あるOBの呟き- 第五節: vs 富士通フロンティアーズ戦

2023/11/07

9月から始まった2023シーズンリーグ戦は、早くも最終第五節の試合となります。苦しい試合もありましたが、ここまでの4戦を勝ち抜けてきたBIG BLUEの対戦相手は、やはり四連勝でこの試合に望む昨年のライスボウルチャンピオンの富士通フロンティアーズ(以下、富士通)です。昨シーズンライスボウルを制して二連覇を達成し、今シーズン三連覇を狙う富士通ですが、春のポールボウルトーナメントでは準決勝でノジマ相模原ライズ(以下、ノジマ相模原)に敗れ、そこから仕切り直しをしてリーグ戦に臨んできました。特にオフェンスでは、第四節終了時点でX1 Super 12チーム唯一200得点越えをしており、この強力なオフェンスにどう対処するかBIG BLUEデイフェンスが問われる試合になります。

その富士通オフェンスは、日本代表QBの経験もあるQB#18高木選手を中心に、ランではRB#2ニクソン選手、パスではWR#4グラント選手の活躍に注目が集まりますが、ランニングバック/レシーバー、どのポジションにも豊富なタレントを有しており、過去の対戦では毎回苦しい試合が続いています。富士通ディフェンスも、最前列のディフェンスライン(DL)にラインバッカー(LB)、そしてパスディフェンスの要であるディフェンスバック(DB)と、どのポジションも日本代表クラスの選手が集まっています。BIG BLUEオフェンスとしては、今シーズン好調なランオフェンスを生かしつつ、どの様に効果的なパスオフェンスでエンドゾーンに迫ることが出来るか真価が問われる試合になります。
 

畳み掛けられる前半

試合はRB#20石川選手のキックオフを自陣22ヤード迄戻して、富士通最初の攻撃が始まります。富士通のスターターは、QB#15野沢選手。3rdダウン2ヤードからRB#2ニクソン選手の20ヤードランで大きく前進すると、さらにRB#21三宅選手がゴール前15ヤードまでボールを運び、最後はWR#4グラント選手へのTDパスで先制すると、トライフォーポイント(TFP)では、WR#4グラント選手へパスが成功。続くBIG BLUE最初の攻撃は、QB#2政本選手がターゲットを探すもカバーが厳しく4thダウンパント。さらにQB#2政本選手のパントをWR#4グラント選手が大きくリターンをする中、辛くもOL#55藤井選手がタックルして止めますが、ゴール前9ヤードから富士通の攻撃となります。RB#2ニクソン選手のダイブはLB#57寺林選手が止めますが、最後はWR#85松井選手へのパスが成功してTD。早くも2TDの先行を許します。

BIG BLUE 2回目の攻撃は、蹴り直した富士通キックオフをDB#37 Stewart選手がエンドゾーンからリターンを開始しますが、富士通の早い集まりに自陣17ヤードからとなります。QB#2政本選手からの1stダウンのパスは失敗しますが、ラッシュを受けながらもRB#28加藤選手、WR#18井上選手とミドルバスが続けて成功して初めてダウンを更新します。RB#28加藤選手の3ヤードダイブの後の2ndダウンのプレー、ミドルゾーンに厚く守備を広げた富士通は、QB#2政本選手のパスをLB#51山田選手がチップすると、そのポールをインターセプトして好守が入れ替わります。敵陣40ヤードからの富士通の攻撃は、DB#1中谷選手がロスタックルするものの、WR#85松井選手へのパスでゴール前13ヤードでダウンを更新。さらにラッシュを受けながらもQB#15野沢選手からRB#2ニクソン選手へのTDパスが成功し、0-22と更に点差が広がります。

エンドゾーンからRB#21平松選手が18ヤードリターンをしてBIG BLUEの攻撃は、QBがQB#10 Viramontes選手に交代します。2回のパス失敗の後、3rdダウンではWR#85鈴木(隆)選手へダウン更新のパスが成功します。パスでディフェンスを下げた後、今度はRB#28加藤選手が中央を狙うものの、DL#9マシス選手のロスタックルで下がります。QB#10 Vitramotes選手は激しいラッシュを受けながらもターゲットを探しますが、大きく後退したところでタックルを受けてしまいます。残念ながらこの攻撃シリーズも、P#16近藤選手のパントで終わります。富士通はWR#4グラント選手へのパスで敵陣に入ると、さらにWR#13高津佐選手へのパスでダウン更新をしたところで試合は2Qに入ります。

2Qに入るとWR#85松井選手へのパスを、エンドゾーン手前でDB#5小阪田選手、DB#37 Stewart選手の二人がかりで阻止するものの、RB#21三宅選手の2ヤードダイブを止められず、このシリーズでもTDを許してしまいます。何とか反撃の切っ掛けを掴みたいBIG BLUEですが、RB#28加藤選手のランは厚い富士通のディフェンスを突破出来ず4thダウンパントで交代となります。富士通はRB#2ニクソン選手、RB#21三宅選手とランでダウンを更新。しかし次のRB#21三宅選手のランは、LB#57寺林選手が2ヤードでタックルした後の2ndダウンの攻撃。敵陣に入りやや奧を狙ったQB#15野沢選手からWR#84神選手へのパスは、DB#33藤田選手がタイミング良く前に入りインターセプト。2Q中盤で反撃の糸口を掴みます。

