2023 第四節: 胎内ディアーズ戦の見所
2023/10/14
今シーズンも開幕から三連勝を飾り、他チームの結果もありディビジョン3位以上が確定したBIG BLUE。ライスボウルトーナメント進出も決まった第四節の対戦相手は、昨シーズンも対戦した胎内ディアーズ(以下、胎内)です。前節の胎内は、エレコム神戸ファイニーズ(以下、エレコム神戸)と対戦。前半は13-0とリードして折り返すも、後半にエレコム神戸の反撃を受け、16-16の同点引き分けに持ち込まれた惜しい結果となりました。胎内はこのBIG BLUEとの試合も含めて、残り2試合で勝点を得ないとトーナメント進出も厳しくなるため、この試合に向けて入念に準備をしてくると思われ昨年以上の熱戦が予想されます。
胎内は昨シーズン復帰したQB#9加藤選手が、リーグ戦でもオフェンスをリードして来ましたが、前節のエレコム神戸戦途中からQB#12大和田選手へ交代したため、この試合ではどちらのQBが中心になるか注意が必要です。BIG BLUEの試合に続いて開催された為雨天の影響もあり、前節の胎内オフェンではラン中心の構成となりましたが、この試合では以前のようにパスの比率が上がると予想されます。ディフェンスでは、ランディフェンスに強みを持ちスクリメージラインの守りは厚みがありますが、その分パスディフェンスではミドルからロングパスに対して守りが手薄になる傾向が感じられ、BIG BLUEオフェンスとしてはこの辺りの攻めを中心としたゲームプランが想定されます。
オフェンスの見所
ここまでのBIG BLUEオフェンスは、QB#2政本/QB#10 Viramontes二人のQBを一つのシリーズの中でもシームレスに登用することで、オフェンス力を最適化し安定感も増しています。QB#10 Viramontes選手は、当初その体格を生かしたスクランブル能力が注目されましたが、パス能力に関してもその体格が有利に働いています。例えば前節のアサヒビールシルバースター(以下、アサヒビール)戦では、タックルを受けて体勢が不利になりながらも、砲丸投げのような短く素早いスローから20ヤード30ヤードのパスを通しており、これは大きな武器になるでしょう。ラッシュを受ける分、目の前のスペースは空く事が予想されるので、レシーバー陣とのタイミングを計りどれだけ素早くターゲットを見極められるかが、次の試合迄の課題になるでしょう。ラッシュを受けて不利な形勢になっても、一気に逆転するQB#10 Viramontes選手のプレーは見所の一つになるはずです。
ランプレーでは、この試合もRB#28加藤選手のプレーに注目です。3試合迄のラッシング記録ではQB#10 Viramontes選手が上位ですが、アサヒビール戦では18回93ヤードを走り、試合のリーディングラッシャーとなりました。180cm/90kgという体格を生かした当たり負けしないパワフルなランプレーが魅力ですが、真っ直ぐ縦に駆け上がる場合でも微妙にステップに緩急を付けたチェンジオブペースの走りで相手のタックルを外す器用さもあり、またスピンで相手を去なすテクニックもあり、この試合でも活躍が予想されます。胎内にも、ラッシングランキング3位のRB#24川村選手が活躍しており、地上戦ではこの二人の突進力対決が大きな見所になるでしょう。
得点力の点では、K#11福岡(勇)選手の活躍も見逃せません。ここまで各試合1回ずつフィールドゴール(FG)機会があり、残念ながら二戦目のエレコム神戸戦では失敗しましたが、成功した二回のFG機会はいずれも2Q終了直前のキックで、かつ距離も50ヤードと雨中の44ヤードという難しいキックを成功させています。特に前節の44ヤードFGは、やや押され気味だった前半を逆転リードして折り返す貴重な得点になり、後半に向けてチームの士気を上げる貴重なキックになりました。また、ここまで14回のトライフォーポイント(TFP)でのキック機会があり、その全てのキックが成功しており、今後接戦が予想される試合展開の中では重要な戦力と言えます。ここまでBIG BLUEオフェンスが好調なために、FG機会が少ないという事もあり、だからこそFGの場面となった場合には注目です。
ディフェンスの見所
