第二節・ノジマ相模原ライズ戦の見所

2011/09/12

シーズン開幕戦を、スタッツでは相手よりも優勢ながら、自らのミスをカバー仕切れずに試合に敗れてしまったBigBlue。息つく暇もなく、第二戦が迫ってきます。第二戦の相手は、今年初昇格したノジマ相模原ライズ。「初昇格」とは言いながらも、そのチームの母体は3年前に解散したオンワードオークス(オンワードスカイラークス)であり、今でも当時の選手が活躍する強豪チームです。新規加盟チームとしてX3に2009年に登録。圧倒的な強さで、リーグ優勝、入替戦と毎年勝ち上がってきました。

今シーズンXリーグに昇格したノジマ相模原は、昨年度のチャンピオン・オービックから、QB木下選手、RB杉原選手を獲得し、オフェンスの補強をしました。その効果は前節でのオービック戦の記録を見れば明らかなように、両選手が活躍してあわや金星という状況になりました。もちろん、オンワード時代から活躍している選手も多く残っており、それらの選手達の活躍があってこその結果ですが、往年のオンワードと同等以上の力を持ったチームと認識するのが正しいと言えます。

オフェンスの見所

前節のアサヒビール戦のスタッツを見れば、パス(174yd vs 101yd)、ラン(210yd vs 145yd)、ファーストダウン(21 vs 12)と、全てで相手チームを上回っています。それなのに13-27とダブルスコアの点差になってしまったのは、2回のファンブルリカバリーと1回のパスインターセプトによる3回の攻撃権喪失と、ゴール前迄攻めながらTDに結びつかなかった2回のオフェンスシリーズ失敗(4thダウンギャンブル失敗)の影響が大きいと言えます。特に2回のファンブルは、続く相手オフェンスシリーズでTDを取られており、それが無ければ逆転のチャンスももっと大きかったと言えます。「誰が」ではなく、フィールドにいる選手全員がボールに集中し、仮にファンブルが発生しても直ぐにフォローできる体制が取れるくらいの集中力が必要です。

もう一つ気になるのが、キックリターン。アサヒビールは4回/104ヤード/平均26ヤードをリックオフリターンで戻しましたが、BigBlueは5回/82ヤード/平均16.4ヤードのリターンにとどまっています。この10ヤードの差を、この試合では何としても埋めなければなりません。リターナーに入ることが予想される、WR#3イアン選手、WR#18高木選手、DB#32飯塚選手、RB#24中野選手といった、ビッグリターナー達の活躍がこの試合での注目点の一つと言えます。

オフェンスとしては、敗れたとは言え210ヤードを獲得したRB陣の活躍が、この試合でも重要です。春の試合と比べると、前節の試合ではRB陣がスクリメージラインの間隙を上手く突き前進するプレーが出来ているように感じます。また、ロングゲインのプレーでは、リードブロッカーを利用してオープンサイドを一気に駆け上がるシーンが何度もありました。RB#26吉津選手、RB#30工藤選手、RB#24中野選手の前回以上の走りを大いに期待したいところです。ランプレーが出れば、当然パスの確率も上がります。前節の試合では、「ミス」とまでは言わないものの、QBとレシーバーのコミュニケーション不足を感じるプレーがあったように思います。ミスを恐れながらプレーするのではなく、そのプレーに集中してBigBlueオフェンスの信条であるディフェンスに競り勝つレシーブプレーが必要です。前回活躍したルーキーWR#88瀧選手とWR#18高木選手が再び活躍を見せるか。あるいはベテランWR#17小川選手がしぶといキャッチでTDを獲得するか、BigBlueオフェンスの本領を是非見せて欲しいと思います。

ディフェンスの見所

オービック戦でのノジマ相模原のスタッツを見る限り、ランプレーでは移籍したQB木下選手、RB杉原選手に集中しており、DL/LBとしてはプレーを絞りやすいように思えます。また、レシーバー陣にしても4人がキャッチしておりパスターゲットも絞りやすいように思われますが、いずれもロングパスを捕球しており、最後までターゲットを外さないDB陣のカバレッジが重要になります。一方で、QB木下選手のパス成功率は50%(8/16)と決して高くなく、さらにDL/LB陣のプレッシャーを掛けることで相手のパスプレーを止めることで、相手の獲得距離をかなり減らすことが可能でしょう。

パス以上に注意が必要なのが、オービックから移籍したRB杉原選手。昨年の2ndステージで対戦したときには、20回/84ヤード/1TDと厳しい結果を残しています。昨年の2ndステージでの対戦では、シーガルズの強いOLと杉原選手のカットバックで、縦横無尽にスクリメージラインを突破されていた記憶があります。今回も大きな選手が揃うノジマ相模原OLを利用して、スクリメージラインに切れ込んでくるプレーが予想されます。LB陣は、そのランプレーに振り回されることなくこれまで以上に冷静な対応が要求されるでしょう。同じように昨年の試合ではQB木下選手に対しても、3回/73ヤード/1TDを許していて、その中には65ヤードの独走TDがありました。前節の試合でも、その脚力は存分に発揮されており、プレッシャーをかけてパスプレーを防ぐと共に、そこからのスクランブルに対しての対応も重要です。

ノジマ相模原のオフェンス全体の爆発力も侮れません。前節の試合では、4Q残り2分強でオービックにTDを許し、24-12とリードを許しますが、その後40秒で1TDを返し点差を24-19と縮めます。さらに言えばその前には2FGを成功させ、4Qで13得点を獲得しています。僅差で接戦をしているとき勿論ですが、三つ巴になった場合の得失点差争いも考えると、例え勝敗に関係ない場面でも追加点は最後まで許さない集中力が必要。アサヒビール戦では、27失点をしましたが、後半では序盤のファンブルリカバリーからの失点を除けば、それ以降の得点は許していません。その集中力を、是非最後まで見せて欲しいと思います。

試合の見所

共に初戦を落として、今シーズンの初勝利をかけて戦う両チーム。どちらのチームにとっても負けられない、重要な試合です。特に、オンワードのDNAを持つノジマ相模原にしてみれば、2007年の試合が思い出されるはず。場所も同じ東京ドーム、対戦も同じく第二節の試合。唯一の違いは、あの時はオンワードがホストであり、BigBlueがビジターであったものが、今回は逆になること。しかし、正直なところ今のBigBlueに当時のオンワード程の力はまだ無く、ホストチームというよりは、ベンチサイドが変わっただけで前回以上にチャレンジャーとしての気持ちが必要でしょう。

前節の試合では、序盤のミスからリズムが崩れ、BigBlueらしいプレーが続かなかった印象があります。確かに、ミスや失敗はするべきではありませんが、それを恐れて小さなプレーに終始しては試合には勝てません。ミスをすることではなく、ミスを恐れて自分本来のプレーが出来ないことが問題です。最高の舞台での試合で、最高のプレー、最高の試合を是非見せて欲しいと思います。Go BigBlue!

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