自陣45ヤードからの反撃は、WR#15九里選手、WR#18井上選手とパスが続きダウンを更新して敵陣に入ります。RB#4鈴木(恵)選手へのパスで6ヤード前進するもののフォルススタートの反則で5ヤード罰退。WR#80小鳥居選手へのパスは通るものの直ぐにタックルをされて、4thダウンで8ヤードが残ります。当然ギャンブルを選択したBIG BLUEは、QB#2政本選手がターゲットを探しますが、直ぐさまスクランブルに出てダウンを更新します。QB#10 Viramontes選手に一度交代してQBキープで6ヤード進むものの、次のプレーでQB#2政本選手がQBサックを受けて再びQB#10 Viramontes選手と交代。WR#81糸川選手へパスが成功してゴール前13ヤードでダウンを更新します。1stダウンでは、QB#10 Viramontes選手が自らキープしますが、密集になった所でLB#50海崎選手がボールを奪うと、そのまま90ヤードを走り抜きリターンTDを奪われてしまいます。

予想外のリカバリーリターンTDを奪われましたが、何とか前半に得点をして折り返したいBIG BLUE。富士通のキックオフはタッチバックとなり自陣25ヤードからのBIG BLUEの攻撃。QB#10 Viramontes選手はドロップバックするものの、ラッシュを受けてボールを一度ファンブルしますが、直ぐさま自分で確保するとスクランブルに出ると、ジャージを掴まれながらも執念で7ヤード前進します。次のパスは失敗しますが、3rdダウンではブリッツをかわしながらも中央に走り込んできたWR#82白根選手へパスが通りダウンを更新します。富士通もTDを警戒して下がり気味の守備を敷いているのか、RB#28加藤選手のランの後QB#10 Viramontes選手のランで敵陣に入りダウンを更新します。タイムアウトを取って時計を残り6秒で止めた後のプレーは、QB#10 Viramontes選手が直ぐさま走り出ますが、タックルを受けてエンドゾーンには届かず、前半が終了します。
 

後半は互角の勝負に持ち込むが...

予想はしていたものの、それ以上に厳しい展開となった前半。気持ちを切り替えて始まる後半は、K#5納所選手のキックオフで再開します。エンドゾーン手前でキックオフボールをキャッチしたDB#37 Stewart選手は、リードブロックであいたフィールド中央を抜けると一気に加速。58ヤードを戻して敵陣42ヤードからBIG BLUE後半最初の攻撃が始まります。絶好の反撃の切っ掛けとなりましたが、1stダウンでのRB#21平松選手のランは、オフタックルを回り込んだところでタックルされてしまいます。QB#10 Viramontes選手は、パスで前進を試みますが厳しいラッシュにパスは続けて失敗。反則も重なり大きく後退。4thダウンでは早くもギャンブルで前進を目指しますが、ここでディレーオブザゲームの反則で自ら5ヤードの罰退。折角の好機を生かせず、パントで攻撃権が移動します。

パントがタッチバックとなり、自陣20ヤードからの後半最初の富士通の攻撃。RB#21三宅選手のランを続けてダウンを更新すると、今度はWR#19小梶選手へのバスで更にダウンを更新しながら前進して敵陣に入ります。ダウン更新のための残り3ヤードをRB#21三宅選手が再びボールを運びダウンを更新します。QB#15野沢選手は、ランでディフェンスが中央に集まったとみると、一気にエンドゾーンを狙うパスをWR#19小梶選手へ投じると、ゴール前7ヤードでキャッチしてサイドラインを割ります。1stダウンでは、WR#4グラント選手が走り込む左奥コーナーへパスを投げ込みますが、これはオーバースローで失敗。次のプレーは左3人並んだレシーバーのうち、一番内側のWR#83柴田選手へパスを投じますが、これを読んでいたDB#5小阪田選手が前に入りインターセプトすると、53ヤードのビッグリターンとなります。

再びディフェンスからチャンスを貰ったオフェンスは、敵陣46ヤードからのファーストダウン。QB#10 Viramontes選手は、パスで前進を試みますが厳しいラッシュもあり自らのキープで4ヤードの前進。次はTE#40 Stanton選手へパスは通るもののダウン更新には1ヤード足りません。3rdダウンではRB#28加藤選手がハンドオフを受けますが、プレーを間違えたのか直ぐさまタックルを受けて4ヤード後退。4thダウンギャンブルもパス不成功となり、今回もチャンスを生かせず攻撃権が移動します。富士通の攻撃は、RB#28香川選手をDL#6 Onyechi選手がブリッツで後退させますが、WR#11木村選手、WR#25坂本選手とダウン更新のパスが続けて成功し、ゴール前11ヤードでファーストダウンを更新します。RB#28香川選手のダイブをDL#93佐久間選手が2回止めた後の3rdダウン、TDを狙ったQB#15野沢選手のパスはオーバースロー気味に高目に浮きますが、これをDB#37 Stewart選手がジャンプしてインターセプト。2シリーズ続けてターンオーバーで窮地を脱します。

