あるOBの呟き- 第四節: vs 胎内ディアーズ戦

2023/10/23

昨シーズン同様連勝でリーグ戦を勝ち進むBIG BLUE。第四節の対戦相手は、昨シーズンも対戦をした胎内ディアーズ(以下、胎内)です。昨シーズンの胎内との対戦では、先制点を許したものの、2QにBIG BLUEが逆転をして点差を広げて勝利しました。胎内は前節のエレコム神戸ファイニーズ(以下、エレコム神戸)戦では、前半を13-0とリードして折り返しますが、後半になるとエレコム神戸の反撃が始まります。そして4Q中盤に16-16の同点に追いつかれると、そのまま引分けで試合終了となる悔しい結果に終わりました。今回はライスボウルトーナメント進出のためには、この試合も含めて残り2試合を落とせないため、昨年以上の熱戦が予想されます。

胎内のオフェンスは、RB#24川村選手のランアタックが効果的で、丁度BIG BLUEにおけるRB#28加藤選手的な存在と言えます。ラッシングランキングでは2位に入っており、まずはRB#24川村選手のラン対策が課題になります。ここまでの3試合でのBIG BLUEディフェンスは、ランに対しては44回/100ヤードとランディフェンスに成功しています。この勢いをどれだけ維持出来るかが、勝敗を左右するでしょう。オフェンスでは、二人のQBによるアップテンポなシリーズ構成が機能しており、この試合でもその状況は変わらないでしょう。特に今シーズン加入したQB#10 Viramontes選手は、当初はその体格を生かしたパワフルなスクランブルが注目されましたが、前節からパス能力の高さも見せ始めており、だんだんとチームスタイルに馴染んできている様子が伺えます。前節の雨の試合と事なり、今回は天候に問題は無いためこれまで以上にパスオフェンスの展開が生まれるかもしれません。コイントスの結果後半の選択権を選んだBIG BLUEのキックオフから試合が始まります。
 

好守ともにちぐはぐな前半

K#11福岡(勇)選手のキックオフはゴールライン手前で外に出たため、胎内は自陣35ヤードからの攻撃を選択。QB#12大和田選手が登場し、最初の攻撃シリーズが始まります。RB#24川村選手の9ヤード前進に続き、その川村選手へのパスでファーストダウンを更新します。その後もQBキープで敵陣に入ると更に前進。しかしRB#32樋山選手のランをDB#1中谷選手が強烈にタックルしその後のパスも失敗したため、胎内は4thダウンで50ヤードのフィールドゴール(FG)をK#14青木選手が狙います。このキックは距離が足らず失敗となりディフェンスが勝負に勝ちます。続くBIG BLUE最初の攻撃は、RB#28加藤選手へのパスで4thダウン1ヤードに。一度はギャンブルでファーストダウンを狙いますが、フォルススタートの反則で罰退したため、K#16近藤選手のパントに変わります。

続く胎内の攻撃をディフェンスライン(DL)の厳しいラッシュでパントに押さえると、BIG BLUE 2回目の攻撃。RB#28加藤選手のオフタックルランでこの試合初めてのダウン更新をすると、続けてTE#40 Stanton選手へのパスでダウンを更新します。リズム良くゴール前19ヤードまで進みますが4thダウンとなり、K#11福岡(勇)選手が登場して36ヤードFGを狙います。距離に問題は無かったものの、キックは右に外れて失敗。どちらのチームも攻め手に欠ける攻撃が続きます。胎内はQBをQB#0島津選手に交代。RB#32樋山選手のランでダウンを更新すると、QB#0島津選手のキープで更にダウンを更新して、2Qに入ります。サイドが変わると、RB#24川村選手がオープンを一気に駆け上がりゴール前18ヤードまでボールを進めます。更にRB#40千代選手が13ヤードボールを進めると、最後はQB#0島津選手がQBキープでボールをエンドゾーンに運び込み先制点を奪います。

