あるOBの呟き- 第二節 vs. オール三菱ライオンズ

2010/09/19

今 年の猛暑の影響か、9月も下旬になるというのに、今日も熱い日差しが朝からグランドに照りつけます。満を持して望んだ鹿島との初戦を、予想外とも言える完 敗で終わり約2週間。選手・スタッフは、すでに気持ちを切り替えてこの試合に臨んでいることとは思うものの、やはりその影響が気になります。特にこの試 合、前年3位と4位の対戦となるため、セカンドステージ進出の目安となる3勝のうちの1勝を勝ち取るために非常に重要な試合でもあります。

前節の鹿島とは9シーズン連続しての対戦となりましたが、このオール三菱ライオンズとも、今回で6回目の対戦。対戦成績は、2勝2敗1分と完全に五 分の状態ですが、2連敗の後に引き分けとなり、ここ最近の対戦では2連勝と逆転しており、相性の良いチームと言っていい相手でもあります。とは言っても、 企業チームながら3企業(三菱東京UFJ銀行・東京海上日動・三菱電機)合同チームのため人材にも恵まれており、決して侮れない相手です。前節のアサヒ ビール戦でも、敗れたとはいえ7-20と僅差のゲームにしており、初戦を終えた状態ではBigBlueよりも勢いを持っているかもしれません。いずれにし ても、どちらのチームにとっても負けられない試合は、BigBlue K#8崔のキックオフで開始されます。

互角の展開、粘りで得点

ラ イオンズのファーストシリーズは、まず前節苦しめられたランプレーでダウンを更新。次のシリーズではパスが通されさらに前進許し、ゴール前3ヤードで ファーストダウンを許します。ここでBigBlueのディフェンス陣が奮起。残り3ヤードをランで突破してくるライオンズを、DB#20古川選手、 LB#7岸本選手がロスタックルで仕留めスクリメージラインを押し戻します。3rdダウンでのパスが失敗したので、ライオンズは4thダウンで25ヤード のFGを狙いますが、これをプレッシャーで不成功にしディフェンスは何とか踏みとどまります。

替わってBigBlueのオフェンスシリーズ。QB#15岡村選手が、まずWR#17小川選手へのパスで大きく前進すると、RB#26吉津選手が一 気に15ヤードを走り抜けファーストダウン。この後も4thダウン1ヤードでQB岡村選手自身がスニークでファーストダウンを獲得するなど、厳しいシリー ズが続きます。結局、1Qが終了し2Q最初のプレーが4thダウンパントとなり、両チーム無得点のまま1Qが終了し2Qに入ります。

静かだった1Qとは対照的に、2Qに入り試合が動き始めます。ライオンズのファーストプレーで10ヤードの前進を許したものの、続くランプレーで DL#10瀧川選手、LB#55藤田選手のギャングタックルにライオンズRBが堪らずファンブル。これをDB#22中山選手がリカバリーしターンオーバー となります。

敵陣からの絶好のポジションを得たBigBlue、WR#44天谷選手へのロングパスでレッドゾーンに入ると、RB#30工藤選手のラン、そして再 びWR#44天谷選手へのパスでゴール前9ヤードまで前進します。ここでRB#26吉津選手が突進するものの1ヤードの前進で止められます。残り8ヤード の2ndダウン、QB岡村選手が冷静にターゲットを探し、エンドゾーンに駆け込んだWR#17小川選手に待望の今シーズン初のTDパスを成功させます。

先 制点を得て試合の流れを掴んだBigBlueは、続くライオンズのオフェンスシリーズで、またもDL#99南家選手とLB#19鄭選手のギャングタックル がRBにファンブルを強い、これをDL#95川島選手がリカバーし、再びターンオーバーで攻撃権を得ます。このチャンスを再び得点に結びつけたい BigBlueですが、パーソナルファウルの反則で15ヤード罰退すると、これをリカバリーすることが出来ずにパントで攻守を交代します。

続くライオンズのシリーズを4thダウンパントに押さえ、2Q残り55秒ながらフィールド中央付近で攻撃権を得ます。残り時間も少ないため、QB岡 村選手は、WR#89円谷選手、WR#17小川選手、WR#1岸選手と、ターゲットにパスを決め、レシーバー陣もサイドラインに逃げて時計を止めながらエ ンドゾーンを目指します。途中、残る2回のタイムアウトで時計を止めながらゴール前22ヤードまで前進しますが、前半残り時間は4秒。前半最後のプレー で、K#8崔が40ヤードFGを成功させ、10-0でハーフタイムに入ります。

波に乗るBigBlue、しかし反省点も...