自陣20ヤードからRB#21平松選手が4ヤード進んだところで、試合はサイドが代わり4Qに入ります。QB#2政本選手は、パス失敗の後今度は素早くスクランブルに出て自らダウンを更新。しかし次のプレーでは、WR#82白根選手を狙ったパスが奥へ伸びすぎDB#14高口選手がインターセプト。なかなか攻撃リズムが掴めません。富士通はQBをQB#38濱口選手に交代すると、時間消費も兼ねてRB#28香川選手へボールを集めてじりじりと前進します。ゴール前20ヤードでの2ndダウンでは、ロングスナップが大きく後方へそれて17ヤード後退しますが、次のパスプレーではBIG BLUEにフェイスマスクの反則が発生し、ゴール前13ヤードでファーストダウンを更新します。ここから富士通はランプレーで刻むと、最後はRB#28香川選手が1ヤードを飛び込み後半最初のTDとなります。

続くキックオフでは、RB#21平松選手がエンドゾーンでボールをキャッチすると、リードブロッカーの間を抜けて独走状態に。残念ながらタックルを受けてエンドゾーンには届きませんでしたが、敵陣39ヤードまでボールを進めます。エンドゾーンを狙うBIG BLUEは、左にロールアウトするQB#2政本選手から逆サイドのTE#40 Stanon選手へ11ヤードパスが成功。さらにRB#32柴田選手が2ヤード進めた後、WR#85鈴木(隆)選手へのパスが通りますがダウン更新に1ヤード残ります。3rdダウン1ヤードからダウン更新を狙ったWR#81糸川選手へのパスは失敗。4thダウンギャンブルでは、そのWR#81糸川選手がエンドゾーンへ走り込むところに、肩越しのパスが成功し、待望のTDを奪います。

続く富士通の攻撃は、フィールド中央50ヤードから始まります。RB#26横川選手が中央へダイブしますが、ここでDL#99島野選手の手がかかったかボールをファンブル。このボールをLB#52山本選手がリカバリーし、1プレーで攻撃権を奪い返します。残り1分18秒、自陣46ヤードからのBIG BLUEの攻撃は、WR#14遠藤選手へのパスで敵陣に入り、RB#21平松選手のランでダウンを更新します。しかし、ここから富士通のデイフェンスも厚くなり、QB#2政本選手のスクランブルもタックルを受けて後退。WR#81糸川選手へパスは通りますが、4thダウンで9ヤードが残ります。QB#2政本選手は、手前に走り出たRB#21平松選手へパスを投じるものの、マークしていたLB#47山岸選手がカット。残り7秒を富士通はニーダウンで消化し、試合終了となりました。
 

昨シーズンの轍は踏まない

後半は何とか五分の勝負に持ち込めましたが、BIG BLUEらしいオフェンスがことごとく封じ込められてしまい、予想以上に厳しい内容の試合となりました。ここまでの試合では機能していた、RB#28加藤選手やQB#10 Viramontes選手のランプレーはしっかりと対策されており、特にRB#28加藤選手は7回のプレーで僅か4ヤードしか進めていません。ラッシングヤード全体でも、22回のプレーで合計52ヤードしか進めず、かなりしっかりと準備してきた様子が伺えます。その為パスオフェンスも苦しくなり、結果的にオフェンスの良さを出す余裕もなく試合が終わった印象を受けます。BIG BLUEディフェンスも、RB#2ニクソン選手に対しては7回47ヤードと決して悪い内容では無いと思いますが、その分RB#28香川選手、RB#21三宅選手にゲインを許し、ランディフェンスとして課題が残る内容でした。パスディフェンスにおいても、17回捕球215ヤードは決して満足出来る内容ではありませんが、3回のインターセプトでTDのピンチを回避するなど、内容的には良い部分も多かったと感じます。

富士通のオフェンス・ディフェンスを観ていて強く感じる事は、決められたことをきっちりと完遂出来るチームであるという事です。試合の中での失敗らしいものは、4Q序盤のスナップミスくらいしか無く、反則も2回5ヤードとBIG BLUEの5回38ヤードを大きく下回っており、チームとしての完成度の高さを感じます。こういうチームを崩すには、先ず自分達がそれ以上に完成度の高い、ミスも隙も無いチームにならなければ太刀打ちできないわけで、今日の試合を観てもまだまだやるべき課題は多いことを実感した内容でした。望むと望まざるにかかわらず、ここまでは昨年と同じ結果が続いているBIG BLUE。昨年の轍を踏まないためには、ここからもう一度再スタートするしかないでしょう。昨年とは違う結果を、是非次のノジマ相模原との試合で見せて欲しいと思います。

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