K#14青木選手のキックオフで、試合は再開されます。リターナーに入ったのは、DB#37 Stewart選手。エンドゾーン手前でボールをキャッチすると、リードブロッカーの位置を確かめるように右オープンに駆け上がり、スピードで胎内のタックラーを振り切り56ヤードのビッグリターンでボールを敵陣43ヤードまで運びます。BIG BLUEオフェンスは、QBがQB#10 Viramontes選手に交代。RB#4鈴木(恵)選手のランの後、パスがWR#85鈴木(隆)選手へ通ると、タックルを振りほどきランアフターキャッチ(RAC)で一気にゴール前16ヤードまでボールを運びます。次のTE#40 Stanton選手へのパスは、一度はTDとコールされたもののビデオ判定の結果落球していたと判断されて失敗。しかし次のプレーでは、ラッシュから逃げながら投じたパスを、ディフェンスバック(DB)の背後から奪い取るようにWR#85鈴木(隆)選手がキャッチし、同点となるTDを奪います。

これでリズムを掴んだと思われましたが、次のK#11福岡(勇)選手のキックオフを、RB#24川村選手がキャッチすると、スピードで一気にキックカバーチームを抜き去ります。辛くもK#11福岡(勇)選手が外に押し出しますが、55ヤードのキックオフリターンを許し、敵陣38ヤードから胎内の攻撃が始まります。ビッグプレーでやや混乱したのか、胎内はディレーオブザゲームの反則で5ヤードの罰退。1stダウン15ヤードとなります。しかしQB#12大和田選手は、落ち着いてランフェイクを入れてタイミングを計ると、ダウンフィールドでフリーになったWR#11前田選手へパスが成功。追撃するDB陣を振り切り、そのままエンドゾーンに飛び込みTDを奪います。同点に追いついた直後に1プレーで逆転を許してしまい、試合は7-14と再び胎内がリードします。

続くBIG BLUEの攻撃は、QB#10 Viramontes選手がロスタックルを受けて大きく後退しパントで攻撃権が移動します。代わりにモメンタムを掴んだ胎内は、RB#24川村選手のランで敵陣に入るとWR#11前田選手への20ヤードパスで更に前進。レッドゾーンに入ると、RB#40千代選手のランが止められず続けてボールを運び、ゴール前2ヤードでDB#24岸野選手が辛くもタックルして止めますが、ファーストダウンを更新します。再びピンチを迎えたBIG BLUEディフェンス。エンドゾーンを目指して縦に切り上がるRB#40千代選手にディフェンスが集まり前進を止めると、更にボールを掻き出しファンブルを誘発。これをLB#57寺林選手が拾い上げて確保し窮地を救います。

残り3分弱からのBIG BLUEの攻撃。何としても同点にして折り返したいBIG BLUEは、QB#10 Viramontes選手がまずはWR#86熊井選手へのスクリーンパスでダウンを更新。再びWR#86熊井選手へのパスでダウンを更新すると、今度はRB#28加藤選手へのパスでダウンを更新して敵陣に入ります。残り時間も考えてか、自らのランプレーは封印してパスで前進を目指すQB#10 Viramontes選手は、厳しいカバーの中RB#28加藤選手へパスを通すと、RACで更に前進をして敵陣に入ります。リズムが生まれてきたBIG BLUEオフェンスは、しかし胎内の厳しいパスカバーもあり、再びRB#28加藤選手へのパスとRACでゴール前25ヤードまで進みます。次の1stダウンのプレーは、ターゲットが見つからないQB#10 Viramontes選手が、右に大きくロールアウトしながら一気にエンドゾーンにパスを投げ込みますが、これを胎内DB#8 Hawkins選手がインターセプト。胎内の次の攻撃を30秒ほどで4thダウンパントに追い込みますが、次のBIG BLUEのプレーもパスが繋がらず、前半は7-14とリーグ戦で初めて相手リードで折り返すことになります。
 

