2024 第六節: 富士通フロンティアーズ戦の見所
2024/11/05
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2024リーグ戦も、いよいよ最終第六節。前節富士フイルム海老名ミネルヴァAFC(以下、富士フイルム海老名)の試合を、残り5秒からのK#11福岡(勇)選手の18ヤードフィールドゴール(FG)で何とか同点に追いつき、17-17の引分けに持ち込んだことで、リーグ戦8位以上が確定しライスボウルトーナメント(RBT)進出を勝ち取ったBIG BLUE。しかしここまでの対戦成績は、2勝2敗1分と決して満足出来るものでは無く、この最終戦で勝利して勝ち越してリーグ戦を終了することが、RBTに向けての大きな弾みになるはずです。その重要な最終節の対戦相手は、ここまで全勝でリーグ戦を勝ち抜き、ほぼ全ての試合を20点差以上の大差で勝利している、昨シーズンのX1 Super優勝チーム、富士通フロンティアーズ(以下、富士通)です。
今シーズンの富士通は、春のパールボウルトーナメントでは準決勝でオービックシーガルズ(以下、オービック)に敗れますが、秋のリーグ戦までには例年通り戦力を整え連勝しています。オフェンスでは、オービックに続き総得点で200点台を維持しており、1試合平均44点の攻撃力を持ちます。QB#18高木選手の堅調なパスオフェンスと共に、RB#2ニクソン選手がリーグトップのラッシング成績を見せており、先ずは強力なランオフェンス対策が注目されます。ディフェンスでは総失点数30点とリーグトップを誇り、ほぼ全てのポジションに全日本クラスの選手が揃うだけに、1試合当たり1TD未満というこちらも鉄壁の守備力を誇ります。さらにここまでの個人記録のうち、ディフェンスのタックル成績みてみると、意外にも富士通の選手は一人もランクインしていませんが、これは全選手が満遍なく実力を発揮しているが故と解釈するべきでしょう。最終戦で重要な1勝を勝ち取りたいBIG BLUEですが、これまでに無く厳しい対戦が待っていると言えます。
オフェンスの見所
前節の富士フイルム海老名戦では、今シーズン初めてランオフェンスで100ヤードを越えましたが、この好調さがどこまで伸びるかがこの試合の鍵であり見所の一つです。もう少しで100ヤードに届く96ラッシングヤードを記録したRB#21平松選手は、やっと彼本来のプレーであるダウンフィールドを小刻みにカットバックで抜けてヤードを稼ぐ走りが戻ってきました。しかし、そのためには強力な富士通DL/LB陣が守るスクリメージラインを突破しなければならず、OL陣やリードブロッカーとの連携はこれまで以上に重要になります。RBが通過するその瞬間に合わせて走路を開けさえすれば、後はどのRB選手も地力でゲインする能力はあるだけに、いかにしてその最初の関門を通過させるかが重要です。そう言う意味では、全日本クラスの選手が揃う富士通DL陣との対決は、OL陣にとって今シーズンで最も厳しい試合になるでしょう。
パスオフェンスでは、一気にダウン更新するロングパスも増えてきましたが、この試合ではそこまでの余裕を持たせてくれる機会は少ないと思った方が良いでしょう。これまで以上に、早いタイミングでのショートパスも組み入れて、いかに自分達の攻撃のリズムを作ることが出来るかが鍵になります。まずは対戦経験も豊富なQB#2政本選手が、BIG BLUEとしてのオフェンスの流れを1Qから生み出し、得点に繋げることが出来るかが見所になります。前節での終盤の追い上げで、WR#85鈴木(隆)選手、WR#84近江選手、WR#80小鳥居選手、WR#86熊井選手とタイミングよくパスが通るシーンが続きましたが、あの流れをこの試合でも最初から最後まで続けることが出来るかどうかが、勝利への鍵になります。特にレシーバー陣にとっては、厳しいマークに激しい球際の鬩ぎ合いが毎回発生すると思われ、どれだけボールに集中して相手を上回る事が出来るか試される試合になるでしょう。
得点に関しては、これまで以上に厳しい状況が予想されるだけに、K#11福岡(勇)選手の活躍は特に注目です。レッドゾーン(ゴール前20ヤード以内)は勿論、30ヤード付近からでもFGでの3点は確保し、オフェンスシリーズが必ず得点で終わる流れを確立するのが目標になります。今季リーグ戦での最長FGは、初戦のオール三菱ライオンズ戦での50ヤードFGになりますが、今シーズンはそれよりも短い距離でも失敗するケースがあり、試合までにどれだけ精度が上げられるか注目されます。試合会場は同じ富士通スタジアム川崎で蹴り慣れている環境だけに、これまでよりは余裕を持ってプレーをする事が出来るのではと期待されます。今シーズンの成績は、本人としても満足していないと想像されるだけに、この試合でのキッキングゲームには注目したいところです。
