パールボウル2019: LIXIL DEERS戦の見所
2019/05/13
パールボウルのブロック予選は、いよいよLIXIL DEERS(以下、LIXIL)とのブロック代表(1位)を賭けた一戦を向かえます。共に同ブロックの電通キャタピラーズ(以下、電通)に勝利しての対戦となるため、この試合に勝利したチームのブロック1位通過が確定します。BigBlueが勝利すれば、4年連続4回目の準決勝進出ですが、対するLIXILも現在のブロック形式の対戦形式になった2014年以降毎年ブロック1位通過をしており、どちらのチームにとっても負けられない対戦となります。
昨シーズン2勝4敗でリーグ戦を終わり、Japan X Bowlトーナメントワイルドカードでも、東京ガスクリエイターズにオーバータイムで敗れ、今シーズンはX1 Areaに入るLIXIL。20年振りに復帰した、高野元秀ヘッドコーチを中心に進める、チーム再建の第一歩がこの春のパールボウルとなります。先の電通戦では、新加入のQB#11石井選手がオフェンスをリードし、2TD/2FGと上々のスタート。一方、大きく選手が入れ替わったディフェンスも、キャプテンのDL倉持選手を中心に、ベテランLB佐藤選手やLB染谷選手にルーキーのDL有藤選手やLB篠原選手等が活躍する、こちらも好スタートを切りました。この試合ではさらにチーム力をアップして臨んでくることが予想され、3年前のパールボウル決勝戦以上の激戦が予想されます。
オフェンスの見所
電通戦では、前半をQB#2政本選手、後半をQB#3クラフト選手が担当するような形になりましたが、正直消化不良の印象は否めません。QB#2政本選手は、3Q序盤までオフェンスをリードし、結果的にこの試合全ての得点となる2TD/1TDランを獲得しました。その後登場したQB#3クラフト選手ともに、パス成功率は75%、パッシングヤードは166ヤードと80ヤードと十分合格点ですが、さらに厳しさを増すLIXILディフェンスに対しては、ここぞと言うときに確実にパスを通す決定力を磨かないと、オフェンスは厳しい試合になりそうです。その為には「QB#2政本-WR#84近江」という、新しいホットライン確立の兆しも見えてきており、後半活躍したルーキーのWR#83遠藤選手、WR#85鈴木選手という「#83-#84-#85連番トリオ」の活躍が、この試合の見所になるでしょう。
レシーバー陣の活躍の中では、TE#88細谷選手のプレーも光りました。TE#40スタントン選手に続く、計算出来るインサイドレシーバーとして、その体格を生かしたRAC(ランアフターキャッチ)は、スタントン選手以上の迫力があり、この試合でも活躍が期待されます。TEとしては、ルーキーのTE#9小川選手、TE#81松岡選手も出場し、それぞれ1回のレシーブをしてXリーグデビューを果たしました。今シーズン、多くの選手が入れ替わったLIXILディフェンスの中でもDB陣は変化が大きいため、TE陣の思い切りの良いプレーで先ずは勝利への糸口を掴みたいところです。
オフェンスの中であえて課題を言えば、ランプレーと言えるでしょう。電通戦ではRB#19鈴木選手を軸として試合に臨みましたが、22回で78ラッシングヤードという結果には不満が残ります。RB#19鈴木選手(4回21ヤード)とQB#2政本選手(4回22ヤード)の二人でラッシングヤードの半分以上を占めており、物足りなさを感じます。2年目のRB#47山中選手が、5回15ヤードと記録的には不満がありますが、相手に突進して走路を開くその走りには、今シーズンの期待も膨らみます。全体的には、ランナーの責任と言うよりは、オフェンスとしてプレーのタイミングがまだ合っていない印象があり、一月ほどでどれだけその課題解決出来たか、この試合で大いに注目されます。
ディフェンスの見所
結果的に無失点で試合を終えたものの、相手の3回のFG機会のうち、2回のキックは相手のミスから失敗したものであり、そういう意味では「運が味方した試合」とも言えます。運を手繰り寄せるのも実力のうちではありますが、相手のパスオフェンスには対応出来ていたものの、QB#4多川選手のスクランブルも含めて、ランプレーに対しての対応に課題が見られ、それをどこまで修正してLIXILに対することが出来るか注目されます。実際前節LIXILのオフェンスは、パス成功率は48%と低かったものの、ランプレーが好調。RB#39大野選手は、一人で8回68ヤードを走り、2TDを奪う活躍を見せ、BigBlueディフェンスとしても、この大野選手とRB#34宮山選手二人のベテランに注意が必要です。
LIXILは、前回の電通戦では、新加入のQB#8石井選手にオフェンスに託しましたが、この試合では大黒柱のQB#9加藤選手が出場するのか、あるいはQB#12大和田選手、QB#13馬島選手も含めた、マルチな攻撃を展開してくるか予想がつきません。ただ、QB-WRは昨シーズンから余り変化が無く、BigBlueディフェンスとしては注意が必要です。特に電通戦で活躍した、WR#83石毛選手、WR#15田邊選手にはこれまでも苦しめられており、DB陣とのマッチアップが鍵になります。今シーズンも競争が厳しいBigBlue DB陣ですが、その競争意識が上手くプレーに反映されれば、ぐっと勝利を引き寄せるはずです。
さらに、春のシーズンでは、BigBlueディフェンスの守護神、DL#34ブルックス選手とDL#92トゥアウ選手が不在の中、昨年のバイスキャプテンDL#98森田選手を筆頭に、ベテランらしい確かなプレーを見せる、DL#93佐久間選手、DL#95樫本選手、二年目のDL#90遠藤選手、DL#96植村選手、DL#99五十嵐選手、そして昨年の練習生から2年振りにフィールドに戻ってきたDL#91蛭田選手と、90番台のメンバーが活躍しまた。その勢いがこの試合でも前回以上に発揮され、いかにLIXIL OL陣を切り崩していくかが、ディフェンス一番の見所と言って良いでしょう。
試合の見所
シーズン2試合目にして、リーグ屈指の強豪チームとの対戦となるこの試合は、今シーズンのBigBlueを占う重要な試金石となります。対するLIXILにとっても、今シーズンX1 Areaを制して最短でX1 Superへ昇格するためにも、大きくメンバーが入れ替わった新チームの実力を測る重要な機会になります。特に大きく入れ替わったLIXILディフェンスに対して、BigBlueオフェンスがどこまで対応して、持ち前のオフェンス力を発揮できるか、前節で見えた課題解決を確認する重要な機会になります。その中でも、ランプレーでどれだけの成長が見せられるか、OL/RB陣の活躍には注目です。
一方のBigBlueディフェンスは、DL陣が活躍して電通にプレーをさせませんでしたが、今回の対戦相手LIXILはそうはいきません。パワーだけでは無く、スピードとテクニックでも相手を上回ることが出来ないと勝負になりません。さらには、プレーを左右に振るだけで無く、スクリメージラインの前後やタイミングをずらしてボールを持ち込むなど、昨シーズンもクレバーなプレーに翻弄されました。DL陣のラッシュは勿論、その後ろに控えるLB陣の機動力をどれだけ発揮できるかで、試合の流れは大きく変わります。電通戦では課題が見えた、ランプレー対策がどこまで通用するかが、勝敗を決める鍵になりそうです。 Go BigBlue!
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