あるOBの呟き- 第二試合 vs. オービックシーガルズ

2010/05/31

パールボウル初戦を完勝したBigBlue。しかし、残るブロック予選最終戦は強豪オービックシーガルズとの対戦。オービックとは、昨シーズン最終戦2ndステージで対戦しましたが、力の差は埋めがたく14-44の大差で敗れました。あの試合から約半年過ぎての再びの対戦ですが、どれだけ力の差は縮まったのかあるいは開いたのか、期待と不安が交差する試合前です。

前 節の試合では、シーガルズも本来のオフェンス力・ディフェンス力を遺憾なく発揮し、ハリケーンズに対して52-7で快勝。特にオフェンスでは、相模原ライ ズで活躍していた、QB菅原選手が今シーズンからシーガルズに移籍。クレバーなクォーターバッキングには学生時代から定評があり、シーガルズオフェンスが さらに広がりを得たと言えます。さらに昨年の試合では、古谷選手、白木選手のランプレーにBigBlueディフェンスは苦しめられましたが、前節のハリ ケーンズ戦でもランプレーが爆発。21プレーで237ヤード獲得(平均11.3ヤード)は、パスでの獲得ヤード(122ヤード/13プレー、平均9.4 ヤード)を上回る破壊力でした。ランナーのスピードだけではない、タックルをかわす敏捷性と、例えタックルを受けても直ぐには倒されない粘り強さを持った ランナーが何人もシーガルズにはおり、今回もBigBlueディフェンスは苦しめられそうです。

ディフェンスでも、DLにケビンジャクソン選手、カールノア選手という190cm/100kgという巨漢選手を両サイドに配置。ラン、パスともにス クリメージラインから先に進ませない強力な布陣です。BigBlueオフェンスも、今シーズンはTEを補強するなど、昨シーズンの反省を生かそうとしてい ますが、それが生かされれば十分に勝機も生まれるでしょう。

与えてしまったTD

BigBlue のキックオフで始まった試合。シーガルズのファーストシリーズは、BigBlueディフェンスチームが4thダウンに押さえパントに追い込みます。自陣 12ヤードから始まったBigBlue最初のオフェンスシリーズは、QB#14多川選手からSB#18高木選手への9ヤードパスで前進。続いてRB#26 吉津選手が4ヤードを突進してファーストダウンを更新します。さらにWR#81山下選手、WR#89円谷選手とミドルパスが通り、さらにランプレーでも RB#24中野選手、#26吉津選手と着実に前進、敵陣に入ります。QBサックのため大きく後退し3rdダウンロングのシチュエーションになりますが、こ こでWR#89円谷選手に18ヤードのパスが通り、ゴール前24ヤードでファーストダウンを更新します。しかし、ここからシーガルズのディフェンスは厳し く前進出来ず、4thダウンで40ヤードのFGをK#8崔選手が狙います。しかし、ボールはゴールポストに届かず失敗、18プレー、9分近い時間を費やし たBigBlueのファーストシリーズは惜しくも無得点に終わります。

一方シーガルズも、パスで大きく前進すると、BigBlueの反則もあり一気にレッドゾーンに入ります。ゴール前17ヤードでファーストダウンを得 ると、RB#20古谷選手、RB#21杉原選手がスクリメージラインに突進しますが、BigBlueディフェンスも厚い守りでこれを阻止。TDを許さず 28ヤードFGをシーガルズが成功したところで1Qが終了します。

先制点こそ相手に許しましたが、互角の内容と言って良い1Q。その緊張感が逆に隙を作ってしまったのか、シーガルズはQBからレシーバーの WR#83清水選手にラトラルパスでボールを渡すと、そこからダウンフィールドにディレーで走り出たRB#20古谷選手にフォワードパス。これをキャッチ すると、ディフェンスの居ないフィールドを独走して69ヤードのTDパス。シーガルズは1Qの膠着状態が嘘のように、たった2プレーで今度はTDを奪いま す。

