2023 準々決勝: ノジマ相模原戦の見所

2023/11/12

残念ながら最終戦で富士通フロンティアーズ(以下、富士通)に敗れた為、今シーズンも4勝1敗でリーグ戦を終了してディビジョンBを2位で通過したBIG BLUE。しかし息つく間もなく、2023ライスボウルトーナメントが始まります。初戦となる準々決勝の対戦相手は、ディビジョンAを3位で通過したノジマ相模原ライズ(以下、ノジマ相模原)です。ノジマ相模原のリーグ戦前半の試合は、接戦になりながらも勝ち星に恵まれず苦しいスタートとなりました。第四節でシーズン初勝利を掴みますが、混戦となったトーナメント進出残り2枠の争いでは、東京ガスクリエイターズ、アサヒ飲料チャレンジャーズ(以下、アサヒ飲料)との3チームでの勝点と得失点差の争いとなりました。最も厳しい条件下にあったノジマ相模原は、アサヒ飲料との最終戦を点差を付けて勝利し、リーグ戦を3位で終える地力の強さを見せました。

ノジマ相模原とはこれまでも何度も対戦し、毎回点の取り合いの接戦となる試合が続いています。直近の対戦となる昨年のリーグ戦では、リードが6回変わるシーソーゲームとなりますが、BIG BLUEが逆転をした後、ディフェンスのパスインターセプト等で相手の反撃を抑えて3点差で勝利しました。今シーズンのノジマ相模原オフェンスも、QB#6 Palandech選手を中心に機動力あるオフェンスを構築しており、ラン・パスともに1プレーでTDを奪う力を持っています。ディフェンスも積極的に攻め込むアグレッシブなプレーが特徴ですが、今シーズン最も補強したと思われる、ラインバッカー(LB)陣をどう切り崩すかが鍵になるでしょう。QB#6 Palandech選手のランは今回も注意が必要ですが、BIG BLUEのQB#10 Viramontes選手も負けておらず、「投げ合い」ならぬ「走り合い」が一番の見所になるかもしれません。
 

オフェンスの見所

今シーズンのBIG BLUEオフェンスは、2年目のRB#28加藤選手と新加入のQB#10 Viramontes選手のランプレーを軸に、それに刺激を受けたRB陣の活躍と、本来のパッシングオフェンスが噛み合う攻撃が特徴です。しかし前節の富士通戦では、リーグトップクラスのディフェンスライン(DL)の厚い壁に阻まれてスクリメージラインを越えることも難しく、それ故パッシングオフェンスも本来の力を出せずに終わってしまった印象があります。ノジマ相模原も強力なDL陣を有していますが、さらに今シーズン充実しているLB陣をどう攻略するかが鍵になるでしょう。オフェンスは、シーズン初戦では3Q途中で終了したものの46点を獲得しますが、以後試合毎に35点、31点、27点、7点と得点力は下がっています。相手チームのスカウティングが進んだという理由もあると思いますが、これから始まるトーナメント戦に向けて、より強いオフェンスをこの試合で見せて欲しいところです。

富士通戦では、ランオフェンスは22回52ヤードに押さえられ、しかもQB 2人の記録を除いたRB 3人の記録は11回14ヤードと散々な結果でした。特にRB#28加藤選手は、7回4ヤードと完全にプレーを封じられましたが、富士通戦からオフェンスユニットに復帰したRB#21平松選手は、3回8ヤードとまだまだ不満足な結果でしたが復活の兆しを見せてくれました。苦しみながらも、富士通戦でプレー感も取り戻したと期待されますから、ランオフェンスの復活が先ずはこの試合の見所になります。またRB#21平松選手は、第四節の胎内ディアーズ戦ではキックオフリターナーとして1プレーに出場し、1回34ヤードを記録しました。富士通戦でもリターナーとして2回79ヤードの記録を残しており、DB#37 Stewart選手とともにこの試合でのビッグリターンプレーが期待されます。

パッシングオフェンスでは、ホットラインのWR#84近江選手、WR#85鈴木(隆)選手、TE#40 Stanton選手へのマークも厳しく、思うようなパスオフェンスを展開出来ませんでしたが、WR#81糸川選手のTDレシーブを筆頭に、WR#18井上選手、WR#15九里選手と若手選手のプレーがその中でも光りました。また厳しい条件の中、11人のレシーバーにQB#2政本選手、QB#10 Viramontes選手の二人は投げ分け、プレーの幅は広げられたと思います。この試合でも、激しいラッシュと厳しいマークが予想されますが、WR#81糸川選手が相手のマークを受けながらもTDパスをレシーブしたような、紙一重のプレーがこの試合でも大きな見所になるでしょう。そして、昨年の試合ではTD数では互角ながらも、フィールドゴール(FG)の差が最後の勝敗を決定しました。K#11福岡(勇)選手のFG機会、勝敗を決める重要な要素であり大きな見所になります。
 

