第三節 vs. アサヒビールシルバースター戦の見所
2010/09/23
幾つか課題は残ったものの、34-7とオール三菱ライオンズに勝利し、1勝1敗の五分に戻したBigBlue。しかし、息つく間もなく第三戦が迫っ てきます。しかも、その対戦相手は強豪アサヒビールシルバースター。アサヒビールとは、この春の交流戦でも対戦。この時は、前半0-14とリードを許すも のの、後半BigBlueのオフェンスが爆発し33点(5TD)を上げる猛攻で逆転勝利しました。しかし、アサヒビールも4Qに2TDを追加するなど、決 して余裕のある試合でもありませんでした。
過去、2004年のシーズンにもBigBlueはアサヒビールとパールボウルの予選トーナメントで対戦。この時も、前半は6-14とリードされるも のの、後半に34点(5TD)を上げ一気に逆転。アサヒビールの反撃も、4Q終了直前の1TDに押さえて勝利しました。しかし、秋のリーグ戦では逆に 16-3と後半の反撃を抑えられ試合巧者のアサヒビールに敗れます。もっとも、この経験が生きたのか、翌年2005年のリーグ戦では第二節にアサヒビール と対戦。この時も、前半13-20とリードを許しますが、後半に16点(2TD/1FG)を入れ、ディフェンスも後半は無得点に抑え勝利しました。そうい う意味では、対戦数こそ多くありませんが、決して分の悪い相手では無いとも言えます。
オフェンスの見所
前節ライオンズ戦では、オフェンスの総獲得距離のうち、ランで173ヤード、パスで176ヤードと非常にバランスのとれた内容でした。ただ、ランの 獲得距離の中にはRB#29原田選手の44ヤード独走ランがあるため、そのまま受け止めるわけにはいきません。それを除いた記録でみると32回/129 ヤード、平均4ヤード獲得とぎりぎり合格点と言えます。この試合では、RB#30工藤選手が原田選手に続く、9回/50ヤードを記録しましたが、 RB#24中野選手(5回/7ヤード)、RB#26吉津選手(8回/38ヤード)と、残る二人の記録はやや物足りません。勿論、全員がベストの記録を残せ ば苦労はないわけで、どうしても好不調は発生します。それを出来る限り少なくし、全員がベストの走りを見せないと、やはりこの試合では勝てません。オール 三菱線では、吉津選手が中央突破のランを見せる場面がありましたが、早い集まりと堅固なタックルを見せるアサヒビールディフェンスをどのように突破するの か。ランプレーが今シーズンはオフェンスのキーとなっているBigBlueにとって、重量級ランナーの彼の突進力と突破力が勝利の鍵と言えます。
気になるパスについても、QB#15岡村選手が好調さを取り戻し、試合のほぼ半分の出場ながら16/23と約70%のパス成功率を記録し、129 ヤード/2TDを獲得しました。欲を言えば、前回の試合中に何度か見られた、レシーバーとのちょっとしたコミュニケーションミスのようなパス失敗を修正 し、さらに精度が高まればさらなるオフェンスの爆発が期待されます。今シーズンアサヒビールは、昨シーズンアサヒ飲料で活躍した有馬選手を獲得し、QBを 4人体制としてオフェンスのバリエーションを増やしています。これまでのパターンならば、前半はアサヒビール、後半はBigBlueのオフェンスが得点し ていましたが、この4Qに試合を通して様々な手を打たれた場合BigBlueのディフェンスも厳しい対応が予想されます。しかしBigBlueも、QB岡 村選手に加え、QB#14多川選手、QB#13澁井選手も前節に登場し、それぞれTDシリーズを見せています。それぞれタイプの異なるオフェンススタイル に、アサヒビールとしても苦しめられるでしょう。しかも、春の交流戦では、多川、澁井両QBが、それぞれ試合の半分をリードし、アサヒビールのディフェン スに対しても経験を積んでいます。それが、この試合でのプレーに対する自信にもなるでしょう。
オフェンスについては、奇をてらうことなく正攻法でぶつかることが一番のように思われます。ですから、ランプレーでは中央を付くダイブやオフタック ルのパワープレーが中心になるのではと予想されます。パスでも、レシーバー陣のそれぞれの持ち味を生かした、クイック、ミドル、ロングといった組み合わせ が効果的ではないかと思われます。
ディフェンスの見所
