東日本交流戦2015:オーピックシーガルズ戦の見所
2015/05/09
2015年シーズンは残念ながら黒星スタートとなったBigBlue。2試合が予定されている東日本交流戦は、早くも2試合目。春シーズン最後の対戦相手は、オービックシーガルズ(以下、オービック)です。昨シーズンの総合順位(Game Strength)ではBigBlueが上位(2位、オービック3位)となるため、この試合もBigBlueがホームチームとして対戦しますが、正直なところ実際の力はオービックがまだ上。さらにオービックは昨年ファイナルステージで富士通に敗れ、例年よりも早くからチーム準備を始めており、例年以上にこの時期においても準備が整っていると言えるでしょう。
とはいえ、まだまだ発展途上状態なのか、一試合目の対ノジマ相模原ライズ戦では相手に先行を許します。しかし地力で勝るオービックはQB#6菅原選手の2TDパスで逆転。終盤にノジマ相模原のTDで2点差に迫られるものの、今シーズンも強力なオービックディフェンスが同点狙いの2点コンバージョンを阻止。14-12の僅差でしたが、やはり層の厚さと底力の強さを見せた試合でした。この強いオービックに対して、アサヒビール戦の敗退からどのような成長をこの試合でBigBlueが見せてくれるのか、興味が高まる試合です。
オフェンスの見所
アサヒビール戦では、QB#4多川選手に初めて一試合全てを任せて経験を積ませたBigBlueオフェンス。試合結果は残念でしたが、その分得る物も多く有り、秋に向けて解決すべき課題や延ばすべき長所も見つかったはずです。前の試合から2週間という短い期間に、それらに対しての解決策を準備してこの試合で確認することは難しいと思いますが、それでも解かなければいけない宿題は幾つかあります。
最大の課題はパスオフェンスの改善。アサヒビール戦でのパス成功率は41%(17/41)と機能していなかったと言っても良いくらいの値です。色々原因はあると思いますが、比較的OLのパスプロテクションは持っていた印象があるので、やはりQBとレシーバー陣との精度アップが最重要課題でしょう。殆ど昨年のメンバーが残っているレシーバー陣だけに、前回の結果は残念としか言い様がありません。特に、重要なシチュエーションでボールをドロップする場面が何度もありました。問題なのは、ドロップした選手がそのまま下を向いてハドルに戻る、サイドラインに下がる様子です。失敗の反省は試合後にすれば良いわけで、その時に考えるべき事は次のプレー、次の1ヤードをどう獲得するかという気持ちのはず。より厳しいオービックディフェンスに対して、さらに強い気持ちがなければボールもキャッチできないし、RACも獲得出来ません。そう言う気持ちの入ったプレーをこの試合で見せてくれるかどうかが重要な見所です。
当日のゲームプランもあったかもしれませんが、アサヒビール戦ではランプレーも物足りなさを感じました。RB#21髙木選手こそ13回/54ヤード/平均4.15ヤードとまずまずの成績でしたが、QB#4多川選手は10回/4ヤードとほぼQBサックの記録と言えます。昨年の試合でも「走るQB」としてその走力は暗黙のプレッシャーになっていただけで無く、実際上位チームとの対戦でも結果を出してきただけに、この試合ではその結果を見せて欲しいところです。オフェンスユニットへは新人選手の加入は少ないのですが、その中でもOLに今シーズンから入った#61秋選手(法政大出身)は、オールジャパン候補選手(81名)にも選ばれており、OLとしては昨年よりもパワーアップをしているはず。そう言う意味でライン戦での勝負をこの試合ではもっと見せて欲しいところです。
この試合もQB#4多川選手に任せるのか、QB#3クラフト選手との併用になるのかは始まってみないと分かりませんが、今オフェンスユニットに一番必要と思われるのは、やはり長年エースレシーバーとして一発TDの力を持っていた小川選手の抜けた穴をどの様に埋めるかでしょう。スピードで一気にDBを抜いてロングパスを受けるにしても、DBとの鬩ぎ合いの中一瞬の隙を突いてボールをキャッチしてRACでヤードを延ばすにしても、破壊力のあるレシーバー、相手に競り負けない確実な力のある選手がどれだけ揃うかが、秋に向けての最大の課題です。前の試合で活躍した#18上廣選手(4回/30ヤード)、#11原選手(4回/28ヤード)、#16梶川選手(2回/27ヤード)といった中堅選手が、少なくともホットラインTE#40スタントン選手(3回/41ヤード)の記録を超えなければ勝利はありません。アサヒビール戦以上に厳しいマッチアップになる事は確実、その中から何人の選手が生き残るかが、オフェンスとしての一番の見所と言えます。
ディフェンスの見所
