あるOBの呟き- RBT準々決勝: vs ノジマ相模原ライズ戦
2023/11/21
リーグ戦を4勝1敗、Division-B 2位と昨年と同じ結果で終了したBIG BLUE。敗れればシーズン終了となるライスボウルトーナメント(RBT)の初戦準々決勝は、Division-A 3位のノジマ相模原ライズ(以下、ノジマ相模原)との対戦です。昨シーズンはこの準々決勝で敗れて不本意なシーズン終了となったBIG BLUE。今シーズンはこの試合に勝って、さらに先へと駒を進めたいところですが、対戦相手のノジマ相模原とは過去何度も対戦し、いずれの試合も接戦やオーバータイムに縺れる厳しい試合となる難敵です。ノジマ相模原は、RBT進出の為には最終節の試合での点差を付けての勝利が必要でした。プレッシャーも有る中、地元開催という地の利を得て3位で通過を勝ち取り、上り調子の勢いがあります。一方のBIG BLUEは、最終戦を大差で落とし、気持ちの切替がどの様に影響するか気になります。
ノジマ相模原オフェンスは、QB#6 Palandech選手を中心に、パスターゲットには今シーズン加入したWR#1 Vaughn選手がホットラインに加わりチームトップの成績を残せば、ベテランのWR#87田窪選手、WR#9宜本選手ら豊富なレシーバー陣も健在です。ランプレーでは、ルーキーRB#28吉澤選手の活躍が光りますが、それを上まわるラッシング記録を残しているのがQB#6 Palandech選手自身で、彼のキーププレーやスクランブルには、過去何度も苦しめられています。まずはQB#6 Palandech選手を自由に走らせない対策が求められ、そこから苦しい体勢で投げたパスを、どれだけ防ぎまたこれまでの試合のようにインターセプト等のビッグプレーを生み出せるか注目されます。コイントスの結果ノジマ相模原が前半のリターンを選択し、RB#20石川選手のキックオフで試合が始まります。
先制点を許すが追い上げて折り返す

FG失敗のため、元の位置である自陣26ヤードからノジマ相模原2回目の攻撃。右オープンへベテランWR#9宜本選手へのパスが通ると、今度は左オープンのWR#86明松選手へパスが通りダウンを更新します。ボールは自陣45ヤードまで進み、その直後のプレーは、左サイドから斜めに走り込んできたWR#1 Vaughn選手へ短いパスが通ると、直ぐさま縦に切り上がります。これがディフェンス選手の間を抜けるコースとなり、ラインバッカー(LB)/ディフェンスバック(DB)が集まるよりも早く抜け出ると、そのまま55ヤード独走して先制のTDを奪われてしまいます。リーグ戦から4試合続けて、序盤から相手の背中を追う展開となります。

ノジマ相模原のキックオフを、RB#21平松選手が24ヤード戻しますが、反則でハーフディスタンスの罰退となり自陣12ヤードからのBIG BLUEの攻撃。QBはQB#2政本選手が登場すると、2ndダウンでTE#40 Stanton選手へ8ヤードパスが通ったところで試合は2Qに入ります。ここからダウンを更新したもののQB#2政本選手がQBサックを受けて後退。これが響きパントで攻撃権が移動します。続くノジマ相模原の攻撃は、WR#81田窪選手へ36ヤードパスが成功し、一気にゴール前33ヤードまで前進します。しかしここからディフェンスが踏ん張り、RB#28吉澤選手のランをDB#24岸野選手が再びゲイン無しでタックル。さらに3rdダウン10ヤードのプレーで、ブリッツに入ったDB#1中谷選手のタックルに堪らずQB#6 Palandech選手にインテンショナルグランディングの反則があり、さらに後退しパントで終了します。

次のキックオフでは、リターナーに入ったRB#15川上選手が37ヤードをもどすと、その後RB#28吉澤選手のパスレシーブをLB#45酒井選手がタックルし、敵陣40ヤードでダウン更新に1ヤードが残ります。QB#6 Palandech選手がパスでダウン更新を狙いますが、厳しいラッシュに失敗が続き4thダウン1ヤードとなると、ノジマ相模原はギャンブルを選択。LB#99 Redwine選手がセンターの後ろに付き、そのままスニークでダウン更新を狙いますが、その正面に集まったBIG BLUEディフェンスもすかさず反応。相手の前進を許さず、この1ヤードの攻防に勝利します。残り2分弱からの攻撃で、TDを奪いたいBIG BLUEですが、LB#99 Redwine選手のQBサックを受けてQB#2政本選手は大きく後退。P#16近藤選手のパントで攻撃権はノジマ相模原に移動しますが、このシリーズもディフェンスが守り切り、7-13で前半を折り返します。
同点に追いつき勝負は最後の瞬間に

まだ3Q序盤で焦る必要はありませんが、何とかまずは1TDを返したいBIG BLUE。タッチバックの為自陣25ヤードからの攻撃は、いきなりQB#10 Viramontes選手がLB#45 Campbell選手にロスタックルを受け後退。しかし直ぐさまTE#40 Stanton選手へ23ヤードパスが通り取り返します。再びQB#10 Viramontes選手はロスタックルで後退しますが、今度はWR#84近江選手のジェットスイープで一気に敵陣32ヤードまで前進します。そのWR#84近江選手に今度はパスが通り、ゴール前23ヤードで3rdダウン1ヤードのプレー。一旦内側にカットしてハンドオフを受けたRB#21平松選手は、スクリメージラインを抜けると、先ず相手のタックルを振りほどいて加速すると、次のタックルも体を回してスピンでいなし、そのままエンドゾーンまでボールを運びTDを奪います。

