あるOBの呟き- 東日本交流戦2011 vs. 日本ユニシスBULLS

2011/05/09

震災から一月半余りが過ぎ、まだ十分ではないけれど少しずつ平常を取り戻しつつある日本。フットボールの世界も、当初の予定とは大きく変わりました が、やっと春のシーズンが始まりました。7月のワールドカップ開催のため、「東日本交流戦」という形で行われる春のシーズン。BigBlueにとっての初 戦は、日本ユニシスBULLSとの対戦です。

2年前にXリーグに初昇格すると、その年のシーズンでは接戦を制して3勝をあげ、その年から導入された2ndステージ上位リーグにBigBlue同 様地区3位で進出。昨年は厳しい他チームのマークもあったのか、1勝を上げるにとどまりましたが、やはり接戦の試合が多く力のあるチームと言えます。オ フェンスのプレースタイルは、これまでの試合内容を見る限りではどちらかというとパスに重心を置いているようで、BigBlueのプレースタイルと似た雰 囲気も感じられます。今シーズンのリーグ戦では、同じ中地区に所属するため、秋にも対戦が予定されており、シーズンの初戦という意味合いだけでなく、秋に 向けての前哨戦としても興味が生まれる試合です。

対するBigBlueは、春の試合ということで、中堅やルーキーも含めた若手を中心にしたプレーが予想されますが、是非秋に向けて伸びしろを感じさせる試合を見せて欲しいところです。

相変わらずのスロースタート

G.W. 最終日のこの日は、朝から太陽の日差しが厳しい夏のような気候。そんな厳しい条件の下、日本ユニシスのキックオフで試合開始です。BigBlueのスター ターQBは#14多川選手。RB陣の#24中野選手、#26吉津選手、#30工藤選手のランプレーはしっかり前進するものの、パスプレーが決まらず、最初 のシリーズはパントで攻守交代となります。続く日本ユニシスの攻撃を4thダウンパントに押さえて、再びBigBlueの攻撃。敵陣30ヤード付近からの 絶好のポジションからレッドゾーンに入りファーストダウンを獲得。ここからパスでTDを狙うものの、WR#81山下選手へ5ヤードのパスが通ったのみで、 残りはパス失敗となり、4thダウンではK#8崔選手が30ヤードのFGを狙います。先制の3点を誰もが期待した場面ですが、ボールはゴールポストの横に それてキックは失敗。予想外の蒸し暑さもあり、いやな雰囲気がスタンドを覆います。逆に日本ユニシスは、パスが好調。この試合初のファーストダウンを更新 しますが、パントで攻守交代。再びBigBlueの攻撃が始まります。

1Qは結局両チーム無得点のまま終了。2Qに入ると、まずはWR#89円谷選手に17ヤードのパスが決まりゴール前22ヤードでファーストダウンを 獲得。さらに、#26吉津選手が11ヤード前進して続けてダウンを更新しますが、ここから日本ユニシスディフェンスが踏ん張り、ゴールまで8ヤードを残し た3rdダウン。QB#14多川選手はここから一気にTDを狙い、WR#81山下選手へTDパス。相手ディフェンスのタックルを受けながらも、エンドゾー ンに倒れ込み、先制点をあげます。

こ こから一気にリズムに乗りたいBigBlue。ディフェンス陣が続く日本ユニシスの攻撃を4thダウンパントに押さえて攻守交代した最初のプレー。ター ゲットを探して見つからないQB#14多川選手は自らスクランブルに出ますが、相手のタックルを受けてボールをファンブル。すぐに日本ユニシスに攻撃権を 渡してしまいます。さらにDB#22中山選手のパスインターフェアの反則でダウンを更新すると、動揺するBigBlueディフェンスの虚を突いたパスで ゴール前3ヤードまで前進。ここからTDパスが決まり、すぐに同点に追いつかれてしまいます。

しかし、この日のフットボールの神様は気まぐれだったようで、続くキックオフでビッグプレーが生まれます。BigBlue陣奥深くまで蹴り込まれた キックオフボールをキャッチしたWR#18高木選手は、味方の好ブロックにも助けられてライン際を疾走。そのまま85ヤードを一気に駆け抜けて、すぐに試 合を逆転します。

そ れでも、試合のモメンタムはまだBigBlueには傾きません。2Q中盤からの日本ユニシスの攻撃では、続けてパスが成功し、1プレー毎にファーストダウ ンを更新して前進します。BigBlue陣内25ヤードでファーストダウンを獲得すると、日本ユニシスは一気にTDを狙ってパスを試みますが、ここは流石 にBigBlueのカバーが厳しく失敗。4thダウン10ヤードの場面になりますが、日本ユニシスは42ヤードのFGトライを成功させ、再び14-10と 点差を縮めてきます。

今ひとつ波に乗れないBigBlueですが、2Qも終盤になりやっと本来のリズムを掴みかけます。自陣中盤からのスタートとなったシリーズで、まず RB#26吉津選手にスクリーンパスが決まり敵陣に入ります。ここからWR#89円谷選手、WR#17小川選手と連続してして成功。4thダウン残り1 ヤードをRB#24中野選手のダイブでクリアーすると、すかさずスパイクで時計を止めます。エンドゾーンまで残り36ヤード、ここからQB#14多川選手 はWR#89円谷選手をメインターゲットに定めてパスを投じますが、相手の厳しいディフェンスもあり続けて失敗。4thダウン残り10ヤードからギャンブ ルを選択したBigBlueは、WR#1岸選手にミドルパスがヒット。ここからWR#1岸選手がエンドゾーンまで駆け上がりTD。前半は21-10で折り 返します。

