あるOBの呟き- RBT準々決勝: vs 富士通フロンティアーズ戦

2024/11/29

2024リーグ戦を2勝3敗1分の8位の結果に終わり、滑り込みでライスボウルトーナメント(RBT)進出を獲得した今シーズンのBIG BLUE。RBT初戦は、その最終節で対戦した富士通フロンティアーズ(以下、富士通)との再戦です。今シーズンのBIG BLUEは、オービックシーガルズ(以下、オービック)から7年振りの勝ち星を勝ち取る一方、これまで無敗であった東京ガスクリエイターズとSEKISUIチャレンジャーズには初黒星を喫するなど、出入りの激しいリーグ戦となりました。ディフェンスは、最終節の富士通フロンティアーズ(以下、富士通)戦でこそ63失点となりましたが、それ以外の5試合では平均16失点と、まずまず合格点と言えます。一方でオフェンスは奮わず、オール三菱ライオンズとオービック戦での24得点が最多得点であり、それ以外の試合では苦労した印象が残ります。この二週間でどれだけ対策を準備しこの試合で生かせるか、チームとして真価が問われる試合になるでしょう。

リーグ最終節のBIG BLUE戦に14-63と快勝した富士通は、総得点で282点と最多得点を記録し、失点でも44失点と最少失点を記録。どちらもリーグトップの成績で締めくくりました。昨シーズンまでリーグチャンピオン三連覇をしている実力を、遺憾なく発揮したと言えます。QB#18高木選手のパッシングオフェンスは、盤石なOL陣に支えられて昨年以上に安定しています。ランオフェンスでは、RB#2ニクソン選手が活躍しており、ラン・パス共にどれだけスクリメージライン上での勝負に勝てるかが鍵になりそうです。富士通ディフェンスでは、中央に位置するDL#0マシス選手のラッシュに前回は苦しめられました。オフェンスの得点としては1TDに終わった前回の反省から、まずはパッシングオフェンスがどれだけ機能するかが勝敗を左右する重要な鍵になります。その為にも、BIG BLUE OL陣と富士通DL陣の対決が注目されます。
 

チャンスを手繰り寄せたスペシャルチーム

RB#20石川選手のキックオフは、プーチキック気味に蹴ったものの外に出て5ヤード罰退。蹴り直しの2回目のキックオフは、正面のLB#6徳茂選手を狙ってリカバリーを狙うものの、これをしっかりとキャッチされ、逆に富士通は敵陣46ヤードからの好機を得ます。そのファーストプレー、ハンドオフを受けたRB#2ニクソン選手は、スクリメージライン左側にOL陣が開けた走路に走り込むと、スピードで左オープンに抜け出し一気にエンドゾーンまでボールを運び先制TD。前回は試合開始のキックオフでWR#4サマジー選手にリターンTDを奪われましたが、今回も1プレーで先制点を許してしまいます。

続くBIG BLUE最初のオフェンスは、キックオフリターン時の反則で後退し自陣13ヤードからと厳しい状況。1stダウンではQB#2政本選手がDL#0マシス選手にQBサックを受け、2ndダウンのWR#18井上選手へのスクリーンパスも相手に読まれて5ヤード後退。3rdダウンではRB#21平松選手のドローで大きく前進しますが、ダウン更新には至らずP#16近藤選手のパントで攻撃権が移動します。富士通はBIG BLUEの反則もあり敵陣26ヤードでダウンを更新。1stダウンのWR#85松井選手へのパスはDB#3ダラペ選手が3ヤードで止めますが、次のプレーは再びRB#2ニクソン選手がハンドオフを受けると、今度は左オープンを回り込み走り出すと、そのまま加速をつけて独走し再びエンドゾーンまでボールを運びます。

何とか反撃の切っ掛けを掴みたいBIG BLUEですが、それが焦りとなったかオフェンスのプレーが落ち着きません。1stダウンのパス失敗の後、2ndダウンのRB#21平松選手へのフラットパスはゲイン無し。3rdダウンではQB#2政本選手がボールを持ちすぎ、QBサックを受けてさらに7ヤード後退します。4thダウンとなりP#16近藤選手が登場。エンドゾーンからのパントキックは敵陣まで伸びますが、これをキャッチしたWR#11木村選手はブロッカーを上手く利用して左から右サイドへ回り込むと、縦に駆け上がり52ヤードのパントリターンTDとなります。

