あるOBの呟き- 第二節: vs 東京ガスクリエイターズ戦
2024/09/21
2024シーズン開幕戦は、オール三菱ライオンズ(以下、オール三菱)と対戦。試合は相手に先制TDを許すものの、直ぐさまTDを奪い返して追いつくと、その後はリードを守りつつ、しかし最後は昨年に続いて雷鳴による試合中断終了というやや消化不良な結果となった試合でした。途中激しい雨が降るなど、決してコンディションは良くありませんでしたが、この試合がX1 SuperデビューとなったQB#17シノディノス選手は、2TDパスに加えて自らも1TDランを記録するなどまずまずのデビューとなりました。ただ、ラッシングヤードではオール三菱が勝り、またセーフティを奪われるなど課題も多く見つかった試合でした。
第二戦の相手は、前節の試合でオービックシーガルズ(以下、オービック)と接戦を繰り広げた、東京ガスクリエイターズ(以下、東京ガス)です。東京ガスとはリーグ戦でこれまで8戦8勝と相性の良い相手ですが、近年の対戦では接戦の末最後に何とか逃げ切る試合もあり、着実にチーム力を付けているチームの一つです。今シーズンは、3シーズン振りにQB#3エバンス選手が復帰すると、長身のターゲットWR#28ホブス選手が加入し攻撃力が増しています。ディフェンスでも、強力なオービックのランオフェンスを40ヤードに押さえるなど、特にDL/LB陣が堅守を見せており、この試合でもランオフェンスは苦しめられそうです。BIG BLUEにとっては6年振りとなる東京ドームでの試合は、コイントスに勝ったBIG BLUEが前半のリターンを選択し、キックオフとなります。
ビッグプレーで始まるが...

そのK#11福岡(勇)選手のキックオフをエンドゾーン内でキャッチしたDB#31冨田選手は、そのまま真っ直ぐにリターンを開始。これをDB#27田尾選手が25ヤードでタックルし、自陣25ヤードから東京ガス最初のオフェンスが始まります。3年振りに復帰した東京ガスQB#3エバンス選手最初のプレーは、エースRB#30星野選手のダイブ。これをDL#8森田選手が1ヤードで止めると、次のRB#30星野選手へのパスはLB#10山本選手が素早くタックルし、これも1ヤードのゲイン。3rdダウンではQB#3エバンス選手の左ロールアウトへDL陣がラッシュして6ヤード押し戻し、4thダウンパントで終わります。

FG失敗のため、好守が入れ替わり東京ガスは自陣35ヤードから攻撃開始。1stダウンでは、フィールド奧で競り合っていたレシーバーにパスを投じますが、これがインターフェアの反則で15ヤードの罰退。しかし2ndダウンではWR#81出来岡選手へパスが成功し、ダウンを更新します。東京ガスはQBをQB#16徳島選手へ交代すると、RB#30星野選手が中央を突破して敵陣までボールを進めます。QBがQB#3エバンス選手へもどると、今度はRB#32森分選手が中央突破。これでダウンを更新します。東京ガスのランプレーに、やや後手に回るBIG BLUEディフェンス。敵陣38ヤードからのファーストダウンでは、再びRB#30星野選手が6ヤード進みます。しかしここからDL陣が奮起。次のRB#30星野選手の中央突破をDL#44福岡(祐)選手がノーゲイン止めると、3rdダウンのQBキープをギャングタックルで2ヤードのロスに。4thダウンでは東京ガスもK#7高橋選手が51ヤードFGを狙いますが、こちらも左にそれて失敗。ディフェンスが無得点に抑えます。

東京ガスの好パントとリターン時の反則で、BIG BLUEの攻撃は自陣10ヤードから。このシリーズからQB#2政本選手が登場します。東京ガスのプレッシャーに苦しみながらも、WR#85鈴木(隆)選手、WR#84近江選手とダウン更新のパスで前進。QBサックを受けて後退しますが、直ぐに自らのスクランブルで敵陣に入りファーストダウンを更新します。WR#18井上選手へのパスとRB#4鈴木(恵)選手のランでゴール前27ヤードまで進みますが、3rdダウンのパスは失敗。再びK#11福岡(勇)選手が登場し今度は45ヤードFGを試みます。しかし2回目のキックも、距離は十分ながら方向が右にそれて失敗。残念ながら無得点に終わります。残り1分25秒からの東京ガスの攻撃は、BIG BLUEの反則にも助けられてゴール前15ヤード迄進むと、最後はK#7高橋選手が今度は32ヤードFGを成功させ、前半を7-3で折り返します。
最後まで噛み合わない歯車

3Qの半分を使いTDを得た東京ガスの攻撃に続いて、後半最初のBIG BLUEの攻撃はQB#17シノディノス選手が登場。WR#84近江選手へのパスでダウンを更新。再びWR#84近江選手へ9ヤードのパスが成功しますが、フォルススタートの反則で後退し、さらに3rdダウンのパスも失敗となり、P#16近藤選手のパントで攻守交代となります。このパントキック、一度エンドゾーン手前でバウンドしますがそのままエンドゾーンに転がりタッチバックとなり、東京ガスは自陣20ヤードから攻撃がはじまります。

