あるOBの呟き- 第三節: vs アサヒビールシルバースター戦

2023/10/11

9月の遠征2試合を連勝し、ライスボウルトーナメント進出が決まる三連勝を目指して対戦するのは、やはりここまで連勝をしているアサヒビールシルバースター(以下、アサヒビール)です。昨年のリーグ戦でも対戦し、序盤にBIG BLUEがセーフティを奪いさらにフィールドゴール(FG)も決まり先行するものの、TDを奪われ逆転。そこから互いに逆転するシリーズが続き、2Q最後にTDでBIG BLUESがリードして折り返すまで、実に前半だけで5回もリードが変わるシーソーゲームとなりました。後半に入り、2TDを追加したBIG BLUEがアサヒビールの追撃を振り切って勝利しましたが、実力と経験値の高い能力を維持した底力のある侮れないチームである事は昔から変わりません。

昨シーズンは電撃移籍をしたQB#11 Laughrea選手が話題になりしたが、今シーズンも高いパッシング能力を持つQB#12柴崎選手がさらに加入し、得点力がアップしたと言えます。第一節の胎内ディアーズ戦は28-24、第二節のotonari福岡SUNS戦は17-14と、どちらも終盤に逆転をして僅差で逃げ切っています。ここまでのBIG BLUEの試合は、序盤にテンポ良く得点を積み重ね、その点差を出来るだけ後半も維持する事で逃げ切るパターンの試合が続きました。今回の試合もそういうシナリオを期待したいのですが、天候はあいにくの雨。気温もこの時期にしては寒く、このような状況での試合はここ数年記憶にありません。当然パスオフェンスに影響はあるはずで、これはどちらのチームに取ってもデメリットになります。そこからどの様に対策をして主導権を握る事が出来るか、注目の試合はBIG BLUE K#11福岡選手のキックオフで始まりました。
 

ディフェンスが流れを逃さない

QB#12柴崎選手が登場し、アサヒビール最初の攻撃は、ランオフェンスの中心であるRB#6川村選手のランでダウンを更新します。パス失敗の後、再びRB#6川村選手がボールを受け取ると一気に中央を抜けて敵陣まで前進します。しかし、ここからBIG BLUEディフェンスが活躍。DL#93佐久間選手、DL#31菊池選手と2ヤードでランを止めると、3rdダウンのパスもDL#6 Onyechi(愛称"CJ")選手がQBを止め、このシリーズをパントで終わらせます。続くBIG BLUEの攻撃は、同様にアサヒビールの積極的なディフェンスにプレーが続かず、4thダウンでパントになります。P#16近藤選手が登場しますが、ロングスナップがオーバースローしてしまい、そのボールを確保する間にタックルを受け、ゴール前24ヤードからアサヒビールの攻撃が始まります。

1stダウンではRB#6川村選手がスピードでスクリメージラインを抜けると、辛くもDB#37 Stewart選手がゴール前7ヤードでタックル。雨模様の天候もあるのか、QB#12柴崎選手はパスではなく再びRB#6川村選手にハンドオフをして2ヤード進みます。2ndダウンでは一転してエンドゾーン左隅へパスを投げますが、ここでDB#29米田選手のホールディングが発生し、ゴール前3ヤードで1stダウンを更新します。この距離から、三度RB#6川村選手がハンドオフを受けると、プロックするラインの横を飛び越えて先制のTDを奪います。

BIG BLUE 2回目の攻撃シリーズは、1stダウンのパスは失敗しますが、2ndダウンではスクランブル気味に走り出たQB#2政本選手からWR#85鈴木選手へパスが通りダウンを更新。ここでQBはQB#11 Viramontes選手へ早くも交代します。TE#40 Stanton選手へのパスは1ヤードでタックルされますが、RB#28加藤選手がダウン更新のランで進むと、次は自らのキープで一気に12ヤード進み敵陣に入ります。ここでQBは再びQB#2政本選手と交代。ホットラインWR#84近江選手へサイドライン際へのパスを投じますが、タイミング合わず失敗。2ndダウンではRB#28加藤選手が左オープンに出ようとしますが、ここでボールを弾き出されてファンブル。これをアサヒビールDB#28長島選手がリカバーし、攻撃権がアサヒビールへ移動します。

追加点のチャンスを掴んだアサヒビールですが、BIG BLUEディフェンスは流れを渡しません。RB#6川村選手のランをDB#5小阪田選手がタックルすれば、2ndダウンのパスも失敗。再びRB#6川村選手のランを試みますが、これはDL#6 CJ選手がロスタックル。アサヒビールはパントで攻撃権を放棄します。BIG BLUEの攻撃が自陣29ヤードから始まり、試合は2Qに入ります。まずは得点に繋げたいオフェンスですが、QB#2政本選手のパスは繋がらずこちらも4thダウンパントで攻撃権が移動します。アサヒビールの攻撃は、パスでダウン更新は許しますが、DB#33藤田選手、LB#52山本選手、DL#6 CJ選手とランに対してはロスタックルで阻止。パントに追い込み、攻撃権を奪います。自陣1ヤードからの厳しいスタートですが、QB#10 Viamontes選手のランで大きく前進した後、RB#28加藤選手のランで敵陣に入ります。ここからQB#10 Viramontes選手はパスで前進を試みますが、カバーも厚く失敗。4thダウンとなり、P#16近藤選手が登場します。ここでパントを蹴るものの、アサヒビールのラフィングザキッカーの反則で15ヤードの罰退となり、更にBIG BLUEの攻撃は続きます。

