パールボウル2018: 富士ゼロックスミネルヴァAFC戦の見所
2018/05/14
パールボウルブロック予選は、ブロック内順位が決定する最終戦を向かえます。初戦の電通クラブキャタピラーズ(以下、電通)戦では、QBのクラフト選手が、QB、OC(オフェンスコーディネーター)、HC(ヘッドコーチ)の一人三役を務める最初の試合という事で注目を集めましたが、1QにQBとして出場して2TDパスで試合をリードすると、2Q以降はQBを#2政本選手、#17岸村選手に任せ、OC/HCとしてチームをまとめ、63-0の完勝へと繋げました。クラフトHCの補佐役として今シーズン加入したカウマイヤーコーチとの二人三脚も順調に滑り出し、この春の試合の中でどれだけ効果的なスキームを構築出来るか注目されます。
BigBlueの対戦相手は、前の試合で電通を14-6で破った富士ゼロックスミネルヴァAFC(以下、富士ゼロックス)です。富士ゼロックスとは、2012年のリーグ戦で対戦(52-3)しましたが、その年に入替戦でハリケーンズに敗れてX2へ降格。しかし2016年シーズンにブルザイズ東京を破り再昇格を勝ち取ると、昨シーズンは3勝3敗と五分の成績を納め、Xリーグ全体では14位、Battle-9では5位と躍進した、近年力を付けているチームの一つです。リクルートにも成功し、特に電通戦ではDL/LB陣がQBに仕事をさせず、勝利に繋げました。富士ゼロックスDL vs BigBlue OLの戦いが、この試合の焦点になりそうです。
オフェンスの見所
電通戦では、ラン・パス共にルーキー選手にプレー機会を与え、秋に向けて既に厳しい競争が始まっている様子が伺えました。RBでは#22鎌田選手が、当たり負けしない走りを見せ、末吉選手が抜けた穴を埋める活躍が期待されます。二年目となる#37伊藤選手も、昨年の経験を生かして2TDを獲得。昨シーズン習得したスクリメージラインの突破力に加えて、今シーズンはセカンダリーとの対決でどれだけ勝負できるかが、この試合でも見所の一つになるでしょう。
パスに於いても、10人のレシーバーに投げ分け、総獲得ヤードの60%を占めるヤードを獲得しました。二年目となる#88細谷選手と#82白根選手、昨年練習生であった#9高橋選手と、サイズの大きなレシーバーへのパスが印象に残りましたが、ここに#40スタントン選手のような当たり負けしない力強さが加わると、さらにパッシングオフェンスの成長が期待出来ます。また、ルーキー選手では、#83中村選手、#84近江選手、#23河村選手がTDパスをキャッチしており、ルーキー選手の生き残りもさらに厳しさを増しそうです。
対する相手ディフェンスでは、フロントラインにDL#13石綿選手、DL#90中園選手、DL#93岡部選手と甲子園ボウルでも活躍した選手を配置。富士ゼロックス戦では厳しいラッシュでQBに迫り、ランでは87ヤード、パスでも99ヤードに押さえました。特にパスでは、28回中17回を不成功に追い込み、電通オフェンスが受けたプレッシャーの強さが想像されます。前回の電通戦でもラッシュを受けてQBがスクランブルする場面が何度かありました。それ故、この試合でもBigBlueのOL陣がどれだけ相手のラッシュに対応出来るかが、この試合での課題であり最大の見所と言えるでしょう。
ディフェンスの見所
電通戦での富士ゼロックスオフェンスは、ラッシングヤードこそ119ヤードと電通を上回ったものの、パッシングヤードは44ヤードと電通の半分のヤードでした。そのラッシング119ヤードのうち、半分の68ヤードはQBの佐々選手が走っています。現在はQBですが、学生時代はRBとして活躍した実績があるだけに、BigBlueディフェンスとしてはQB佐々選手のランにも注意が必要です。逆に、電通戦でも途中何度かQBとしてプレーしたWR#10堀場選手は、学生時代にQB経験があり、この二人に対しての対策が試合の鍵になるでしょう。
電通戦でのディフェンスは、こちらもルーキー選手の活躍が目立ちました。DLでは#99稲岡選手、#96植村選手、LBでは#43菊池選手、#45香川選手、#6大滝選手、DBでは#10小阪田選手、#28久保田選手と全員がタックルを記録し貢献しました。特に#10小阪田選手は、キャプテンDB#1中谷選手の大学の後輩という事も有るのか、その激しいタックルは中谷選手を彷彿させるものがあります。富士ゼロックスのオフェンスでは、電通戦よりもランプレーの比重が高いことが予想されるため、ディフェンス陣の厳しいタックルは最大の武器。電通戦では、三つのターンオーバーを記録しましたが、それを上回るプレーが生まれるかどうかが、この試合でのディフェンスの見所と言えるでしょう。