BIG BLUEは自陣25ヤードからの攻撃開始。QB#17シノディノス選手は3rdダウン9ヤードと厳しい場面から、一度はパスでターゲットを探しますが、タイミング良く右オープンに走り出すと20ヤードのロングゲインとなりダウンを更新します。RB#6柴田選手へのパスで敵陣にはいると、続けてそのRB#6柴田選手が10ヤード運びダウンを更新。RB#21平松選手へのパスで5ヤード進み、敵陣34ヤードで3rdダウン5ヤードが残ります。QB#17シノディノス選手は、パスフェイクの後、直ぐさま自ら中央を突破すると、左オープンに走り出て、巧みにブロックを利用して一気にゴール前まで進みます。しかし、そのプレー中に背後からの不正なブロックの反則があったとしてプレーは取消。反則地点から10ヤード後退して3rdダウン6ヤードとなり、今度はパスでダウンを更新を狙いますがこれは失敗。4thダウンとなり、三度K#11福岡(勇)選手が登場して同点のFGを狙います。この53ヤードのFGは、しかし距離が足らず失敗。エンドゾーンが遠いシリーズが続きます。

QB#2政本選手が登場すると、WR#84近江選手へ続けてパスを成功させダウンを更新します。しかし東京ガスディフェンスのプレッシャーは後半に来ても衰えず、QB#2政本選手もロスタックルを受けると4thダウンとなり、P#16近藤選手のパントに終わります。東京ガスは残り時間を消費するために、ランプレーで時計を回そうとしますが、BIG BLUEもタイムアウトでこれに対応。3rdダウン1ヤードのQB#16徳島選手のランをDL#99島野選手がロスタックルをし、4thダウンパントに追い込みます。BIG BLUEはゴール前7ヤードからと厳しい状況からのスタート。WR#84近江選手へパスが一度は通りますが、その前にサイドライン外に出たという判定でパスは失敗。さらに2ndダウンでは、OLのパスプロの間隙を突いてDL#99馬塲選手がエンドゾーン内でQBサックをしてセーフティを奪われてしまいます。この後オンサイドキックで攻撃権獲得を狙いますが、東京ガスがボールを確保。その後時間を流して、7-12で東京ガスがリーグ戦対BIG BLUE初勝利を飾って試合終了となりました。
この敗戦から何を勝ち取るか
スタッツを見れば、オフェンス・ディフェンス、全てで東京ガスが上まわり、この試合のために準備してきたものが見事に的中して結実したと言えるでしょう。特にBIG BLUEオフェンスを無得点に抑えた東京ガスディフェンスは、DL陣がスクリメージラインを死守すると、その間のギャップをしっかりとLB陣が塞いてランプレーを止め、それによってDB陣のパスカバーにも余裕が生まれていたように感じます。ターゲットが見つからないため、QBも苦しい状況になり、それ故に3QBサックを許すなど課題も見られ、次節に向けて多くの宿題が渡されたような内容でした。オフェンスとしては、やはりベースとなるランオフェンスの改善が急務でしょう。ただRB#21平松選手のプレーは止められているものの、ベテランRB#6柴田選手は上手くスクリメージラインを抜けてゲインを伸ばす走りを見せており、この辺りはOLとの微妙なタイミングの綾が有るのかもしれません。昨シーズンまでのアップテンペなオフェンスを見慣れていると、今シーズンのオフェンスはやや消極的にも感じられ、その印象を払拭する自信溢れるプレーを次回は期待したいところです。
ディフェンスは、1TD/1FGとその内容は決して悪くはないものの、東京ガスディフェンスが無失点に押さえている以上、次に向けて様々な改善策は必要です。気になるのは、東京ガスのFGやTDのシリーズでは、折角良い守備をしながらも反則で相手にダウン更新を許してしまい、結果失点に繋がる悪い流れを自ら作ってしまうところです。積極的なプレーや大胆なプレーと反則プレーは紙一重の部分もありますが、やはりその僅かな境界線を越えずに最高のプレーで相手を止めるのが一流の選手であり、一流のチームの所以でもあると言えます。DLのラッシュでも相手OLを押し込みながらも、あと一歩QBに届かず前進を許してしまうプレーが散見されましたが、プレー精度と言う点では更なる成長が無いと、これからの試合でも厳しい状況が続くと感じます。
言うまでも無いことですが、この試合でシーズンが終わったわけではありません。リーグ戦だけでもまだ4試合が控えており、その後トーナメント進出となれば更に厳しい相手との対戦が予想されます。敗れて悔しがるだけなら誰にでも出来ますが、敗れた経験からどれだけ次への切掛・糸口を掴めるかがその選手の真価となるものだと言えるでしょう。次の試合も手強い相手との対戦ですが、是非今回からの学びが見える試合を見せて欲しいと思います。
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