前 半、スロースタートに苦しみながらも、1TD/1FGと何とかゲームを作ってきたBigBlue。その流れは、3Q開始のキックオフにも繋がります。ライ オンズのキックを自陣奥でキャッチしたリターナーRB#24中野選手は、リードブロッカーを上手く使いサイドラインに沿って一気に駆け上がり42ヤードの ビッグリターン。RB#26吉津選手がまず10ヤードを走りダウンを更新すると、ゴール前32ヤードに。しかし、ここから2回のパスが通らず3rdダウン ではRB#30工藤選手が突進するも、ファーストダウンに届かず4thダウンで3ヤードを残します。ここでベンチはギャンブルを選択。QB#15岡村選手 はきっちりとWR#17小川選手に5ヤードのパスを通し、ゴール前20ヤードでファーストダウンを獲得します。その勢いはそのまま次のプレーに繋がり、 WR#17小川選手へのパスは、相手ディフェンス二人とともにエンドゾーンに倒れ込んでTDとなります。

完全に試合の流れを掴んだBigBlueは、続くライオンズの攻撃を4thダウンパントで押さえ、再びBigBlueのオフェンスシリーズ。ここで ベンチは岡村選手と交代でQB#14多川選手を投入。この期待に応え、多川選手は小川選手、天谷選手と続けてパスを通しダウンを更新。今度は、RB陣に加 えて自らもキャリアーとなりダウンを更新します。しかしライオンズディフェンスも厳しいカバーを見せ、4thダウンで8ヤードが残ります。こから、K#8 崔選手が44ヤードのこの日2本目のFGを成功させ、20-0とさらに点差を広げます。

ディフェンスも、ダウンの更新は許すものの、時間が少なくなりパスに比重を移してきたライオンズオフェンスをカバー。フィールド中央付近で4thダウン8ヤードからギャンブルを狙いますが、逆に相手を押し込んで攻撃権を奪います。

RB#30工藤選手が9ヤードのゲインを得たところで、4Qに入りサイドが替わります。このシリーズでは、試合時間の消費も考えてか、ランプレーで 相手のディフェンスを崩し前進。ゴール前15ヤードでファーストダウンを獲得します。1stダウンのプレーでは初めてパスを選択。しかしレシーバーが見つ からず横に流れるQB#14多川選手は、やや無理な体勢からエンドゾーンにいたSB#25徳地選手にパス。これをキャッチしてこの試合3本目のTDとなり ます。

続 くライオンズの攻撃も、ダウンの更新は許すもののパントで攻守交代。4Qも半分が経過したところで、今度はQB#13澁井選手が登場。最初のプレーでは WR#81山下選手に8ヤードのパスが決まると、続く2ndダウンではRB#26吉津選手が6ヤードを突進してファーストダウン。続く1stダウンのパス 失敗下物の、2ndダウンではRB#29原田選手があと少しでファーストダウンの8ヤード前進。残り2ヤードを狙い、再び原田選手が突進。これが中央から オーブンに抜け一気にゴール前3ヤードに迫る44ヤードのビッグケインになります。残り3ヤードを狙ってファーストダウンのプレーは、三度RB#26原田 選手にボールを渡します。この期待に答え、相手ディフェンスの間隙を突きTD。点差は34-0とさらに広がります。

試 合時間も、残り3分半となりライオンズの何とか一矢報いたいという気持ちが通じたのか、ファーストダウンのプレーでオプションピッチが逸れて三度ファンブ ルを喫しますが、今回は自らリカバー。さらに、3rdダウンではQBをDL陣が追い詰めたものの、ここから投じたパスがゴール前18ヤードまで進む48 ヤードのロングヒットに。ここからはライオンズオフェンスの執念で17ヤードのパスを通し、さらに残り1ヤードをRBが飛び込みTD。34-7と完封は免 れます。

ライオンズのオンサイドキックを確保し、敵陣からのポジションを得たBigBlueは、残り1分半でさらなる追加点を狙います。しかし、ライオンズ の守りも厚く23秒を残してパントで交代。ライオンズも、最後のオフェンスシリーズに賭けますが、BigBLueディフェンスも最後まで守り抜き、試合終 了となります。

次に向けて気持ちを切換て

正直なところ、試合が始まるまでの不安は、1Qが始まってもなかなか消えませんでした。正直なところ、ライオンズ最初のFGが成功していた場合、その後の展開はもっと厳しいものになっていたかもしれません。

とはいえ、2Qに入り確実にオフェンスシリーズが構成され、1TD/1FGに繋がった頃から、BigBlueらしいプレーが、オフェンスにもディ フェンスにも見られるようになりました。ただ、試合のスタートでなかなかエンジンが掛からなかったように、試合終盤にも相手にみすみすTDを与えるような 場面が見られ、まだまだ上位チームと互して戦うには足りない部分が多くあるように感じます。特に次節対戦するアサヒビールは、そういう部分を決して見逃さ ず突いてくる相手。準備期間は短いものの、今回の経験と良いムードを次のアサヒビール戦まで維持し、是非春のように勝利を収めて欲しいと願います。

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