2024 第三節: オービックシーガルズ戦の見所
2024/09/22
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第二節の東京ガスクリエイターズ戦(以下、東京ガス)は、予想以上の東京ガスディフエンスの堅守を崩せず、BIG BLUEのオフェンスが機能出来ず7-12で敗れてしまったBIG BLUE。第三節の試合は、EASTディビジョン内最後の対戦となる、リーグ戦では3シーズン振りの試合となるオービックシーガルズ(以下、オービック)との対戦です。ここまでのオービックは、第一節の東京ガス戦では4Q中盤まで接戦となる内容でしたが、最後は地力の強さで突き放して勝利。続く第二節では、オール三菱ライオンズ(以下、オール三菱)を84-0で完封する完勝。その勢いが弱まる事は無く、またホームグランドでの試合開催でもあるため、先の2試合以上にこの試合に注力してくることは確実です。
オフェンスの中心となるQB#17クルカ選手は、昨年以上にチームに馴染んでいる様子が伺え、パッシングオフェンスでは富士通の高木選手に続いて、400ヤードを越えるパッシングヤードに6TDパスを記録するなど、オフェンス力はさらに強化されています。ディフェンスは、リーグでもトップクラスの強力なDL陣が厳しいラッシュで相手OLやQBに迫ってきており、ここまでQBサックやセーフティを毎回許しているBIG BLUEオフェンスは、これまで以上に厳しい対決が予想されます。BIG BLUEディフェンスは、豊富なレシーバー陣を擁するオービックオフェンスとの対決で、どこまで相手に迫れるかが問われます。好調なWR#83山中選手、WR#18渡邊選手に、高さでの勝負でここ一番に見せるTE#85ハフ選手等、DB陣の激しいマッチアップがこの試合最大の見所になるでしょう。
オフェンスの見所
ここまでの2試合では積極的にQB#17シノディノス選手を起用し、カナダ式フットボールスタイルから国内のアメリカ式(NCAA準拠)フットボールスタイルへの順応を進めている様子が伺えます。カナダ式では、レシーバー全員が前方向へのモーションが許されているため、QBがボールを受け取ると同時にパスを投じることが可能です。一方でスナップと同時にスタートを切るXリーグの試合では、ボールを受けてからターゲットレシーバーとのタイミングを測る必要があり、さらにはその間に迫ってくるディフェンスラッシュもかわす必要があります。その間合いの取り方に、まだ苦労している様子が伺えます。オービック戦では、さらに早く厳しいパスラッシュが予想されるだけに、瞬時の切替がどれだけ発揮できるか注目されます。
東京ガス戦では、QB#2政本選手も多くプレーしましたが、第一節での出場機会が2プレーだけであったこともあり、まだ本来の調子が出ているようには見えませんでした。ホットラインのWR#84近江選手やWR#85鈴木(隆)選手へのパスこそ安定しているように見えるものの、それ以外のレシーバーにはWR#18井上選手へ2回だけで、豊富なレシーバー陣を生かせているとは言いがたい状況です。BIG BLUEオフェンスが好調なときは、それこそ順番にレシーバーがパスキャッチをするような状況になりますが、この試合までにはレシーバー陣のタイミングが修正されて、プレー数と成功率が大きく改善することが期待されます。
ランオフェンスでは、昨シーズン初戦で怪我をし不本意なシーズンとなってしまったRB#21平松選手が、スターターとして捲土重来を目指していますが、なかなか思うような結果に繋がっていないように見えます。特に気になるのは、スクリメージライン(LOS)を越すことに苦労している様子が伺えることです。、LOSさえ越えれば、後は彼の能力で一気にロングゲインは確実なだけに、この最初の一歩をどう解決するか注目されます。同じランプレーでも、ベテランのRB#4鈴木(恵)選手やRB#6柴田選手は上手くLOSを抜けると、その後もしぶとくゲインを伸ばす走りを見せているだけに、OL陣との微妙なタイミングの問題と思われます。微妙な違いだけに、分かってしまえば解決は簡単なのですが、その原因を見つけることは逆に難しい場合があります。開眼したRB#21平松選手の好プレーが試合を勝利に導くか、見逃せない試合になります。