電通戦では、QB#3佐々選手のランが中心でしたが、RB#21廣澤選手、#29吉田選手、#33井岡選手と実績のある選手もヤードを獲得しており油断できません。BigBlueディフェンスとしては、電通戦で相手RBのカットバックにオーバーリアクトし前進を許す場面が何度かあり、それに対しての対策が必要でしょう。また、パスディフェンスとしては、レシーブ後のRAC(ランアフターキャッチ)を止めることを前の試合では目標にしていましたが、今回さらに一歩進めてレシーバーとのマッチアップでの勝負に勝つことが必要になります。前回の2インターセプトを超えるターンオーバーが生まれるか、こちらも試合の見所になるでしょう。
試合の見所
パールボウルCブロック最終戦は、三年連続パールボウル進出の為の第一歩です。オフェンスとしては、HCを兼任するクラフト選手を中心に、どの様なオフェンスマネージメントで試合に臨むのか、今シーズンのBigBlueオフェンスシステム構築の場とも言えます。前回は無難に、クラフト→政本→岸村とQBが交替しましたが、秋のリーグ戦を睨むとさらにバリエーションを積み重ねておく必要があるでしょう。またRB/WR/TEポジションの選手にとっては、少ないプレー機会にどれだけ活躍できるかが、秋に向けての試練になります。生き残りをかけたどのプレーも、この試合での見所になる事は間違いありません。
ディフェンスは、電通戦では無失点、3ターンオーバーの成績を収めましたが、今回もそれ以上の記録が目標になります。特に先の電通戦では、電通の9回のファーストダウン更新のうち、パスで6回更新を許しています。前の試合では、富士ゼロックスのパスオフェンスの比率は少なかったものの、ランプレーだけでBigBlueディフェンスを崩すことは難しく、この試合ではパスにシフトしてくることも予想されます。登録メンバーが多く競争も厳しいDB陣としては、少ないチャンスの中でどれだけ良いプレーを見せることが出来るか、それが見せ所であり見所でもあります。
三年連続のパールボウルトーナメント準決勝進出に向けて、今シーズンのさらなる成長が確信できるプレーを随所に見せて欲しいと思います。 Go BigBlue!
« 2018年5月の壁紙を「ファンクラブ」に追加しました | あるOBの呟き- パールボウル予選: vs 富士ゼロックスミネルヴァAFC戦 »
- 2024年9月(2)
- 2024年8月(2)
- 2024年7月(4)
- 2024年6月(1)
- 2024年5月(5)
- 2024年4月(4)
- 2024年3月(2)
- 2024年2月(4)
- 2024年1月(2)
- 2023年12月(5)
- 2023年11月(7)
- 2023年10月(10)
- 2023年9月(9)
- 2023年8月(3)
- 2023年7月(4)
- 2023年6月(2)
- 2023年5月(5)
- 2023年4月(4)
- 2023年3月(2)
- 2023年2月(4)
- 2023年1月(3)
- 2022年12月(2)
- 2022年11月(7)
- 2022年10月(6)
- 2022年9月(7)
- 2022年8月(3)
- 2022年7月(5)
- 2022年6月(4)
- 2022年5月(6)
- 2022年4月(3)
- 2022年3月(2)
- 2022年2月(1)
- 2022年1月(1)
- 2021年12月(5)
- 2021年11月(8)
- 2021年10月(6)
- 2021年9月(6)
- 2021年8月(4)
- 2021年7月(2)
- 2021年6月(1)
- 2021年5月(1)
- 2021年4月(7)
- 2021年3月(3)
- 2021年2月(1)
- 2021年1月(2)
- 2020年12月(3)
- 2020年11月(7)
- 2020年10月(9)
- 2020年9月(2)
- 2020年8月(7)
- 2020年7月(6)
- 2020年6月(3)
- 2020年5月(3)
- 2020年4月(4)
- 2020年3月(7)
- 2020年2月(4)
- 2020年1月(1)
- 2019年12月(2)
- 2019年11月(4)
- 2019年10月(5)
- 2019年9月(7)
- 2019年8月(2)
- 2019年7月(2)
- 2019年6月(9)