昨シーズン、BigBlueのディフェンスラインの両端を守っていたDE#34ブルックス選手とDE#5トゥファーガ選手。しかし#5トゥファーガ選手が昨シーズン限りで引退したため、その穴をどの様に埋めるかが課題の1つです。実際アサヒビール戦では、DE#34ブルックス選手が厳しいプレッシャーを掛けたものの、逆サイドにプレーを振られた場合にはゲインを許す場面が何度も見られました。OLから#52青木選手、#78赤石選手を今シーズンDLへコンバートし、さらに新人では#90樫本選手(琉球大出身)、#95坂口選手(関東学院大出身)の二人が入るなど選手層は厚くしつつも、まだまだプレーの習熟度など発展途上の様子もみられ、この試合では何処までその力を延ばすことが出来るか注目されます。同じ事はLB陣にも言え、オールジャパン候補選手のLB#7岸本選手や若手のLB#13藤本選手、#37小森選手にも良いプレーがあったものの、まだちぐはぐさを感じる場面も多く見られました。ユニット内の連携だけで無く、DL/LBと柔軟に連携してディフェンスをするのが昨シーズンの持ち味だっただけに、この2週刊でどれだけ改善されてくるかが先ずはディフェンスの見所の1つです。
DB陣に関しては、新人の#24齋藤選手(法政大出身)が2インターセプトを見せるなどルーキーの活躍が目立った半面、アサヒビールのターゲットWR#3ウィルソン選手への対応が出来なかったり、反則で相手にチャンスを与えるなど、好不調の波が大きい試合内容でした。サイズもスピードもあるオービックレシーバー陣に対しては、さらに厳しい戦いが要求されるわけで、どの様な対策で臨むのか注目されます。新人では前述した#24齋藤選手と共に、#17三津谷選手(慶應義塾大学)の活躍も目立ちました。オールジャパン候補選手でもあるDB#1中谷選手は、昨シーズンルーキーながらDBというよりもBigBlueディフェンスの要の1つとして活躍し、Japan X Bowl進出の大きな原動力の1つでした。この試合で、ルーキー、若手選手の活躍がどれだけ生まれるかで秋に向けて必要な取組も明らかになるでしょう。
近年ではどのチームもパスを重視したオフェンス展開してきており、前回のアサヒビールもQB#17ミルズ選手からWR#3ウィルソン選手へのホットラインに対応出来なかった事が敗因の一つです。オービックでは、WR#18木下選手、WR#85萩山選手を筆頭に、WR#17平野選手、WR#26阿南選手、WR#81松永選手等々、豊富なレシーバー陣が活躍しています。レシーバー陣だけでなく、今シーズンのオービックはQB#6菅原選手を筆頭に、#12畑選手、#15龍村選手、#19髙木選手と、4名のQBを有しており、ノジマ相模原戦でもこの4QBが登場しパッシングオフェンスでも活躍しています。このバラエティーに富んだオフェンスシステムにどの様に対応するのか、選手だけでなくコーチ陣やスカウティングスタッフも苦労する試合となる予感がします。とは言っても、QBがいくら増えてもプレー中に動くボールは一つだけ。そのボールに対してどれだけ集中してプレーできるかが、前回のアサヒビール戦での経験を踏まえた対策で有り、秋にも繋がる財産になるでしょう。
試合の見所
昨シーズン、リーグ優勝をしていてもおかしくないオービックは、その戦力はほぼそのまま。今シーズンの新人登録数は少数ながらも、即戦力の新人が加わり、さらに強力なチームになっています。アサヒビール戦以上に厳しい試合になることは言うまでもありません。オフェンスは、DL#11ジャクソン選手、DL#23ビーティJr選手、二人の両翼からのラッシュをどれだけOLが勝負できるかと、実力のあるオービックDB陣に対してBigBlueのレシーバー陣がどれだけ勝負できるかが見所です。ディフェンスは、先発が予想されるQB#6菅原選手の素早い動きと的確な判断力に何処まで対応出来るか、特にDB陣はWR#18木下選手をはじめ、スピードもパワーも併せ持つレシーバー陣とのマッチアップはかなり厳しさが予想されます。
さらに注意すべきはキッキングゲーム。リターナーに入る事が予想されるWR#17木下選手は、一発リターンTDを狙ってくることは確実。キックカバーチームとしては決して油断できない場面が何度か生まれるでしょう。但し、このキッキングゲームはBigBlueに取ってもチャンスで有り、過去の試合でも肉薄した内容の試合ではキックリターンでチャンスを掴み得点に繋がりました。パントキック/リターンも含めて、もう一つの空中戦-キッキングゲームが、この試合を占う見所と言って良いでしょう。Go BigBlue!
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