気を取り直して、自陣10ヤードからのBIG BLUEの攻撃。WR#14遠藤選手、RB#4鈴木(恵)選手とパスが通りダウンを更新すると、さらにQB#2政本選手がスクランブルで抜けだし自陣36ヤードまで進み、ファーストダウンを更新します。続く1stダウンのプレーは、QB#2政本選手が右サイドに移動しつつターゲットを探します。ここでDL#53高橋選手のラッシュを受け投じたパスはコントロールミスかDB#7ビーティー選手の正面に飛びインターセプトされます。これで富士通は敵陣23ヤードでファーストダウンを獲得すると、WR#81中村選手へのダウン更新のパスの後、ハンドオフを受けたRB#2ニクソン選手が三度スクリメージラインを抜けだして独走のTD。今回も1Qで4TD/28失点と苦しい序盤となります。

次のBIG BLUEの攻撃は、WR#18井上選手へのパスでダウンを更新すると、RB#4鈴木(恵)選手がQBの位置に入るワイルドキャット隊形から、QB#2政本選手へハンドオフで3ヤードの前進。次はQB#2政本選手が自ら走りますが2ヤードの前進でタックルを受けたところで、2Qに入ります。サイドが代わり3rdダウンでは、パス失敗となり、P#16近藤選手が登場してパント隊形で4thダウンを向かえます。ここでBIG BLUEはスペシャルプレーを見せます。パンターの前に位置したRB#6柴田選手がダイレクトスナップを受けると、左オープンへ走り出します。LB#27田尾選手、WR#80小鳥居選手の好ブロックもあり、左サイドライン際を駆け上がり、一気にゴール前16ヤードまで攻め込みます。これでリズムを掴んだBIG BLUEは、この試合好調なWR#18井上選手へのパスでゴール前5ヤードでダウン更新。ここからQB#2政本選手が自ら飛び込み、待望のTDを奪いますが、トライフォーポイント(TFP)キックは失敗し、6-28となります。

このままモメンタムを掴みたいBIG BLUEですが、富士通はQB#18高木選手からWR#11木村選手へのパスで大きく前進すると、最後はWR#13高津佐選手への35ヤードのパスでTDを直ぐさま奪い返します。続くBIG BLUEの攻撃は、RB#21平松選手が大きく25ヤード戻し自陣32ヤードから。WR#83天田選手へのパス、RB#4鈴木(恵)選手のワイルドキャットからのキープと、ダウンを更新して敵陣にはいります。しかし反則で5ヤード罰退したことが響き4thダウンで3ヤードが残ります。ここではギャンブルを選択しますが、相手に読まれて逆に戻されて攻撃権が富士通に移ります。富士通はWR#17糸川(創)選手へのロングパスで一気にエンドゾーンを狙いますが、これは辛くもDB#3ダラペ選手がゴール前でタックル。しかし残り1ヤードをRB#28香川選手が飛び込み、6-42と更に点差を広げられて前半を終了します。
 

一矢報いるも厚く高い壁

後半はBIG BLUEの攻撃から再開します。QB#2政本選手のランでダウンを更新すると、今度はRB#21平松選手が上手くスクリメージラインをすり抜けて13ヤード進みます。3rdダウンでパス失敗となりますが、相手の反則で敵陣に入りダウンを更新。更に攻撃が続きます。RB#28加藤選手のランで前進するものの、4thダウン4ヤードが残ります。ここでは点差を考えて序盤からギャンブルを選択。WR#84近江選手へのパスが成功し、ダウン更新となります。じっくりと時間を使い流れを掴むオフェンスは、WR#83天田選手がDBと競り合い倒れ込みながらもパスをキャッチしてゴール前5ヤードまで前進します。しかしここから富士通ディフェンスも厳しくなり、4thダウンとなります。QB#2政本選手は、右にロールアウトしながらエンドゾーン手前のWR#86熊井選手へパスを投じますが、コントロールが狂ったか高く外れたパスはその奥にいたDB#1渡邊選手にインターセプトされます。

3Q初めから7分30秒近く消費したBIG BLUEの攻撃の後の富士通最初の攻撃ですが、ディフェンスの厳しいラッシュでランプレーを阻止。3rdダウン1ヤードから富士通はRB#28香川選手が飛び込みますが、これをDL#8森田選手がノーゲインでタックルし、富士通はこの試合初めてK#5納所選手が4thダウンでパントを蹴ります。しかし続くBIG BLUEの攻撃も、1stダウンでQB#政本選手がQBサックを受けて9ヤード後退するとダウン更新に至らず、こちらも4thダウンでP#16近藤選手のパントで交代となります。後半から交代したQB#19鎌田選手からWR#82糸川(幹)選手へのダウン更新のパスで敵陣に入り、さらにRB#26横川選手が4ヤード運んだところで、試合は4Qに入ります。この後富士通はゴール前17ヤード迄進むものの、4thダウンで5ヤードが残ると、P#25坂本選手が登場し34ヤードフィールドゴールを狙います。ここでディフェンスのプレッシャーが効いたのか、このキックは失敗。自陣20ヤードからのBIG BLUEの攻撃に変わります。