- 2019年5月(4)
- 2019年4月(3)
- 2019年3月(3)
- 2019年2月(1)
- 2019年1月(1)
- 2018年12月(3)
- 2018年11月(5)
- 2018年10月(5)
- 2018年9月(7)
- 2018年8月(6)
- 2018年7月(2)
- 2018年6月(9)
- 2018年5月(3)
- 2018年4月(4)
- 2018年3月(4)
- 2018年2月(3)
- 2018年1月(2)
- 2017年12月(7)
- 2017年11月(10)
- 2017年10月(13)
- 2017年9月(12)
- 2017年8月(10)
- 2017年7月(3)
- 2017年6月(16)
- 2017年5月(12)
- 2017年4月(12)
- 2017年3月(8)
- 2017年2月(4)
- 2017年1月(4)
- 2016年12月(2)
- 2016年11月(7)
- 2016年10月(8)
- 2016年9月(7)
- 2016年8月(4)
- 2016年7月(4)
- 2016年6月(5)
- 2016年5月(12)
- 2016年4月(10)
- 2016年3月(4)
- 2016年2月(5)
- 2016年1月(3)
- 2015年12月(1)
- 2015年11月(6)
- 2015年10月(7)
- 2015年9月(8)
- 2015年8月(4)
- 2015年7月(8)
- 2015年6月(2)
- 2015年5月(4)
- 2015年4月(8)
- 2015年3月(2)
- 2015年2月(4)
- 2015年1月(5)
- 2014年12月(13)
- 2014年11月(9)
- 2014年10月(6)
- 2014年9月(8)
- 2014年8月(6)
- 2014年7月(3)
- 2014年6月(5)
- 2014年5月(7)
- 2014年4月(4)
- 2014年3月(6)
- 2014年2月(2)
- 2014年1月(3)
- 2013年12月(5)
- 2013年11月(8)
- 2013年10月(10)
- 2013年9月(7)
- 2013年8月(3)
- 2013年7月(3)
- 2013年6月(4)
- 2013年5月(4)
- 2013年4月(6)
- 2013年3月(4)
- 2013年2月(2)
- 2013年1月(3)
- 2012年12月(6)
- 2012年11月(5)
- 2012年10月(11)
- 2012年9月(8)
- 2012年8月(10)
- 2012年7月(4)
- 2012年6月(4)
- 2012年5月(10)
- 2012年4月(4)
- 2012年3月(2)
- 2012年2月(3)
- 2012年1月(5)
- 2011年12月(3)
- 2011年11月(9)
- 2011年10月(11)
- 2011年9月(12)
- 2011年8月(4)
- 2011年7月(4)
- 2011年6月(11)
- 2011年5月(4)
- 2011年4月(2)
- 2011年3月(2)
- 2011年2月(7)
- 2011年1月(3)
- 2010年12月(4)
- 2010年11月(6)
- 2010年10月(6)
- 2010年9月(8)
- 2010年8月(3)
- 2010年7月(1)
- 2010年6月(3)
- 2010年5月(3)
- 2010年4月(4)
- 2010年3月(2)
- 2010年2月(1)
- 2009年12月(2)
- 2009年11月(5)
- 2009年10月(7)
- 2009年9月(4)
- 2009年8月(2)
- 2009年7月(3)
- 2009年6月(3)
- 2009年5月(3)
- 2009年4月(4)
- 2009年3月(4)
- 2009年2月(3)
- 2008年11月(1)
- 2008年10月(2)
- 2008年9月(2)
- 2008年6月(1)
- 2008年5月(1)
- 2008年4月(1)
- 2007年11月(1)
- 2007年10月(2)
- 2007年9月(2)
- 2007年5月(2)
- 2006年11月(1)
- 2006年10月(3)
- 2006年9月(1)
- 2006年5月(2)
- 2006年1月(1)
- 2005年11月(1)
- 2005年10月(2)
- 2005年9月(2)
- 2005年5月(1)
- 2005年4月(1)
- 2005年1月(1)