あるOBの呟き- 第四節 vs 富士通フロンティアーズ戦

2014/10/05

1stステージは早くも後半に入り、第四節の試合。対戦チームは、昨シーズンの準優勝チーム、富士通フロンティアーズ(以下、富士通)です。ここまでどちらのチームも開幕三連勝中での対戦となり、特に前節でノジマ相模原ライズに勝利したBigBlueは、この試合に勝利すれば最終第五節の試合を待たずに、東地区の1位が確定する重要な試合です。前節の厳しい内容の試合で競り勝ち、何とか勝利を掴んだBigBlueとしては、その勢いに乗りこの試合でも接戦に持ち込み、最後に1点差でも良いので勝利を掴みたい対戦です。

富士通とは過去三回対戦(13-24@2002、7-24@2009、20-24@2012)し勝ち星の無い相手。特に直近の2012年の対戦では、QB#3クラフト選手のデビュー戦ともなり、前半はリードとして折り返すものの、後半にアジャストされ僅差での逆転負けをした試合でした。今シーズンの富士通は、ルイジアナ工科大学のQB#3キャメロン選手を補強。春のパールボウルから出場し、富士通の強力なレシーバー陣と息の合ったプレーを見せ、オービックと接戦をした事は記憶に新しいところです。パッシングQBではありますが、富士通のプレースタイルに合わせたプレーコールをしており、ランプレーでも大きなゲインを上げているところが要注意です。さらに、シーズン直前にはディフェンスにアーカンソー大出身の#69フリン選手を補強。そのパワーは、BigBlueのDE#34ブルックス選手以上にも感じられます。攻守共に前回の対戦から大きく充実している富士通にどの様な戦いを挑むか、新装なった川崎富士見球場のメインスタンドは両チームのファンで満席となる中、BigBlue K#8小田倉選手のキックオフで試合が始まります。
 

互角の前半も、最後の最後に失点で折返し

富士通最初のオフェンスシリーズでは、QB#3キャメロン選手がパス、ランと交互にコールし、ダウンを更新しながら前進。最後はWR#81中村選手へパスが通ると35ヤードを一気に駆け抜けられ先制のTDを許してしまいます。

続くBigBlueの攻撃では、反則が重なり大きく後退すると、QB#3クラフト選手が投じたパスを富士通DB#14三木選手がインターセプト。ゴール前10ヤードから富士通に攻撃に変わります。WR#81中村選手へのパスとRB#29ゴードン選手にランで、4thダウン1ヤード。富士通はFGではなくTDを狙ってギャンブルを選択します。再びRB#29ゴードン選手がボールを持ちますが、一瞬早くスクリメージラインを割って入ってきたLB#42吉津選手がタックルするとボールをファンブル。これを富士通が確保するものの4thダウンギャンブルは失敗となります。
 
ピンチは凌いだもののゴール前1ヤードからと厳しいオフェンススタートとなったBigBlue。しかしRB#21髙木選手がFB#33森重選手のリードブロックを上手く利用して30ヤードのロングゲインを見せます。TE#40スタントン選手へのパスやRB#10末吉選手、#21髙木選手のランでゴール前8ヤード、3rdダウンで残り1ヤードまで進むものの、この3rdダウンコンバージョンで飛び込むRB#21髙木選手はブロックされてロスゲインに。このシリーズは、K#8小田倉選手の27ヤードFGの3点にとどまります。

続く富士通の攻撃は、早くも2Qに入ります。このシリーズでは、ランプレー中心にオフェンスを展開。RB#20高野橋選手のランをファーストタックルで止められない厳しいディフェンスとなり、じりじりと前進を許してしまいます。BigBlue陣内32ヤードでファーストダウンを獲得しますが、ここでLB#97國方選手がタイミング良く割って入りロスゲインをします。2ndダウンではWR#17秋山選手にパスが通りますが、3rdダウンではWR#1強選手へのパスをDB#20矢部選手がドロップさせて失敗。4thダウン残り6ヤードとなりFGを選択した富士通でしたが、目の前で高くジャンプするDE#34ブルックス選手を意識してかキックは失敗。ディフェンスの堅守が光るシリーズとなりしまた。