ディフェンスの見所

富士通戦でのBIG BLUEディフェンスは、5TDを許す厳しい内容でした。目標であったRB#2ニクソン選手対策は、7回47ヤードと合格点と言えると思います。ただ、それ以外の選手の対応に手こずり前進を許す場面が多く見られました。内側を固めれば外に流れ、外へ注意が向くと中央を攻められるという、対応が後手に回る場面が多かったような気がします。それ故に、本来予定していたプレーの精度が落ち、結果的に相手のプレーに対応する余裕も無くなるという悪循環に陥った気がします。ノジマ相模原は前節アサヒ飲料との対戦で、ランでは25回201ヤードとパスでの20捕球185ヤードを上回るオフェンスをしており、この試合でもランプレー対策が鍵になるでしょう。

その中でもやはり一番注意が必要なのは、QB#6 Palandech選手のランプレーと言えます。過去の対戦でも、素早いスクランブルやキーププレーに翻弄されましたが、この試合でもDL陣のラッシュでどれだけ素早くパスポケットを絞り外に出さないかが勝敗に大きく影響するでしょう。DL#99島野選手、DL#31菊池選手の外からのラッシュに、DL#6 Onyechi選手が左右への素早い対応でカバーするコンビネーションが期待されます。さらにDL#44福岡選手、DL#19植村選手、DL#92草野選手らが中を固め、そこへLB#17茂木選手、LB#52山本選手、LB#57寺林選手らLB陣が機動力を発揮して、ブリッツでQBの走り出しを阻止しながら、パスに対してもインターセプトに繋がるようなプレッシャーを与えるプレーが期待されます。

課題や反省点が多く見られた富士通戦でしたが、少なくとも3回のパスインターセプトに1回のファンブルリカバリーを得たことは大きな価値があったと思います。特に1試合3回のパスインターセプトは今シーズン最多であり、しかもいずれの場合もTDを阻止するターンオーバーになっており、これはこの試合でも大いに期待したいところです。特にDB#5小阪田選手は3回のパスインターセプトを記録してリーグトップタイを記録しています、DB#37 Stewart選手も2回で続いています。ノジマ相模原のWR#1 Vaughn選手、WR#9宜本選手、WR#81田窪選手、WR#86明松選手といった豊富なレシーバー陣とのマッチアップは、この試合最大の見所の一つです。また若手の中でも、DB#24岸野選手、DB#13舟橋選手、DB#33藤田選手らが富士通戦でも好プレーを見せており、この試合でも活躍が期待されます。
 

試合の見所

ここまでは、良くも悪くも昨シーズンの軌跡を辿るような試合が続いていますが、この試合からは「変革」しなくてはなりません。昨年敗れたエレコム神戸ファイニーズ戦では、序盤のもたつきを最後まで回収できずに終わったことが悔やまれます。リーグ戦でも、第三節のアサヒビールシルバースター戦や第四節の胎内ディアーズ戦がその状況に近い試合だったと思います。厳しい状況下でも気持ちを切り替えて、自分達の流れをどれだけ素早く取り返すか、まずはリーグ戦での経験値をどれだけこの試合で発揮できるか注目されます。そう言う意味では、富士通戦ではそれまでのアップテンポなオフェンスが影を潜め、1プレー毎に慎重にプレー選択をする様子が見られましたが、緩急の付け方にはもう少し工夫が必要かもしれません。WR#81糸川選手へのTDパスに繋がったシリーズも、プレーの失敗・成功にかかわらずテンポ良くプレーが繰り出されたことも要因の一つと言えると思います。

リーグ戦の成績だけ見ればノジマ相模原を上まわるBIG BLUEですが、最終戦のモメンタムではノジマ相模原に勢いがあった事は確実です。しかし、一旦ライスボウルトーナメントの対戦相手が確定すれば、リーグ戦の結果は全てリセットされて、後は勝ち残るか敗れて去るかの試合毎の結果だけが残ります。先ずは気持ちをしっかりと切り替えて、この試合に集中する事が重要であることは言うまでもありません。課題や反省点が多くあった富士通戦ですが、オフェンスではTDのシリーズだけでなく強力な富士通ディフェンスを相手に、エンドゾーンまで迫るシリーズもありました。ディフェンスも、4ターンオーバーを奪う活躍は大きな成果と言えますし、キックオフリターンでも大きくボールを戻すプレーが何回もありました。これらは次の成長への大きな糧と言えるでしょう。先ずはその成果を、この試合で見せて欲しいと思います。

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