初戦は4TD/28失点、二戦目は3TD/21失点とやや失点の多さが気になったBIG BLUEディフェンスですが、前節では1TD/7失点に押さえかなり満足出来る内容だったと言えます。失点したTDシリーズにしても、パントプレーの失敗からゴール前24ヤードからという厳しい状況からのスタートとなり、これは仕方のない部分もあったと思います。それ以外の相手のオフェンスシリーズ9回は、シリーズ終了がパントが5回、パスインターセプトが2回、4thダウンギャンブル阻止が1回、そしてFGブロックが1回とほぼ完璧な内容でした。しかも、その中で最も自陣内深く攻め込まれたのは、FGキック時のゴール前27ヤードのシリーズであり、所謂レッドゾーンと呼ばれるゴール前20ヤード以内への進入はTDのシリーズ以外では許しておらず、今シーズンのBIG BLUEディフェンスの力強さが伺えます。
好調さの原動力の一つは、アサヒビール戦から試合に参加したDL#6 Onyechi (愛称"CJ")選手と、DB#37 Stewart選手の二人です。DL#6 CJ選手は、最前列のディフェンスライン(DL)というポジションながら、QBへのラッシュは勿論、後ろに下がってのパスカバー、さらには左右のオープンプレーへのサポートタックルと、DLとは思えない広い守備範囲が魅力で、彼のパワフルなタックルプレーは見所の一つ。もう一人のDB#37 Stewart選手は、大型ディフェンスバック(DB)としてスピードもあり、アサヒビール戦でも終盤TDを狙ったパスをキャッチ直前でカットするなど活躍しました。胎内戦では、WR#11前田選手、WR#3井上選手といったメインターゲットとのマッチアップが注目されます。
この二人以外にも、新加入選手の活躍が目立つのがここまでのBIG BLUEディフェンス好調の理由でしょう。中でもDL#31菊池選手の存在感は大きく、QBへのプレッシャーはこの試合でも胎内オフェンスライン(OL)を苦しめるでしょう。また新加入選手に刺激されて若手の活躍が目立つのがDB陣で、DB#24岸野選手、DB#27田尾選手、DB#29米田選手と前節も活躍した選手のプレーが注目されます。DB#27田尾選手は試合を決定づけるパスインターセプトを見せましたが、その前にはベテランDB#5小阪田選手がパスインターセプトをして、そこから前半最後に逆転をするK#11福岡(勇)選手のFGに繋がったように、ビッグプレーが期待されます。パスインターセプトからリターンTDを奪う、所謂「ピックシックス(Pick Six)」が生まれれば、オフェンスにも好影響を与えるでしょう。
試合の見所
新QBが加入しシステムとして昨年から大きく変化したBIG BLUEオフェンスですが、ここまでの3試合の内容を見る限りでは良い連携(シナジー)が生まれ成功していると言えます。ただ、4試合目ともなれば相手チームも対策を準備する時間も有り、油断できません。QB#10 Viramontes選手のイメージが強いため、今シーズンのBIG BLUEオフェンスはランオフェンス傾向と感じがちですが、全体の比率ではやはりこれまで同様パスオフェンスがBIG BLUEオフェンスの中心であり、この試合でもまずはテンポ良くオープニングドライブを進めて先制点を取り、そこからさらに点差を広げていくゲームプランが望まれます。チームのレシーバーでは、ルーキーのWR#81糸川選手がリーグランキング8位に入り学生時代を彷彿させる活躍を見せており、彼のプレーはオフェンスの見所の一つになるでしょう。またランプレーでは、RB#28加藤選手のプレーは勿論、ベテランRB#4鈴木(恵)選手の小気味良いカットバックプレーも魅力で、こちらも見所の一つになります。
ディフェンスでは、やはりDL#6 CJ選手とDB#37 Stewart選手、二人の活躍に注目です。前節の試合は雨の中の試合という事もあり、日頃の練習とも異なり慣れない部分にも多く遭遇したと思います。2試合目にもなれば、試合感も戻り前節以上の好プレーが期待されます。第三節終了時点でディビジョン4位以上が確定したBIG BLUEも含めた4チーム(富士通、パナソニック、オービック)の中では、BIG BLUEの総失点数は56点で他チームの倍以上あり、更なるディフェンス力の強化は必須です。ランディフェンスでは、3試合で44回/100ヤードの喪失と十分に機能していると言えます。バスディフェンスも、喪失ヤードは690ヤード(平均230ヤード)と多く感じますが、パス成功率は48%と半分以下に抑えており、この試合でもLB/DB陣のパスディフェンスが見所になるでしょう。
この試合に勝利して四連勝(勝点12)となれば、ディビジョン2位以上が確定し、ライスボウルトーナメントでホームゲームが可能になります。昨シーズンは、その優位性を生かせずにトーナメント初戦で敗れてしまいましたが、今シーズンはトーナメント戦をしっかり勝ち進むためにも、先ずはこの試合で一つの結果を見せて欲しいと思います。
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