まだまだ射程距離の得点差。しかしBigBlueのゲームプランに早くもアジャストしてきたのか、BigBlueのランプレーは前に進むことが出来 ません。3rdダウン10ヤードから、ダウン更新を狙ってQB#14多川選手が投じたパスは、しかしシーガルズがインターセプト。1Qと異なり、リズムが 狂ってきた印象を受けます。逆にシーガルズはオフェンスにリズムが生まれ、パスが連続して成功。ゴール前16ヤードまで前進しますが、ここで今シーズンの インターセプト男、LB#4坂本選手がこの試合でもインターセプトを見せ、窮地を救います。

何とかこのチャンスを生かしたいBigBlue。しかし、シーガルズのディフェンスは厳しく再び4thダウンパントに。パンターにプレッシャーがか かり、ショートパントとなり、フィールド中央付近からのシーガルズの最初のプレー。シーガルズQB#6菅原選手は、パスと見せかけると自らボールをキープ してオープンに走り出し、そのまま一気にエンドゾーンまで駆け抜けます。今度は僅か1プレーでTDを奪われてしまいます。

何とか流れを変えて、1本でも返して後半に折り返したいBigBlue。しかしシーガルズのディフェンスは厳しさを増し、今回もパントで攻守交代。 しかしBigBlueディフェンスもシーガルズを4thダウンパントに追い込みますが、ここでモメンタムはシーガルズに傾きます。蹴られたパントは短く、 そのまま見送るつもりがBigBlueの選手触れ、それをシーガルズがリカバーをし再び攻撃権を奪います。ここからさらにシーガルズはWR#85萩山選手 へのTDパスで得点を追加。結局2Qに3TDを許し0-24の予想外の大差で前半は終了します。

つかめぬモメンタム

2Q 序盤まではリードされながらもほぼ互角の内容。しかし、ちょとした拍子にチームのリズムが崩れて一気に得点を奪われてしまいました。ハーフタイムをはさん で気持ちを入れ替え、何とかこの悪い流れを断ちきりたいBigBlue。そんな願いが通じたのか、後半開始のシーガルズのキックオフボールを、SB#18 高木選手が中央付近まで戻してBigBlueのオフェンスシリーズが始まります。しかし、ここでもシーガルズのディフェンスは厳しく4thダウンパント。 パンターのK#8崔選手が敵陣奥まで蹴り込みますが、これをキャッチしたRB#21杉原選手は、BigBlueのカバーチームを巧みにカットインですり抜 けると、あっという間に83ヤードを駆け抜けパントリターンTD。3Q開始2分も経たないうちに再び得点を許してしまいます。

兎 に角まずは得点が欲しいBigBlue。そんな気持ちが焦りを生んだわけではないでしょうが、QB#14多川選手が自らのスニークでダウンを更新した次の プレー。敵陣奥、一気にTDを狙ったパスは、しかしシーガルズDB#24矢野川選手がインターセプト。スタンドから大きなため息が漏れます。

ところがシーガルズも、得点差に油断をしたのか、QBからのオプションピッチが乱れてフリーボールに。これをDL#10瀧川選手がリカバーし、 BigBlueディフェンスも意地を見せます。敵陣レッドゾーンで再び取り返したこのチャンスを生かすべくBigBlueのオフェンス。しかし、3rdダ ウンロングからWR#89円谷選手に投じたパスはファーストダウンには届かず。4thダウンギャンブルで、RB#30工藤選手が残り2ヤードを目指して突 進しますが届かず攻守交代。

自 陣奥からのシーガルズオフェンスシリーズは、じっくりと時間を使いながら前進。ゴール前16ヤードでダウンを更新したシーガルズは、エンドゾーンを目指し ますが、BigBlueディフェンスは逆に相手を後退させ、4thダウンではゴール前17ヤードに。ここから、34ヤードのFGを狙うシーガルズK#1金 親選手は、この日全てのFG/TFPキックを成功させています。しかし、左手から飛び込んできたDB#22中山選手の手にボールが当たったのか、その迫力 に押されたのか、キックされたボールは低い弾道でゴールに届かず失敗。まだまだ諦めない執念を見せます。

