2021第五節: オール三菱ライオンズ戦の見所
2021/10/25
昨シーズン同様、今シーズンも厳しい試合が続くBIG BLUE。第五節の対戦相手は、オール三菱ライオンズ(以下、オール三菱)です。昨年からの新型コロナウイルスの影響のため、昨シーズンのリーグ戦参加と今シーズンの第四節までの試合を辞退したオール三菱は、この試合が今シーズン初めてかつ2年振りの公式戦となります。これまでのリーグ戦での対戦成績は、BIG BLUEが6勝2敗1分と大きくリードしており、2019年のリーグ戦でもBIG BLUEが66-7と完勝しています。
2年振りの公式戦となるため、その戦力は未知数ですが、毎シーズンのリクルーティングには定評があり、今回は満を持してこの「開幕戦」に臨んでくることが予想されます。ここまでのBIG BLUEの試合内容をじっくりと研究する余裕がある事は有利ですが、その半面やはり2年間の公式戦ブランクは大きいと想像されます。まずは1Q序盤でのオフェンス・ディフェンスをどの様に進めるのか、双方ともにファーストシリーズが注目されます。BIG BLUEにとっては、残り3試合全勝が決勝トーナメント進出のためには大前提となるため、オフェンスならばTDを、ディフェンスならばターンオーバーを奪う、スタートダッシュが必須です。
オフェンスの見所
前節の試合では、3TDを全てパスで奪い復調の兆しが見えてきたQB#2政本選手。4試合終了時点で唯一1000ヤードを超える1097ヤードを獲得し、TDパス数でも富士通の高木選手と並ぶ9TDパスを記録しています。QBの好調さはレシーバー陣の活躍にも影響し、レシービング部門でも2位TE#40スタントン選手(26捕球、305ヤード、2TDレシーブ)、3位WWR#8スミス選手(9捕球、202ヤード、3TDレシーブ)、4位WR#82白根選手(18捕球、193ヤード、3TDレシーブ)と上位を占めています。特にスタントン選手は、トップの東京ガスWR#8ナムディ選手に19ヤード差まで迫っており、残り試合によっては逆転も可能な位置にいます。課題は、そこまでのパッシング記録に結果=得点が追いついていない事で、この試合で何処まで本来の調子に戻るか注目されます。
得点力不足に関して言えば、他チームに比べてラッシング記録が伸びていないことも原因の一つと考えられ、ラッシング部門ではRB#4鈴木(恵)選手が10位(29回、93ヤード)でチームトップという状況がそれを表しています。ただし、20位迄の状況では、15位RB#28伊藤選手(9回、54ヤード)、18位RB#32遠藤選手(10回、49ヤード)、20位RB#21佐藤(航)選手(14位、33ヤード)と、13位のQB#2政本選手(20回、66ヤード)も含めると5名がランキングしており、ここから何処まで底上げできるかが、この試合だけで無く今後の試合での勝敗に大きく繋がるでしょう。特にタイプの似た、RB#28伊藤選手とRB#21佐藤(航)選手は、プレー回数は少ないものの一皮剥けた印象があり、この試合での活躍に期待が掛かります。
「得点」と言う意味では、ここまでノーミスを続けているキッキングチームの2人の新人、K#16福岡選手とK#19丸山選手にも注目です。K#19丸山選手は、最長48ヤードを含む5回のフィールドゴール(FG)機会全てで成功し、TD後のトライフォーポイント(TFP)キックでも、7回登場し全て成功しています。K#16福岡選手は、主にキックオフで出場していますが、3回のTFPキックを全て成功しており、どちらの選手も安定感が感じられます。残り試合では必勝が要求されるため、これまで以上に貪欲に得点を狙う必要が有ります。それ故に、敵陣40ヤードの内側に入れば少なくともFGでの3点は勝ち取ってシリーズを完結する、もう一段成長したプレーをこの試合で見せて欲しいと思います。
ディフェンスの見所
上位チームとの対戦が続いたとはいえ、4試合での総失点は195点となり、試合をしている7チーム中最低の状況になっています。クォーダー毎の失点を見ると、1Q:75点(38.5%)、2Q:39点(20%)、3Q:61点(31.3%)、4Q:20点(10.2%)となり、試合序盤に畳み掛けられてそのままズルズルと体勢を立て直す余裕無く主導権を奪われている様子が伺えます。それは後半開始の3Qにも表れており、ディフェンスの対応能力が試されているシーズンになっています。ここまでの試合から感じる事は、個々の選手の能力では決してトップチームの相手と比較して劣っているわけでは無いのに、それが1プレーの中で上手く連携出来ずに終わってしまうため、崩れ始めると一気に崩落する脆弱さだけが目立つ試合になっています。
ここまでの試合を観ていると、スクリメージラインを超えての相手へのプレッシャーが、以前ほど効果を上げていない印象を受けます。その為、QBにはターゲットを探して待つ余裕が生まれ、RBもオフェンスライン(OL)が走路を開けるまでしっかりと見極める余裕が生まれています。その為、パスでは深い位置へのロングパスが増えている印象があり、またランプレーではディフェンスが動いて空いたスペースに走り込まれてロングゲインを許しているように感じられます。ディフェンスライン(DL)とラインバッカー(LB)とのコンビネーションが上手く機能し、QBサックやRBのロスタックルを生む好プレーの回数をさらに増やすための工夫を、さらに見せて欲しいと思います。
さらに最近のパスオフェンスでは、フィールド奥へパスを投じて一気にTDを奪うプレーが普通に行われます。レシーバー能力の進歩が著しい反面、追いかけつつ頭上を通過するボールに対応するディフェンスバック(DB)に対しては、さらに厳しいプレーが要求されます。QBへのプレッシャーが増し、パスを投げるタイミングがこれまでよりも早まれば、レシーバーをカバーするDBに取っても守りやすい状況が生まれるはずです。相手に合わせて瞬間瞬間でプレーを判断しなくてはいけないディフェンスだからこそ、個々の選手単位でのプレー毎の対決では無く、チームとして相手のプレーにいかに対応出来るかが、この試合での勝利を左右する大きな見所と言えるでしょう。
試合の見所
BIG BLUEが、リーグ戦上位4位に入り決勝トーナメントに進出するためには、ここからの残り3試合を全勝し、エレコム神戸ファイニーズの結果を待つ必要があります。その為、まずはこの試合に勝利して今シーズンの初白星を勝ち取る事が最大の目標になります。相手チームの事前情報が無いため、どの様なゲームプランを準備するかは難しいのですが、逆にそうであれば相手に合わせるのでは無く、自分達が今シーズンやりたかったもの、やるべきものをこの試合で確実に実行することを目標にしても良いのでは無いでしょうか。ここまでの試合、理由は色々あるかもしれませんが、結局はBIG BLUEらしいプレーや雰囲気が欠けて居たことが、現在の結果の理由の一つであることは確かですから。
今回対戦するオール三菱も含めて、今後対戦するノジマ相模原ライズ、東京ガスクリエイターズにも、決勝トーナメント進出のチャンスが残っています。この試合からリーグ戦に参加するオール三菱も、残り3試合を全勝勝点9で終了すれば、他チームの状況次第ですが、決勝トーナメント進出の可能性が残っています。3試合で2勝(勝点6)の場合も可能性は残りますが、さらに条件は厳しくなるため、どのチームに取っても「残り3試合3勝」が最大の目標であり、熾烈な戦いがここから始まります。先ずはBIG BLUEらしい試合を、OneBlue、OneIBMのプレーを、しっかりと見せてくれることを期待します。
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