4Qで一気に形勢逆転

この試合のテーマとして設定しているものがあるのか、何かこれまでの試合とは攻守ともに雰囲気が違う印象受けるこの試合。3Qは胎内のキックオフで始まり、この試合から復帰したRB#21平松選手が自陣42ヤード迄34ヤードを戻して再開します。QB#2政本選手は、まずTE#40 Stanton選手へのパスで敵陣に入りダウン更新をすると、続く3rdダウンでもTE#40 Stanton選手へのパスで大きく前進します。WR#81糸川選手へのパスは成功しますが、4thダウンで4ヤード残ります。4thダウンギャンブルでRB#28加藤選手へのパスが通りますが、僅かにダウン更新には届かず、胎内の攻撃に変わります。QB#12大和田選手はパスで敵陣に入ると、RB#24川村選手が更にボールを進めてリズムを掴みます。しかしディフェンスも踏ん張りゴール前29ヤードで4thダウンになり、再びK#14青木選手が登場すると、46ヤードFGを狙います。問題ない距離と思われましたが、今回も距離が足らずFGは失敗。追加点はならず、攻撃権がBIG BLUEへ移動します。

自陣29ヤードからのBIG BLUEの攻撃は、QB#2政本選手のランで7ヤード前進。パス失敗の後の3rdダウン3ヤードでは、ハンドオフを受けたRB#4鈴木(恵)選手が中央を抜けてファーストダウンを更新しますが、その直後に激しいタックルを受けるとボールをファンブル。DB#10中山選手がボールをリカバーし、BIG BLUE陣内41ヤードで胎内のファーストダウンが始まります。QB#12大和田選手は、2QのTDを奪ったWR#11前田選手へのパスと同じプレーを繰り返しますが、今度はDB#5小阪田選手が手前に入り、そのボールをインターセプト。1プレーで攻撃権を奪い返します。

BIG BLUEのオフェンスはQB#10 Viramontes選手がスクランブルで7ヤード前進。その後は、RB#28加藤選手がダウン更新のランを続けて敵陣にはいります。RB#28加藤選手のランでダウン更新をしたと思われましたが、ホールディングの反則で10ヤードの罰退。2ndダウン15ヤードとなると、QBがQB#2政本選手に交代します。当然パスが予想される中、QB#2政本選手はWR#18井上選手へ8ヤードパスを通すと1プレーでQB#10 Viramontes選手へ交代。3rdダウンではTE#40 Stanton選手へパスが成功しますが、2ヤード残ります。4thダウンギャンブルはRB#28加藤選手のダイブ。タックルを受けながらも5ヤード進みダウンを更新します。この後のパスが失敗したところで、試合は4Qに入ります。

4Qに入るとQBは再びQB#2政本選手へ交代。最初のパスはラッシュを受けて投げ出し失敗。3rdダウン10ヤードでは、WR#86熊井選手へ8ヤードパスが成功し、さらにダウン後のレイトヒットの反則でハーフディスタンス前進し、ゴール前11ヤードでファーストダウンを獲得します。左コーナーを狙ったパスは、WR#18井上選手がギリギリでキャッチしたかに見えましたが、残念ながらアウトオブバウンズで失敗。しかし同時にディフェンスのホールディングが発生していたため、ノープレーとなりハーフディスタンス前進をしてゴール前5ヤードから1stダウンの攻撃となります。TE#40 Stanton選手へのパスは失敗しますが、2ndダウンでは右にロールアウトしたQB#2政本選手からエンドゾーン奥にフリーとなったWR#86熊井選手へTDパスが成功。4Q序盤に14-14と同点に追いつきます。