ディフェンスの踏ん張りに答えたいオフェンス。しかし、QB#3クラフト選手からWR#17小川選手へのダウン更新を狙ったパスを、再びDB#14三木選手が前に回り込みインターセプト。どうしてもオフェンスはリズムを掴むことが出来ません。
 
BigBlue陣内30ヤードからの富士通のファーストダウンの攻撃は4thダウン残り1ヤードに。ここで富士通は再びギャンブルを選択し、RB#20高野橋選手が飛び込みますが、DL#99紀平選手がスクリメージラインを超える前にタックルしノーゲインに。再びBigBlueディフェンスが富士通の攻撃を凌ぎます。

攻守が交代しBigBlueのオフェンス。QB#3クラフト選手の効果的なスクランブルでボールを中央まで戻すと、ホットラインTE#40スタントン選手へのパスが通りダウンを更新。さらに、RB#10末吉選手、QB#3クラフト選手と中央を突破してレッドゾーンに入ります。ここでWR#81栗原選手へ11ヤードのパスが成功し、ゴール前6ヤードでファーストダウンを獲得します。小刻みながらもテンポ良く前進してきたBigBlueオフェンスですが、富士通のゴールラインディフェンスも厚く、続けてTD狙いのパスは失敗し、RB#10末吉選手のダイブも止められ、このシリーズもK#8小田倉選手の24ヤードFGにとどまります。2Q、1分15秒を残して6-7と1点差まで追い上げます。

このまま1点差で折り返したいBigBlueですが、富士通は残り時間も少ないことからパス中心のシリーズを展開。続けてWR#81中村選手にパスが通ると、最後もWR#81中村選手に37ヤードのTDパスが成功し、何とも悔しい気分の中6-14で前半を終了します。
 

取り返せないモメンタム

後半はBigBlueのオフェンスから始まります。最初のプレーは意表を突く、WR#81栗原選手のリバースプレーでしたが、これはロスゲインとなり、このシリーズは淡泊に4thダウンパントで終了します。パントを大きく戻し、BigBlue陣内18ヤードからの富士通の攻撃は、RB#29ゴードン選手の突進を辛くもゴール前1ヤードで一度は止めるものの、残り1ヤードをQB#3キャメロン選手が飛び込みTDを許してしまいます。

続くBigBlueのオフェンスでは、WR#83松尾選手へのパス、RB#10末吉選手のラン、RB#21髙木選手へのパスと順調にダウンを更新して敵陣に入りファーストダウンを獲得します。しかしこの後、パスラッシュを受けてダウンしたQB#3クラフト選手の手から離れたボールを富士通DL#13平井選手が確保し、そのままエンドゾーンまで運ばれ35ヤードのリターンTDとなってしまいます。

3Q早々に2TDを許してしまい、点差は6-28と広がってしまいます。何とか早くTDを返して反撃の糸口を掴みたいBigBlueですが、続く攻撃は相手のQBサックもあり4thダウンパントで終了してしまいます。続く富士通の攻撃は、3rdダウン5ヤードの場面で、DB#35渡辺選手が相手のパスをカットしてダウン更新を防ぎますが、富士通は今度は40ヤードのFGを成功させ、点差を6-31とさらに広げられてしまいます。
 
WR#81栗原選手、TE#40スタントン選手と続けてパスを成功させてBigBlueは敵陣にはいります。さらにこの試合好調なRB#21髙木選手の20ヤードランで、一気にレッドゾーンに入りファーストダウンを獲得します。やっとリズムを掴みかけてきたBigBlueオフェンスは、QB#3クラフト選手のQBキープで8ヤード進むと、WR#17小川選手へ8ヤードのパスが成功し、ゴール前2ヤードでファーストダウンを獲得します。ここから最初のプレーで、TE#40スタントン選手への2ヤードTDパスが成功。待ちに待ったTDをやっと奪うことが出来ました。

3Q終盤から始まった富士通のオフェンスシリーズは、そのまま4Qに入ります。時間消費も考えてランプレー中心に組み立てられた富士通オフェンスですが、ディフェンスの厳しいプレッシャーもあり3rdダウン4ヤードの場面。一気にTDを狙うQB#3キャメロン選手のパスをカットした思われたDB#20矢部選手ですが、ここでホールディングの反則の判定。ゴール前9ヤードでファーストダウンを獲得した富士通は、RB#20高野橋選手が9ヤードを突進してTDを奪います。