まだまだ甘い後半の詰め

3Q はBigBlue K#11井田選手のキックオフで開始。日本ユニシスは、2ndダウンでミドルパスが決まり波に乗るかと思われましたが、BigBlueディフェンス陣がプ レッシャーをかけ4thダウンパントへ。ここで再びビッグプレーが生まれます。リターナーに入ったのは、2QにキックオフリターンTDを見せたWR#18 高木選手。今回もボールをキャッチすると、巧みにリードブロッカーを使い駆け上がると、最後はパンターとの1対1もスピードで振り切り、今度は74ヤード のパントリターンTDを決めます。続く日本ユニシスの攻撃を4thダウンパントに押さえると、後半初めてのBigBlueのオフェンスシリーズが始まりま す。自陣32ヤードからのシリーズは、RB陣がロングゲインを重ねて敵陣の28ヤードまで進んでダウンを更新。しかし、ここから再び攻めあぐねて4thダ ウンとなり、40ヤードのFGを狙います。キッカーは再びK#8崔選手が登場。蹴られたFGキックは、距離は十分だったものの、再び外れて失敗。今ひとつ 相手を攻めきれないもどかしさが残るシリーズとなります。

再 び日本ユニシスの攻撃を4thダウンパントに押さえて、3Q終盤のBigBlueオフェンスシリーズ。ここからBigBlueはQBを#13澁井選手にス イッチします。RB#30工藤選手の快走で前進しフィールド中央付近まで前進してファーストダウンを獲得すると、続けてWR#1岸選手にパスが通り敵陣に 入ります。この後、RB#24中野選手が9ヤードを走りダウンを更新したところで、試合は最終4Qに入ります。

4Q最初のプレーはRB#26吉津選手の突進で、相手のタックルをはね除けながらのパワーランに、思わずスタンドからも驚きの声が上がります。これ でゴール前20ヤードでファーストダウンを獲得。1stプレーのRB#30工藤選手のランはゲイン無しで止められますが、2ndダウンでは左サイドへのオ プションプレーからQB#13澁井選手自らがボールをキープすると、そのまま中央を真っ直ぐに駆け上がり20ヤードのTDを獲得します。

このまま一気に畳み掛けたいBigBlueですが、日本ユニシスも粘ります。自陣からの攻撃でしたが、一気に10ヤード進むランプレーが続き、 BigBlue陣内に入ります。1stダウンのプレーでは、ターゲットを探す相手QBを一度は追い込みますが、ここから41ヤードのロングパスが決まり逆 にゴール前6ヤードまで攻め込まれます。結局、3rdダウンで5ヤードのTDパスを通され、35-17と追い上げを許してしまいます。

4Q 中盤からのBigBlueオフェンスシリーズでは、新人RB#27小椋選手を投入。2回のランでダウンを更新して敵陣に入ると、WR#18高木選手に20 ヤードのロングパスが決まり、ボールはゴール前20ヤードへ。この後4thダウンで1ヤードを残しますが、RB#26吉津選手が得意のドライブで逆に5 ヤード進み、ゴール前6ヤードでファーストダウンとなります。ここからは、BigBlue OL対日本ユニシスDLの力業の勝負。ボールはすべてRB#27小椋選手に渡すと、ライン戦の隙間を目指して突進するプレーを繰り返すこと3回。丁度2 ヤードずつ距離を進めてTDを奪います。

残り2分からの日本ユニシスの攻撃は、1stダウンのパスで27ヤードの前進を許して自陣への侵入を許してしまいますが、そこからエンドゾーンを狙うロングパスをDB陣が防ぎきり、42-17で勝利を飾ることが出来ました。

失敗しながら強くなる

こ の試合までの状況を考えれば、シーズン初戦としては合格点の試合と言えると思いますが、やはり随所にミスや後一歩と思われるプレーがあり、昨年の事を考え ると不満の残る内容でした。最大の不満は、やはり1Qに得点できなかったこと。1Qの支配時間を見ると、BigBlueは約8分、日本ユニシスは約4分。 相手の倍の時間を使いながら得点出来なかった事は、課題の一つと言えるでしょう。もう一つオフェンスで物足りなかったことは、ここぞという場面でのパス成 功率の低さ。ボールをキャッチするものの、相手ディフェンスのハードタックルで確保まで出来ずに失敗し不安を感じる場面がありました。QBとのタイミング の問題もあるのかもしれませんが、さらに精度の高いプレーを秋には期待したいところです。

ディフェンスでは、予想外にパスを通された印象が残ります。実際試合記録を見ても、BigBlueがパスで141ヤード獲得したのに対して、相手 チームは180ヤード獲得しています。日本ユニシスの3回(2TD/1FG)の得点シリーズでは、どの場合でもロングパスからチャンスを掴んでおり、そう いう場面でいかに気持ちを切り替えて対応するか、まだ時間はあるのでじっくりと対策して欲しい部分の一つです。

一方で、2回のリターンTDはBigBlueが昨シーズンから取り組んでいる、スペシャルチーム対策が効果を出している証拠だと思います。特に2Q の同点直後に出たキックオフリターンTDは、相手の気勢をそぐ大きな意味があったと思います。単にビッグプレーが出来るだけでなく、それをより効果的な場 面で出せるだけの力を、是非秋までに蓄えて欲しいと感じます。Go BigBlue!

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