2023 第三節: アサヒビールシルバースター戦の見所

2023/10/01

リーグ戦序盤の遠征2試合を連勝で飾り、今シーズン最初のホームゲームとして迎える第三節の相手は、アサヒビールシルバースター(以下、シルバースター)です。BIG BLUE同様シルバースターも開幕からの2戦を競り合いながらも勝ち抜き、この試合は全勝同士の対戦となります。シルバースターとは昨シーズンもリーグ戦で対戦。このシーズンに移籍したQBロックレイ選手とQB#2政本選手の点の取り合いとなり、途中5回もリードが変わる乱戦となりました。今シーズンのシルバースターには、新たにQB#12柴崎選手が加入して、さらにオフェンス力が充実しており、前回以上の乱打戦が予想されます。ここまでQB#2政本/QB#10 Viramontesの2枚看板で好調なBIG BLUEオフェンスとの対決が見所になります。

乱打戦を予想させるもう一つの要因が、やはり今シーズン加入したWR#15フェルプス選手です。昨シーズンは前節対戦したエレコム神戸ファイニーズでプレーし、ライスボウルトーナメント準々決勝では2TDレシーブを奪う活躍をしました。今シーズンはチームを変えての対戦となりますが、QB#12柴崎選手とのタイミングも問題無く、2試合で13捕球/236レシービングヤードはリーグ2位の記録であり、さらにチームの6TD中5TDレシーブを記録しているオフェンスの大黒柱になっています。シルバースターの得点源であるこのWR#15フェルプス選手を今回はどの様に対策していくか、BIG BLUEディフェンスがこれまで以上のラッシュでQBにプレッシャーを掛け続けるとともに、特にディフェンスバック(DB)陣とのマッチアップが注目されます。
 

オフェンスの見所

初戦に続いて、前節でも十二分な結果を残した、QB#2政本-QB#10 Viramontesの2-QBシステム。QBの併用に関しては、一般的には異なるタイプのQBを擁して、試合のリズムを変えて行くことが一番の目的になると思われますが、この二人に関してはタイプは異なるもののシームレスに起用されても違和感が無く、かつ結果を残しているところに、今シーズンのオフェンスの強みが表れていると言えます。QB#2政本選手のスクランブル能力の高さは以前から知られていますが、QB#10 Viramontes選手の走力はさらにパワフル。公称体重は100kgと掲載されていますが、実際には120kg、130kgの迫力で、しかも脚力もスピードもあるため、その突破力はこれまでの2試合ですでに証明済み。この試合でもQB#10 Viramontes選手の重戦車のようなランプレーが大きな見所になるでしょう。

作シーズンのリーグ戦でも開幕戦から4連勝の結果でしたが、今シーズンは最初の攻撃シリーズで確実にTDを奪いさらに前半で大きく追加点を奪うなど、内容的には非常に安定しかつ強力なオフェンスを展開しています。理由の一つはQB#2政本選手のパスが安定していることで、それは2試合でのパス成功率が77%(30/39)と高いことにも伺えます。さらに、早く短いパスを通してディフェンスを前に引き出したところに、奥を狙うパスでTDを奪ったり、多数のレシーバーへパスを通してレシーバーを絞らせない等、これまで以上に柔軟なパスオフェンスが展開されています。前節のシルバースターディフエンスは、DBを増やして深めに守る隊形を見せていたので、このオフェンスは効果的に機能すると予想されます。

シルバースターが前節同様深めに守る守備体系を取るとすると、QB#10 Viramontes選手だけでなくランニングバック(RB)陣のランアタックも、前節以上に効果的に機能すると予想されます。ランプレーの記録的には、二人のQBが本職のRBを上回る結果を残していますが、ファイニーズ戦でのRB#28加藤選手は平均6ヤード、RB#32柴田選手は平均8ヤードと十二分に仕事をしており、この試合でも活躍が期待されます。また、タイプの異なるRB#4鈴木(恵)選手、RB#20石川選手の投入が有れば更にプレーの幅が広がります。これまで以上に多様なタレントを擁するオフェンスユニットが、どの様に多彩な組み合わせのオフェンスを展開して得点に繋げていくかが、この試合での大きな見所になることは間違いありません。
 