13-38とさらに点差を広げられたBigBlue。最終的に得失点差争いになった場合の事を考えると、例え敗れる場合であっても現在18点差のあるノジマ相模原を下回らない17点差以内にしたいBigBlue。しかし波に乗る富士通ディフェンスは厚く、ダウン更新出来ずにQB#3クラフト選手のパントで攻守交代となります。
 
一方富士通は完全の試合のモメンタムを掴むと、ランプレーで時間を消費しながらダウンを更新していきます。BigBlueディフェンスも対応するのですが、どうしてもファーストタックルで止めることが出来ず相手のパワーが上回り、自陣への進入を許してしまいます。BigBlue陣内に進むと、富士通は今度はパスで前進。しかし、1stダウンのWR#17秋山選手への7ヤードパスは許したものの、続く2回のパスはDLのプレッシャーとDBのマークで阻止します。このシリーズは、K#11西村選手が40ヤードのFGを成功させ、点差はさらに13-41と広がります。

4Qもまだ中盤。少しでも点差を縮めて終わりたいBigBlueですが、それが焦りになったのかQB#3クラフト選手からWR#83松尾選手へのパスはオーバースローとなり、富士通DB#28石井選手がインターセプト。QB#3クラフト選手は、とうとうこの試合3回目のインターセプトとなります。

4Qは残り5分22秒から富士通の攻撃。富士通は完全に時間消費モードとなり、プレークロックを目一杯使ってきます。LB#7岸本が積極的にタックルを見せますが、モメンタムを握られている分相手に勢いが有り、2ndダウン、3rdダウンでダウンを更新されていきます。最後は、ゴール前21ヤード2ndダウンの場面で、TDあるいはFGを狙える状況でしたが、無理をせずそのまま時計を流して試合終了となりました。
 

まだ終わったわけでは無い

試合前の期待値が高かったことも有り、この点差での敗戦は予想外以上のものでした。前半は互角と言って良い内容でしたが、最後の最後に許したTDが暗示したように、後半は前回の対戦同様前半の内容を分析され対策が功を奏し、オフェンス、ディフェンス、ともに完敗という内容でした。オフェンスに関しては、QB#3クラフト選手の3回のインターセプトが大きく響きました。また、稼ぎ頭であるRB#10末吉選手のプレーは完全にマークされており、全くプレーをさせて貰えない状況だったことが、本来の得点力を大きく減退させる要因でした。また、パス成功率も20/31-約66%と決して悪い数字では無いのですが、レシーバーへのタックルが早いためレシーブ後のランアフターキャッチが獲得できず、それもオフェンスが伸びなかった理由の一つと思われます。

ディフェンスに関しても、前半は互角の勝負を見せてくれましたが、後半に入ると相手がディフェンスの間隙や裏を上手く取り、ヤードを獲得しいたように思われます。また、QB#3キャメロン選手は、何度もBigBlue DLのプレッシャーを受けましたが、その状態からも的確にパスを通す能力は流石でした。2TDを記録したWR#81中村選手は勿論、WR#17秋山選手やWR#1強選手など、コンスタントにパスキャッチをしており、BigBlue DB陣が厳しいマッチアップを経験したことが想像されます。また後半になると、相手RBのカットバックに対応出来ずに、なかなかタックル出来ない場面も散見され、このあたりは今後さらに上位チームとの対戦を考えると対応が必要な場面だったように感じられます。

この試合の結果、最終的に可能性のあるBigBlue、富士通、ノジマ相模原が4勝1敗で並ぶ場合、BigBlueの3チーム間での得失点差は-11となり、現在-9のノジマ相模原を下回ります。富士通も、仮に大差で敗れた場合でも0点以下にはならないため、得失点差争いになった場合は地区3位となります。またそれぞれのチームが残り試合を勝利し、最終戦で富士通がノジマ相模原に勝利する場合、価値点数で富士通、BigBlue、ノジマ相模原となります。そのため、地区1位通過の可能性はなくなりました。2ndステージに向けて、厳しい試合が続きますが、まだ終わって訳ではありません。まだまだ出し切っていない力を、これからの試合で発揮して欲しいと思います。Go BigBlue!

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