敵陣35ヤードから再開したBIG BLUEの攻撃。QB#10 Viramontes選手は、3rdダウン11ヤードからWR#84近江選手へのパスでダウンを更新します。その後、一旦反則で後退するものの、次のプレーでは、QB#10 Viramontes選手がタックルを受けて倒れながら投じたパスがRB#4鈴木(恵)選手へ成功しますが、直前の罰退が響きダウン更新まで1ヤード残します。ここは期待通りQB#10 Viramontes選手のキープでダウンを更新して、ゴール前7ヤードで1stダウンとすると、左サイドのTE#40 Stanton選手へパスが通り、左パイロン際へ飛び込み同点のTDを奪います。

前半も残り時間が少なくなり、リードをして折り返したいアサヒビールは、パスで前進を試みますがディフェンスのプレッシャーも厳しく失敗。さらに左にロールアウトしながらWR#83林選手へパスを投じると、倒れながら捕球しようとしたボールが体に当たり大きく空中に跳ね上がります。このボールをすかさずDB#小阪田選手がキャッチし、パスインターセプトとなります。残り時間1分22秒、自陣42ヤードからのBIG BLUEの攻撃は、RB#28加藤選手がカットバックでダウンを更新して敵陣に入ります。時間を使いながらも前進を試みるBIG BLUEオフェンスは、QB#10 Viramontes選手のキープでFG圏内にボールを進めます。さらにエンドゾーンを目指しますが、2ヤード戻されたところで残り時間1秒となりタイムアウトで時計を止めます。K#11福岡選手が42ヤードFGトライを試みますが、直前でアサヒビールがタイムアウトのコール。タイムアウトで仕切り直しをしたK#11福岡選手は、この42ヤードFGキックを成功させ、10-7とリードをして前半を終了します。
 

オフェンスが覚醒

後半3Qは、アサヒビールK#95神杉選手のキックオフで再開。キックオフボールをキャッチしたRB#32柴田選手は、タックラーを跳ね飛ばしさらに上手くリードブロック利用して敵陣42ヤードまで戻す30ヤードのビッグリターンを見せます。後半はまずQB#10 Viramontes選手が登場。RB#28加藤選手がダウン更新のロングゲインを見せれば、続けて今度はWR#81糸川選手へ18ヤードパスが成功し、ゴール前13ヤードで1stダウンを更新します。追加点のチャンスですが、奥行きが無くなった分アサヒビールのディフェンスも厚くなり、4thダウンで3ヤードが残ります。ペンチからは、FGではなくギャンブル選択の指示。今シーズンの切り札であるQB#10 Viramontes選手が飛び込みますが、残念ながら僅かにダウン更新には届かず、ゴール前4ヤードで攻守交代となります。

前半堅守を見せたBIG BLUEディフェンスは、後半も好調。セーフティを狙う勢いで、DL#6 CJ選手、DB#24岸野選手と好タックを見せダウン更新を許さず、3rdダウンのパスもQBにラッシュをして失敗に追い込みます。アサヒビールの後半最初の攻撃はQB#10安藤選手のパントで交代しますが、その後のBIG BLUE、アサヒビールも決め手に欠け、パントでの交代が続いた後、BIG BLUE後半3回目の攻撃が始まります。QB#2政本選手が際どいタイミングでWR#81糸川選手にパスを通すと、糸川選手はくるりと反転をして一気に加速。敵陣28ヤードまで運ぶ38ヤードのロングパスとなります。これでリズムを取り戻したオフェンスは、RB#28加藤選手のランを続けて20ヤードの内側に入ると、WR#85鈴木(隆)選手へのダウン更新のパスが成功。ゴール前4ヤードとなると、QB#10 Viramontes選手が入りますが、パスからスクランブルに切り替えると、これが相手の逆を突きエンドゾーンへ走り込みます。

自陣23ヤードからのアサヒビールの攻撃ですが、まずはDL#92草野選手が-9ヤードのQBサックで大きく後退させます。続くWR#8小林選手のパスで元の位置に戻ると、ここで3Qが終わり最終4Qに入ります。ここからQB#12柴崎選手のパスが復活し、WR#83林選手、WR#8小林選手、WR#15 Phelps選手と続けてダウン更新のパスが成功し、ゴール前27ヤードで1stダウンを更新します。しかしLB#45酒井選手、DB#37 Stewart選手がパスカットで阻止すると、アサヒビールは4thダウンでFGを狙います。44ヤードのFGですが、K#4梅垣選手のキックは中央を割って入ったDL#44福岡選手がブロック。後ろに転がるボールをWR#83林選手が確保しますが、それをDL#44福岡選手がさらにタックルと、一人二役でピンチを救います。