前節の試合でのディフェンスの反省点は、なんと言っても4Q最後に相手に得点を許したこと。勿論、すでに34-0と大きくリードをしていたので、こ の得点が試合の大勢に影響することはありませんが、仮に、この得点によって得失点差が20点以下になるようであれば、今後の試合結果によっては順位決定に も影響します。また、得点経過にしても、相手が粘って何とか得点したならまだしも、ロングパスから一気にゴール前に攻め込まれTDを許しています。厳しい ことを言うようですが、同じ事が次のアサヒビール戦で起これば、多分アサヒビールならばさらにTDを追加することが可能でしょう。アサヒビールも選手層は 豊富なだけに、厳しい場面が何度も登場すると思うものの、それに打ち勝つ力がないと上位チームにも勝てないわけで、まずはディフェンスチームの心意気に大 いに期待したいと思います。
前節の記録を見ると、パスディフェンスでは19回のパスプレーのうち9回を失敗させています。この中には、QBにプレッシャーを掛けて失敗に追い込 んだものが何回かあります。しかし、アサヒビールの場合、そういう場面から積極的にQBがスクランブルに出てダウンを更新する、というのがこれまでのパ ターン。ライオンズ戦でも、QBをDL/DEが追い込みながらも、走られてしまう場面がありましたが、今回もそういうことが大いに予想されます。サイズも 大きなアサヒビールOLに対して厳しい要求だとは思いますが、DL/LBのコンビネーションがどれだけ機能するか、そこが試合の鍵になるかもしれません。
またDL/LBにとっては、前節のランプレーも、29回/88ヤードと、平均で3ヤードを許しています。これがアサヒビールになれば、平均で4ヤー ド以上、ランプレーだけでダウンを更新され最後は得点まで許してしまいます。試合巧者のアサヒビールですから、こちらが予想する以上に手を変え品を変えて スクリメージラインを突破してくると思いますが、ここも基本通り確実に自分の守備範囲(テリトリー)を守り、相手に突破されない。また一端相手の走力が緩 んだならば、セカンド、サードのタックルで確実にランナーを止めるという、こちらも愚直だけれど基本に忠実なプレーこそが一番効果があるように思われま す。
試合の条件は異なるとはいえ、これまで勝った試合に関して言えば、後半相手のオフェンスを押さえたのが最大の勝因。逆に言えば、前半はどうしても相 手のペースにはまり得点を許しています。今回は、あえてこのジンクスを破り、前半から積極的に相手のオフェンスをつぶし、常にリードするディフェンス戦を 見せて欲しいものです。そういう試合運びが出来ないと、これから上位チームと対戦する場合に勝つことは厳しいでしょう。
試合の見所
一月の間に、鹿島、オール三菱、アサヒビールと全く気の抜けない厳しい相手との試合が続きます。そのため、この3試合目は選手やチームにとっても、 疲労やプレッシャーが一番蓄積し厳しい状態で臨む試合になると思われます。また、アサヒビールにとっても、春の雪辱を目指して、この試合には特に集中して くることも予想されます。春の交流戦では、アサヒビールはこれまでのランプレー中心の内容から、パスプレーを積極的に取り込んでいました。これまでの経験 では、どうしてもランプレー、パワープレー中心のチームという印象になりがちですが、さらにプレースタイルがこの試合で変えてくるかもしれません。ここま で試合前半でエンジンのかかりが遅いBigBlueにとっては、最初に相手に一気に得点をされると厳しくなります。ファーストプレーからいきなり得点を狙 う、いきなりターンオーバーを狙うくらいの積極的なプレーが勝機につながるように感じられます。
アサヒビールの印象を一言で言えば「負けない試合をするチーム」。勝ちに行くというよりも、常に相手の様子をうかがい、あるところでリードしたなら ば、それを最後まで守り抜くというのがこれまでの印象。これまで勝利した試合を振り返ると、そういう場面がひっくり返ったときに、相手に焦りのようなもの が生まれ、本来のプレーがぶれてくる、精度が下がってくるように思われます。まずはどんな状況になっても、相手のムードに飲み込まれるのではなく、常に自 分たちの気持ちやリズムを忘れないこと。それさえ出来れば、チーム力としては決して見劣りしませんし、力もあるはず。厳しい試合が予想されるものの、その 分見応えのある内容になることを期待されます。Go BigBlue!
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