RB#4鈴木(恵)選手が6ヤードボールを運んだところで、試合は最終4Qに入ります。QB#10 Viramontes選手は、パス失敗の後自らボールを運んでダウンを更新。次のプレーも自らボールを運びますが、ヘルメットが脱げたためQB#2政本選手と後退します。2回パスが失敗し、敵陣47ヤードで4thダウン8ヤードで、ここでもBIG BLUEはギャンブルを選択。フィールド中央に走り込んできたWR#81糸川選手へ24ヤードパスが通り、ゴール前23ヤードでファーストダウンを更新します。ここでQBはQB#10 Viramontes選手に交代。しかしノジマ相模原も厳しいラッシュでQB#10 Viramontes選手をロスタックルし、4thダウン9ヤードが残ります。BIG BLUEは、またもやギャンブルを選択。QB#10 Viramontes選手は、後ろからタックルを受けながらも、フリーでエンドゾーンに走り込むTE#40 Stanton選手へパス。これをTE#40 Stanton選手がキャッチし、TFPキックも成功して21-21の同点に追いつきます。

残り1分4秒、自陣26ヤードからのBIG BLUEの攻撃。既にタイムアウトは使い切っているため、時間との闘いにもなります。QB#2政本選手から、RB#21平松選手、WR#84近江選手とパスを投じると、直ぐにサイドラインへ出て時計を止めます。意表を突いてRB#21平松選手のランはファーストダウンには届かず、WR#14遠藤選手へのパスでダウンを更新。ここで一旦時計が止まります。次のプレーは、外に向けて走り出るRB#21平松選手へのパスですが、サイドラインを割る前にタックルを受けてしまいます。時間が進む中、QB#2政本選手はプレッシャーを受けながらもエンドゾーンに向けてパスを投じますが、DBと競り合いつつ走り込んでいたWR#81糸川選手へは届かず失敗。これで時計は4秒を残して止まります。ゴール前38ヤード、残り4秒でBIG BLUEはK#11福岡(勇)選手が56ヤードのサヨナラFGを狙います。序盤のFGの失敗、ノジマ相模原最後のタイムアウト、スタンドからの大歓声と、様々なプレッシャーの中、大きく弧を描いたキックはゴールポストの中央を通過し、24-21でのサヨナラ勝ちとなりました。2018年パールボウルトーナメント準決勝でもノジマ相模原と対戦しましたが、その時はオーバータイム1回目裏の攻撃で、K#11佐藤敏基選手が19ヤードサヨナラFGを蹴り勝利した以来の劇的な試合となりました。
劇的な試合の後だけに油断は禁物
とにかく「勝てて良かった」と心の底から感じる激闘でした。FG成功の直後、グランドに一斉になだれ込むBIG BLUEサイドの歓喜に対して、肩を落としグランドに座り込む選手も見られるノジマ相模原サイドの落胆の大きさは、この試合に賭けた両チームの気持ちの大きさが感じられる光景でした。どちらのチームのオフェンス/ディフェンスにも、良いところ悪いところが有ったものの、どちらも大きく崩れること無く持ち直して最後まで試合が進んだ、がっぷりと四つに組んだ内容だったと思います。前半に関しては先制点を奪われ、1Qに2TDを奪われる劣勢のスタートでしたが、何とかオフェンスが1TDを返し、さらにディフェンスもその後の失点を許さなかった事が大きかったと言えます。これまでなら自滅するような流れの中、気持ちを崩すこと無く次のチャンスを得るまで耐えて我慢をして持ち直し、さらに逆転して行く粘り強さ辛抱強さは、これまでのチームで足りなかった事であり、今シーズンのチームに大きく期待出来る部分と言えます。
一方で例えば、LB#45 Campbell選手がしっかりとQBをマークして、QB#10 Viramontes選手のランや、QB#2政本選手へのプレッシャーに成功しており、同様の対策はこれからの試合でも当然想定されます。この試合の4thダウンコンバージョンは4/4と100%の成功率で、かつそのうち1回はTDを奪うプレーでしたが、やはり苦しい状況だったことは否めません。BIG BLUEの武器としては、他の追随を許さないハイパーオフェンスだと思いますので、さらに一つ一つのプレーにどれだけ磨きを掛けられるかが次の勝利に繋がります。BIG BLUEディフェンスでは、QB#6 Palandech選手のランは封じたものの、RB#28吉澤選手対策にはやや手を焼いた印象が残ります。どのチームも複数の優れたRBを有している以上、完全にランプレーを阻止することは難しいものの、今シーズンのディフェンスには機動力の高さを感じるため、更に柔軟性のあるディフェンスを期待したいところです。
劇的な勝利を掴むことが出来たのは、K#11福岡(勇)選手の能力は勿論、厳しい状況の中ボールをFG圏内まで運んだオフェンスの努力があり、さらにオフェンスに繋げるためにディフェンスが踏みとどまり無失点でオフェンスにバトンを繋いだ結果でもあります。チームとして、良いシナジー(相乗効果)が生まれている一つの結果だと信じたいですし、これをさらに伸ばして次の勝利に繋げて欲しいと思います。
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