ディフェンスの見所

好調なBIG BLUEディフェンスの原動力の一つと言えるディフェンスライン(DL)の突破力が、この試合でも相手オフェンスへの強力な武器になります。中でも前節の試合でチームキャプテンを務めたDL#99島野選手のプレーは、昨年以上にパワフルになっており、この試合でも相手オフェンスに対しての脅威になるでしょう。そのDL#99島野選手に注意が向くことで、反対側からDL#31菊池選手、DL#92草野選手が効果的にラッシュでき、あるいは中央からDL#44福岡(祐)選手が割って入れば、さらにDL#9森田選手、DL#19植村選手がQBに迫り圧力を掛けるという良い流れを自ら作り出せているところに、今シーズンの強さを感じます。

シルバースターのオフェンスは、ランはRB#6川村選手、パスはWR#15フェルプス選手が中心であり、この二人のプレーをどれだけ止められるかがディフェンスの鍵になります。ランディフェンスに関しては、強力なDL陣に加えて、ラインバッカー(LB)の守りも厚く、特にLB#17茂木選手の動きには注目です。ここまでの2試合で、中央付近の守りが堅いことは分かっているため、スピードのあるRB#6川村選手にはオープンへのアタックが増えると予想されます。LB#9文字選手、LB#45酒井選手、LB#52山本選手、LB#57寺林選手ら前節も活躍した選手達が左右に素早く展開し、さらにそこにDBのサポートタックルが入るという厚みを増したディフェンスプレーを期待したいところです。

WR#15フェルプス選手対策は、昨年の経験も含めてかなり準備が必要でしょう。サイズもあるためDBとのマッチアップでは相手が有利に運ぶ場面が多くなると想像されます。バスカットを狙うことは当然ですが、ランアフターキャッチ(RAC)を許さずに1プレーでのTDを阻止することが一番の課題になるでしょう。DL陣のプレッシャーもあるため、QBも決して楽な体勢からのパス機会は少ないと期待されます。無理な体勢からのパスであれば、前回のDB#1中谷選手のようにインターセプトのチャンスも生まれるでしょう。パスターゲットとしては、複数の選手に投げ分けては居ますが、パッシングヤードの60%をWR#15フェルプス選手一人で獲得しているだけに、どのDB選手が対決するとしても、やはり彼とのマッチアップがディフェンス戦での最大の見所になるでしょう。
 

試合の見所

ここまでの2試合で感じる事は、これまでに無くBIG BLUEのオフェンス・ディフエンスともにシステムとして上手く機能していると言う事です。コーチが準備したゲームプランがあり、それを確実に実行できる選手が居て、チームとして結果を出し、それが次のゲームプランに反映されてさらに磨きが掛かるという、理想的な「エコシステム」が回っている気がします。このBIG BLUEのエコシステムを更にどこまで洗練することが出来るか、この試合は重要な機会になるでしょう。オフェンスはこれまでの試合のように、オープニングドライブで確実にTDを奪う事が最初の課題になります。さらに前半でどれだけ得点力が発揮できるかが見所になります。ディフェンスは、中盤に競り合い・点の取り合いとなった時に、どれだけ相手の攻撃シリーズを無得点に押さえられるか、その抑止力がこの試合での見所になります。

福岡、大阪と遠征試合が2試合続き、アウェーの厳しい条件ながらも自分達の欲する内容の試合をして勝利を持ち帰ることが出来ました。今回の試合からは富士通スタジアム川崎、横浜スタジアムと地元での対戦となり、これまで以上に熱く激しい対戦が始まります。この試合に勝利しBIG BLUEの勝点が「9」となった場合、現在勝点0のエレコム神戸ファイニーズ、胎内ディアーズ、otonari福岡SUNSの3チームは残り3試合の中で他の2チームとの直接対決の試合が予定されているため、3勝して勝点9に届く可能性があるのは1チームのみとなり、少なくとも2チームは勝点でBIG BLUEを上回る事が出来ません。その為、この試合に勝てばBIG BLUEのライスボウルトーナメント進出が確定(リーグ戦4位以上)します。勿論、リーグ戦で目指すゴールはさらに高いものですが、まずはしっかりとこの試合を勝ちきり、次の目標へ向けて確実に結果を出して欲しいと思います。

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