このディフェンスの勢いがオフェンスにも伝搬します。RB#4鈴木(恵)選手の中央ダイブプレーは、スクリメージラインを抜けると一気に加速して、37ヤードのロングゲインになりますが、残念ながら反則で15ヤード罰退して敵陣33ヤードからの1stダウンとなります。QBはQB#10 Viramontes選手に交代。厳しいラッシュを受けて、やや無理な体勢からエンドゾーン手前のWR#86熊井選手へパスを投げます。手前に走り込んだDB#28長島選手がパスをカットしますが、運良くその浮いたボールをWR#83天田選手がキャッチ。結果的にWR#83天田選手への30ヤードパス成功となります。ゴール前3ヤードからの1stダウンプレーは、QB#10 Viramontes選手のランですが2ヤードでダウン。2ndダウンでは、QB#10 Viramontes選手がラッシュを受けてタックルされながらも、TE#40 Stanton選手へTDパスが成功。K#11福岡選手のトライフォーポイントキックも成功し、24-7と更に点差を広げます。

アサヒビールはQBをQB#11 Laughrea選手に交代しますが、1stダウンのパスはDB#23玉川選手がレシーバーの手から掻き出し失敗。2ndダウンではWR#83林選手へパスが通りますが、すかさずDL#6 CJ選手がタックル。3rdダウンのパス失敗のあと、4thダウンでもフィールド奧へパスを投げますが、これをDB#5小阪田選手がカット。敵陣40ヤードからBIG BLUEの攻撃に変わります。RB#28加藤選手が一気に13ヤード進めますが、相手のオフサイドの反則でさらに5ヤード前進。再びRB#28加藤選手がボールを進めて、ゴール前19ヤードで3rdダウン2ヤードのプレー。QB#2政本選手はRB#28加藤選手にハンドオフしますが、加藤選手から政本選手へ再びボールがピッチされて戻されます。ここからQB#2政本選手は、左オープンでフリーになっていたWR#80小鳥居選手へパス。フリーフリッカーから19ヤードTDパスが成功して、さらに31-7と点差が広がります。

K#11福岡選手のキックオフは、WR#88森岡選手がボールをキャッチすると間髪入れずにDB#32柴田選手がタックル。自陣31ヤードからの攻撃となったアサヒビールは、今回もQB#11 Laughrea選手を投入しますが、ファーストプレーのロングスナップがそれて9ヤードのロスに。この後3rdダウン19ヤードからラッシュを受けながらもRB#6川村選手へ23ヤードパスが通りますが、BIG BLUEディフェンスは無理をせずにプレーをさせて時間を進めようとしているように見られます。パス不成功では時計が止まるため、パスを取らせてタックルして残り時間を進めていきます。敵陣28ヤードまで前進してダウンを更新しますが、ラッシュしてきたDL#90大島選手が右手でQB#11 Laughrea選手をダウンさせて7ヤードのロス。堪らずタイムアウトをとり時計を止めて更にパスでエンドゾーンを目指しますが、DB#27田尾選手がパスをインターセプトし攻守交代。残り時間をニーダウンで消費して試合終了となりました。
 

更にチーム力をアップ

3戦目にして初めて先制点を許し、しかも記憶する限りでは数年ぶりという雨中の試合のためか、前半はリズムに乗れないオフェンスが気になりました。人工芝のため、グランドコンディションは雨でもそんなに変わらない思いますが、やはり雨に濡れたボールに慣れていない分、ちょっとした感触の違いがプレーに大きな違いを生むのが実戦の怖さでしょうか。これまでのオフェンスだと、そのままズルズルと自滅することが少なからずありましたが、今シーズンはQB#10 Viramontes選手のランと、倒されても投げてくるパス能力の強さが、そのままオフェンスの強い体幹になっている印象を受けます。それ故に、多少の事では崩れない強いオフェンスチームに成りつつある事が、今シーズンの強みと言えるでしょう。

ディフェンスは、初戦の28失点から、21失点、7失点と力を発揮してきており、この堅牢さが前半なかなかリズムを掴めなったオフェンスを支えて、モメンタムを相手に渡さなかった原動力だったと感じます。この試合からは、DL#6 CJ選手とDB#37 Stewart選手がプレーに参加して、ディフェンスの厚みが増したことも理由だと思いますが、それ以上に現役選手、新加入選手、若手選手、ベテラン選手、どのメンバーも期待以上のプレーを試合で見せており、それが試合毎にさらに成長していると感じます。ここまでのランディフェンスはほぼ完璧な内容だけに、更にパスディフェンスが強くなればと欲も生まれてきます。QBへのラッシュを強化するのか、DB陣のマッチアップ能力を磨くのか、次の試合も大いに期待したいと思います。

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