まだまだ安心出来る状態ではありませんが、ここから試合の雰囲気が変わります。QB#0島津選手のQBキープでのダウン更新は許しますが、RB#24川村選手のランをDL#31菊池選手がゲイン無しで止めると、LB#57寺林選手が-7ヤードのQBサックで後退。4thダウン11ヤードとなりパントで攻撃権が移動します。自陣16ヤードからのBIG BLUEの攻撃は、RB#4鈴木(恵)選手の5ヤードオープンランの後、QB#2政本選手からTE#40 Stanton選手へダウン更新のパスが成功。次のプレーでは中央奥に走り込んで来たWR#80小鳥居選手へ18ヤードパスが成功し敵陣に入ります。次のプレーではRB#4鈴木(恵)選手へのスクリーンパスが通ると、OL#69高橋選手のリードブロックの横を抜けて、スピードで更に前進をしてゴール前27ヤードでファーストダウンを更新します。QB#2政本選手は、一度はレシーバーを探しますが、ラッシュを受けて左オープンへ抜けると、そのまま27ヤードを走りきりTDを奪います。K#11福岡(勇)選手のトライフォーポイント(TFP)キックも成功し、この試合初めて21-14と逆転をして試合をリードします。

キックオフを大きく戻して、胎内の攻撃は自陣45ヤードから開始。胎内は、それまでのランプレー中心の攻撃からパスへシフトし、これが功を奏して敵陣に入ります。短いパスをRB#24川村選手へ通すと、RACで大きく前進。ゴール前30ヤード迄進むと、立て続けにWR#84井田選手へパスが成功し、じりじりと前進を許していきます。ゴール前14ヤードからの胎内の攻撃は、ディフェンスの粘りもあり4thダウン4ヤードが残ります。QB#12大和田選手は、TDを狙って左オープンに出たWR#84井田選手へパスを投げますが、これを読んでいたDB#37 Stewart選手が手前に入りインターセプト。さらにがら空きとなったサイドライン際を一気に駆け上がり、98ヤードのインターセプトリターンTDを奪い試合を決定づけます。残り43秒からの胎内の攻撃は、DL#6 Onyechi選手のQBサックもありパス失敗が続き交代。残り7秒をニーダウンで消費し、27-14で試合終了となりました。
 

いよいよ正念場の最終節

前身チームの「鹿島ディアーズ」時代から、なかなかリーグ戦では勝てない相手でしたが、今回の試合はそれを彷彿させる内容でした。また、4Q中盤エンドゾーン手前8ヤードまで攻め込まれる状況は、2016年春のパールボウル決勝で、土壇場でTDを奪われて逆転を狙ったTFPのパスをDL#34 Brooks選手がブロックして1点差で優勝した場面が思わず思い浮かびましたが、それを上回るDB#37 Stewart選手のインターセプトリターンTDというビッグプレーで突き放せたことは大きかったと言えます。

結果的に2TDに押さえ、さらには試合を決定づけるインターセプトリターンTDを奪ったディフェンスは、十分合格点の内容だったと言えるでしょう。ただし、これまでの強みであったランディフェンスに関しては、32回166ヤードを許しており、この点に関してはさらに強力なRB陣を有している次節の富士通フロンティアーズとの試合は厳しくなることは確実です。この試合の経験を是非次の試合で生かして、ランディフェンスの完成度を高めて欲しいと思います。オフェンスに関しては、実際には3TDとやや物足りない印象が残ります。RB#28加藤選手のランがこの試合でもよく機能していたので、QB#10 Viramontes選手のこれまでのランプレーと組み合わせれば、もう少し効果的なオフェンスが展開出来たのではと感じます。この試合でのテーマとして、パス優先のプラン設定がされていたのかもしれませんが、それに拘ってプレーを難しくしていた印象も受けます。いずれにしても、ここで得た経験をどれだけ次の試合に繋げられるかが今の課題ですから、次はしっかりと結果の見えるプレーを見せて欲しいと思います。

苦しみながらもこの試合に勝利し勝点が12まで積み上がったため、リーグ内順位は昨年同様2位以上が確定しました。しかし昨年も、四連勝はしたものの最終戦のパナソニックインパルス戦を大差で落とすと、ライスボウルトーナメント準々決勝ではエレコム神戸とのオフェンス戦に打ち負けてシーズンが終わりました。今シーズンこそは、富士通フロンティアーズから悲願の初勝利を勝ち取り、さらにその先に駒を進められるように、次の試合での活躍を期待したいと思います。

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