレシーバーを覚醒させ、そこから後半3Qにさらに2TDを許してしまう流れに繋がった事は課題と言えるでしょう。ハーフタイムを挟んだ3Q最初のSUNSのシリーズは、ロングパスが続けて決まりTDを許しますが、ここはしっかりと止め無ければならなかったシリーズです。
ファイニーズ戦では、そのパスディフェンスに加えてランディフェンスも重要になります。QB#5 Pindell選手のランには昨年も苦しめられましたが、RB#24白神選手、RB#39秋元選手と、確実にヤードを稼げるRBが揃っており、注意が必要です。フロンティアーズ戦では、QBの背後でRBが交差し、遅れて中央を真っ直ぐ上がってくるプレーが印象的でした。同じように、ターゲットを狙うQBがパスを諦めて遅れて走り出す場合のように、パスとランの切替判断が更に難しくなり、ディフェンとしてはより集中した厳しい対戦が予想されます。SUNS戦では、今シーズン移籍加入したDL#31菊池選手のプレーが目立ちましたが、厚みを増したDL陣がどれだけQBをパスポケットの中に閉じ込められるかが鍵になるでしょう。
SUNS戦は、リーグ屈指のQB#11西山選手との対戦という事も有りましたが、レシーバーに先行される場面もあり、ディフェンスバック(DB)陣としては悔しい内容だったと思います。ファイニーズにも昨年苦しめられたWR#7内田選手、WR#26永見選手ら優秀なレシーバー陣に加えて、今シーズン加入したWR#14 Howard選手がチームのリーディングしレーバーとなっており、このPindell-Howardのホットライン攻略がディフェンスの見所になるでしょう。DB陣がパスディフェンスに専念しつつ、DL/LB陣がランディフェンスに集中出来る体制に持ち込めれば、昨シーズンのような点差には成らないと予想されます。
試合の見所
初戦を落としたファイニーズは、地元開催という事も有り前節のSUNS以上の声援の後押しを受けて強力に攻めてくることが予想されます。QB#5 Pindell選手のパスは勿論注意が必要ですが、昨年の対戦ではRB#24白神選手のランがオフェンスの軸となっており、SUNS戦とは異なるプランが要求されます。中を守る、DL#44福岡(祐)選手、DL#92草野選手のプレーが注目されます。さらにその後ろを守る、LB#9文字選手、LB#17茂木選手、LB#57寺林選手ら厚みを増したLB陣との連携がディフェンスの見所になるでしょう。
オフェンスでは、前節のオープニングシリーズのテンポの良いQB#2政本選手のプレーが続けば、昨年のように序盤から点を取り損ねて点差が開くことも無く、BIG BLUEが得意とする「オフェンスで競り勝つ」試合に持ち込めます。奧を狙う長いバスもありましたが、早いタイミングパスを通して、その後ランアフターキャッチ(RAC)でヤードを獲得するプレーが多く、そのアップテンポなプレーがオフェンスの流れを作り相手ディフェンスの余裕を奪う良い相乗効果を生んでいました。後は、この二週間の間にQB#10 Viramontes選手がさらにどれだけBIG BLUEスタイルに馴染むかで、非常に強力なオフェンスが期待出来ます。大学時代はLBとしてプレーしていたため、ランプレーには不安はありませんでしたが、ブランクのあると思われるパスに関しても非凡なものがうかがわれ、非常に楽しみな対戦になる事は間違いありません。
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