ディフェンスの見所
ここまでランディフェンスに関しては、十分に合格点で試合を進めてきたBIG BLUEディフェンスですが、前節の試合ではRB#0ウィリアム選手に139ヤードを許し、試合の流れを厳しいものにしてしまいました。決してタックルが届いていないわけでは無いのですが、外国人ランナー特有のステップワークで、一瞬タックルがずらされているように見えます。今回の富士通にも、現在リーグのリーディングラッシャーであるRB#2ニクソン選手がおり、前節以上にランディフェンスは重要になります。決してスピードでスクリメージラインを抜けてくるのでは無く、逆にスクリメージラインの手前で止まって空いてくる走路を見極め、そこに飛び込んだ後はスピードとカットバックで抜き去るテクニックにどう対応するか見所になるでしょう。QBにプレッシャーを掛けるためにはラッシュが必要ですが、かと言ってすれ違いでスクリメージラインを抜けられるリスクも増えるわけで、瞬時のプレーの見極めが要求されます。
QB#18高木選手のパスオフェンスは、QBのパッシングヤードのランキングではリーグ4位ですが、5試合で1,000ヤードを越えており十分に脅威です。ターゲットには、WR#4グラント選手とWR#25坂本選手がレシービングランキングに登場していますが、WR#81中村選手、WR#85松井選手等、日本トップクラスのレシーバー陣が揃っており、どのターゲットにも投げ分けてくるため、DB陣のマッチアップが注目されます。強力なパスプロテクションから余裕を持ってフィールド奥に投げ込むパスが増えると予想されるため、スピードと高さでも勝負出来る、DB#3ダラペ選手、DB#37スチュワート選手二人の活躍には、これまで以上に期待が高まります。左右への広がりとともに、前後の奥行きも広がる富士通のパッシングオフェンスだけに、その間隙を埋めるDB陣LB陣の活躍にも注目です。
ディフェンスを有利に進めるためにも、相手の攻撃開始位置を出来るだけ奥にする必要があり、そのためにはキックオフカバー、パントカバーの役割はこれまで以上に重要になります。今シーズンはカバーチームが素早くタックルをするシーンも多いのですが、リターナーとして想定されるWR#4グラント選手、WR#11木村選手は、上手く密集をすり抜けて一気にエンドゾーンまで戻す能力があるため、カバーチームの役割は重要になります。更にパントキックにおいては、P#16近藤選手による芸術的なパントが、これまで以上に期待される試合になる事は言うまでもありません。
試合の見所
リーグ戦で最も困難な試合になる事は確実ですが、既に今シーズン一度オービック戦で「吹っ切れた試合」を実現している今シーズンのBIG BLUEだけに、期待値は決して小さくありません。富士フイルム海老名戦の試合後にマイクヘッドコーチは「(17得点をした)最後の8分間の試合を、最初から実行しよう」と檄を飛ばしていましたが、過去の試合でも、終盤に一気呵成に攻め込み逆転に繋がる試合が少なくありませんでした。土壇場で吹っ切れた事で雑念が無くなり、「火事場の馬鹿力」的な力が出せるのかもしれませんが、厳しいシーズンを勝ち抜くにはそういう「運任せ、天任せ」に頼ることも出来ません。シーズン最後の試合ではありませんが、まずは今シーズン目標としてきたプレーを全選手が試合の最初から最後まで遂行する事が出来るか、チームとして今シーズンの真価が問われる試合になるでしょう。
オフェンスは、オープニングドライブから得点に繋げてシリーズを完遂する強い気持ちが最後まで続けられるかが重要になります。春の試合ではQB#2政本選手が不在だったため、QB#15平岡選手が一試合オフェンスを指揮しました。残念ながらFGの3得点だけでしたが、まだ慣れないチームの中最後まで前を向いてプレーをした姿は、今一番必要な要素かもしれません。1ヤードでも「前へ」という気持ちを是非見せて欲しいと思います。ディフェンスは、ラン・パスともにこれまで以上に厳しいプレーが予想されます。やはりQBに対してどれだけプレッシャーを掛けられるかとともに、オフェンスの鍵となるランオフェンスにどれだけ対応出来るかが重要です。前節では200ヤード近くのラッシングヤードを許しましたが、これをどれだけ減らせるかが注目されます。リーグ戦最後の試合として、それに相応しい内容の試合を期待したいと思います。
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