タッチバックとなり自陣20ヤードからのBigBlueファーストダウンプレー。WR#17小川選手に、この試合最初のパスが通り7ヤード前進。さ らに4thダウン1ヤードでのギャンブルも、RB#26吉津選手が突進しダウン更新。やっとオフェンスのリズムが戻ってきたところで、試合は最終4Qに入 ります。WR#81山下選手、TE#9松浦選手と続けてパスを通してダウンを更新したQB#14多川選手。しかしQBサックを受けて後退し3rdダウン 12ヤードのプレー。ダウン更新を狙ってWR#89円谷選手に投じたパスは、キャッチした瞬間にはファーストダウンを更新。ところが、タックルにきたシーガルズDB#24矢野川選手が円谷選手からボールを奪いターンオーバーに。折角のチャンスを、またもシーガルズに阻まれます。

シーガルズはランプレーで時間を消費しながら前進。ゴール前5ヤードでダウンを更新すると、ここから2回RBが突進しますが、DL#91泉田選手、 LB#4坂本選手がタックルしTDは許しません。そして3rdダウンでゴール迄1ヤード。飛び込んできたシーガルズRB#37加藤選手は、 180cm/85kgのパワーランナー。しかし、DL#90小山選手が後ろからタックルしてゲインは無し。4thダウンギャンブルでは、RB#23古川選 手が一瞬空いたスクリメージラインに突進しますが、同時にそこにLB#4坂本選手がタックルに入り、このギャンブルもゲインはゼロ。ゴールラインを BigBlueディフェンスが死守します。

ゴー ルラインを死守したとは言え、1ヤードからの厳しいオフェンス。厳しいプレッシャーから前進することが出来ず、何とかパントで陣地を回復しますが、相手陣 内まで押し返す事が出来ません。再び絶好のボールポジションを得たシーガルズは、今度もランプレー中心に時間を消費しながら前進。今回はディフェンスも踏 ん張りきれずに、とうとうTDを許してしまい、スコアも0-38とさらに広がります。

このまま終了するのかと半分諦めかけたキックオフ。しかし、リターナーSB#18高木選手は、これまでの鬱憤を爆発させるようなリターンを見せ、 リードブロッカーも機能してあわやTDかと思われるゴール前16ヤード迄戻します。ここから、再びWR#17小川選手にパスが集まり、ダウンを更新。ゴー ル前6ヤードからファーストダウンを獲得します。ここからは、両チーム意地の勝負。BigBlueはWR#17小川選手パスを集め、シーガルズLB/DB 陣はエンドゾーンに散らばります。1st/2nd/3rdとパスは失敗。4thダウンギャンブルでも、QB#14多川選手のパスはゴールポスト下の WR#17小川選手へ。これをシーガルズDBが一端弾きますが、浮いたボールは小川選手の腕の中へ。TDとBigBlueベンチが湧きますが、惜しくも小 川選手の左足がエンドラインに掛かっておりアウトオブバウンズの判定。残念ながらパス失敗となり、試合もこのまま0-38で終了となりました。

負けて強くなる

贔屓目無しに見ても、2Q序盤までは互角の内容と言って良かったと思います。また、最初の2TDまでは相手にドライブされての結果ではなく、トリッ キーなプレーから一気に取られた物で、点差こそ広がるものの影響度としては大きくなかったはず。それが3本目のTDの切っ掛けとなるパントボールの処理の ミスから、何かチームのリズムが狂いだし、それはハーフタイムをはさんで後半に入っても直るどころから少しずつ狂いの誤差を大きくし、結局それが最期まで 戻らないままに試合が終わってしまった印象です。シーガルズにもそういう瞬間は垣間見えたのですが、直ぐに次のプレー、遅くともそのシリーズ中に修正して 来るところが地力の差、経験値の差なのでしょうか。

例年同様、上位チームとの敗戦の記憶をもって秋の準備をこれから始めるわけですが、ブロック予選最終戦で明治安田が1点差の試合を競り勝ちアサヒ ビールが敗れました。そのため、6月に予定されている交流戦で、今度はアサヒビールシルバースターと対戦するチャンスが生まれました。競り負けたとは言 え、強豪チームには変わりないアサヒビールとの対戦で春のシーズンを締めくくることが出来るのは、BigBlueにとっては大きなチャンスとも言えます。 その時には、是非今日の教訓を生かしてひと味違うBigBlueを見せて欲しいと思います。

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