ディフェンスの見所
ここまでの2試合での失点は、どちらの試合も12点で、1TD/1FG/1セーフティという内容。このうち、1TD/1FGがデイフェンスの責任範囲になります。無失点に抑えることが理想ではあるけれど、どのチームもオフェンス力アップを進めている最近のリーグ戦では、それはなかなか難しくなっています。そんな中で、1TD/1FGでの10失点という内容は十分に合格点であったと言えるでしょう。ただ、どちらの得点シリーズも自らの反則で相手にチャンスを与えてしまい失点に結びついただけに、プレー精度を更に磨きを掛ける必要はあるでしょう。それは反則に対してだけでなく、より強力なランナー、レシーバーを擁するオービックオフェンスに対応するためにも必須となります。
オービック第一節の東京ガス戦では、東京ガスDLとLBが上手くLOS上のギャップを埋めて、オービック自慢のランプレーを40ヤードに押さえる結果を出しました。このディフェンスには、前回の対戦でもBIG BLUEオフェンスが苦しめられました。今度はBIG BLUEディフェンスが同じようにLOSを制して、オービックのランオフェンスをどれだけ止めることが出来るかが、大きな見所になるでしょう。その場合でも、東京ガス戦ではQBキープで左右への揺さぶり対策に苦労したように、今回も当然オービックもフィールドを広く使うゲームプランを準備すると予想されるので、これまで以上にLB陣の機動力が期待される試合になります。東京ガス戦でタックルリーダーとなったLB#10山本選手の活躍には、特に注目したいところです。
ランプレーを止めることが出来たとしても、それを上まわるパスオフェンスを有しているのがオービックオフェンスの強みです。2シーズン目を迎えたQB#17クルカ選手は、完全にオービックオフェンスの要として地位を確立し、今シーズンの試合をみると昨年以上にパスの精度は上がっています。さらに、長身レシーバーとして確実にパスを通したい場面で登場するTE#85ハフ選手とのコンビネーションは脅威であり、ディープゾーンを守るDB#3ダラペ選手、DB#37スチュワート選手とのマッチアップは、この試合最大の見所になるでしょう。勿論他のレシーバー陣に対しての対策も重要で、ある程度のパスキャッチは仕方ないとしても、そこからのランアフターキャッチ(RAC)をどれだけ防げるかがDB陣としてはこの試合最大の課題になるでしょう。
試合の見所
多くの課題と反省が生まれた前節の試合ですが、やはり無得点に終わったオフェンスの対策は急務です。昨シーズンは、タイプの異なる二人のQBが上手く組み合わさり効果的なオフェンスになった部分がありましたが、今シーズンはそれ程の違いは感じられず、どの様に二人のQBを使い分けて行くのかここまでの試合ではまだ判断出来ません。QB#17シノディノス選手は、大学時代の経験からよりパスオフェンスに比重を置くと思われますが、ここまでの試合ではまだ戸惑いのようなものが感じられます。東京ガス戦での経験をどれだけこの試合に生かせるか、その覚醒を期待したい試合です。さらに反則で幻に終わりましたが、スクランブル能力はQB#2政本選手にも劣らず、この辺りを突破口にしたBIG BLUEオフェンスの活躍を期待したいところです。
ディフェンスの今回の反省は、やはり重要な場面で反則を犯してしまい相手にチャンスを与えたことでしょう。かと言って消極的なプレーになってしまっては相手を利することになるわけで、反則と好プレーの境界線は紙一重である事も事実です。ただ、強豪チームのプレーではもっと激しいプレーもありながら決して反則が頻発するわけではなく、やはりそこはプレーの質、プレーの精度の問題だと感じます。DL/LB/DBと、今シーズンのディフェンスメンバーは最近のシーズンでも充実したメンバーが揃っていると感じます。若手からベテランまで、バランス良く揃った今シーズンのBIG BLUEディフェンスとして、その真価を発揮するような試合を見せて欲しいと思います。
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