このシリーズも4thダウン7ヤードからギャンブルを試みますが、WR#85鈴木(隆)選手へパスが成功しダウンを更新。しかしQB#2政本選手が再びQBサックを受けて7ヤード後退し、自陣29ヤードまで押し込まれます。流石にここからのギャンブルは厳しく、P#16近藤選手のパントで攻撃権が移動します。対する富士通も、後半交代したQB#19鎌田選手のパスが通らず4thダウンパントで終わります。4Qも半分が過ぎてのBIG BLUEの攻撃。何とか得点に繋げたいオフェンスですが、1stダウンでRB#28加藤選手へパスが成功しますが、ダウン更新には1ヤード足りません。パス、ランと前進出来ず4thダウンになると、この試合用に準備してきたRB#4鈴木(恵)選手のワイルドキャット隊形でダウン更新を試みます。しかしここまで何度もプレーを見ている富士通の対応は早く、逆に7ヤード押し戻されてしまい交代となります。敵陣41ヤードからの富士通の攻撃には、3人目のQB#8濱口選手が登場。RB#26横川選手が2回ハンドオフを受けて、3rdダウン2ヤードとなるとその裏プレーとなるQB#8濱口選手のキープが当たり33ヤードの独走TDとなり、ここまで耐えてきたディフェンスが後半初のTDを許してしまいます。

富士通のキックオフを、WR#85鈴木(隆)選手が13ヤード戻し、残り2分9秒からBIG BLUEの攻撃が自陣22ヤードから始まります。RB#21平林選手へのパスでランアフターキャッチが伸び、29ヤード前進して敵陣に入ります。4thダウン2ヤードが残りギャンブルでQB#2政本選手がパスを投じますが、これは失敗。しかし相手のパスインターフェアの反則で辛くもダウンを更新します。QB#2政本選手は、WR#85鈴木(隆)選手へパスを集めると、WR#85鈴木(隆)選手も期待に答えてダウン更新のレシーブを続けてエンドゾーンへと迫ります。WR#85鈴木(隆)選手へのTDを狙ったパスは、ゴール前2ヤードでダウン。QB#2政本選手がダイブで飛び込みますが1ヤードで止められます。既にタイムアウトは使い切っているために、スパイクで時計を止め3rdダウンのプレー。QB#2政本選手は右サイドにロールアウトすると、エンドゾーンで併走するTE#81鞍谷選手へTDパスが通ります。TFPでは、プレーを選択すると、右サイドにスイングアウトしたRB#4鈴木(恵)選手へパスが通り、14-49となります。試合時間は残り11秒ですが、最後のチャンスを狙ってK#11福岡(勇)選手がオンサイドキックを試みます。しかしこれを確保した富士通は、その後のプレーでニーダウンをして時間を進め試合終了となります。
 

来期に向けて価値ある振り返りを

二週間前の対戦と比較して、失点数は減り、得点も14点と変わりはありませんでしたが、オフェンスがドライブをして2TDを勝ち取ったという意味では改善されたとは言えます。しかし、まだまだ力の差は大きいことを改めて感じさせられた試合でした。ただ、1Qの4TDを除けば、2Qから4Qまでのプレーはそれなりの内容で試合を進めており、立ち上がりをどの様にコントロールしていくかが改善されれば勝機を掴むことも出来、それが来シーズンの一番の課題と言えるでしょう。1Qの4TDのうち、3TDはRB#2ニクソン選手が1プレーで運んだと言える内容でした。個人技の高さもありますが、しっかりとOL陣が走路を開けていることも大きく、それは4Qに許したQB#8濱口選手のTDランの時も同様で、高い個人の能力を生かす精確なチームプレーという完成度の高さを再認識した試合でした。ただ、それを言い訳にしていては来シーズンも勝利することは出来ない訳で、勝つためにどうしたらよいのかをこのオフの間に考えないといけません。

その為にも、今シーズン悔しい思い・経験をしたメンバーが出来るだけ多く来シーズンもチームに残り、その思いと経験を共有しつつ、そこから生まれたアイデアを更に膨らませて、チームが変革する切っ掛けを生み出して欲しいと強く感じます。厳しい結果で終わった今シーズンですが、だからこそどうしてそういう結果になったのかという「振り返り」と、どうすればそう言う状況を回避出来たのかという「対策」の、二つの重要な知見が得られるはずです。それは、単にシーズンが終了して次に備えるよりも、来シーズンさらに成長して大きな成果を実らせる原動力になるはずです。不満足な結果で終わったシーズンだからこそ、それを貴重な糧として生まれ変わるBIG BLUEを、来シーズンは見せて欲しいと思います。

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