準々決勝: LIXILディアーズ戦の見所
2016/11/07
リーグ戦最終のアサヒ飲料戦では、オープニングドライブで失点し、その後4Q途中まで攻めあぐねたものの、4Qの2TDで逆転勝利をしたBigBlue。いよいよ始まるJapan X Bowlトーナメント戦では、第四節で対戦したLIXLディアーズ(以下、LIXIL)と再び対戦することになりました。第四節では、BigBlueが2Q中盤で18点のリードを得るものの、その後点の取り合いとなり、4Q残り42秒でLIXILがTDで逆転。勝利の機会を僅差で逃した悔しい試合でした。また前節のLIXILはパナソニック相手に、前半終了時点で3-30と27点差で折返しながらも、3Qに1TD、4Qに3TDをあげ、31-30と逆転。最後にはパナソニックがFGを成功させて31-33で破れたものの、点差をものともせずに必ず最後には追いついてくる底力は脅威です。
LIXILとは鹿島時代も含めるとリーグ戦/1stステージでは11回対戦し2ndステージ以降でも過去3回対戦しており、BigBlueがこれまでで一番対戦しているチームです。しかもリーグ戦/1stステージでは11連敗ながらも、2ndステージ、ファイナルステージでの対戦は3連勝しており、何か因縁を感じる相手でもあります。今シーズンもパールボウルで対戦し、リーグ戦で対戦し、今回が今年3回目の対戦となります。三度目の正直はどちらへ与えられるのか、負けたら終わりのトーナメント戦がいよいよ始まります。
オフェンスの見所
春の試合で怪我をしたため、前回の第四節LIXIL戦が今シーズンの復帰戦となったQB#3クラフト選手。試合には敗れたとは言え、怪我に対しての不安を払拭するオフェンスを見せ、続くOBIC戦でも一歩も引かないオフェンスプレーを見せてくれました。前節のアサヒ飲料戦では3Q終わりまで我慢のオフェンスが続きましたが、4Qに2TDを獲得し勝利を引き寄せる力強さは健在と言えるでしょう。
前節アサヒ飲料戦では4thダウンパントやターンオーバーで攻撃が続かず、3Q終盤までは我慢に我慢を重ねるオフェンスが続きました。そんな苦しいオフェンスの中でもWR#81栗原選手やTE#40スタントン選手へのパスが安定して通っていたことが、最後の逆転劇を生む重要な布石であったことは確かです。QB#3クラフト選手復帰直後の試合では、まだまだレシーバーとのタイミングのずれを感じるプレーもありましたが、実戦を経験するうちにQBもレシーバーも感覚を取り戻している印象を受けます。LIXILオフェンスもパス中心のプレーで有り、過去の対戦では圧倒的にパッシングゲームに傾いているだけに、空中戦での競り合いに敗れれば勝利はありません。互いの死力を尽くした空中戦が、この試合最大の見所です。
一方で、今シーズンのキープレーである地上戦=ランプレーは、アサヒ飲料戦ではやや物足りないものでした。アサヒ飲料の久保守備コーディネーターが元BigBlueのディフェンスコーチでありBigBlueの攻撃を熟知していた事はあるかもしれませんが、見事に走路を塞がれ、RB#10末吉選手も通常の半分程度のヤードしか走れませんでした。そんな厳しい状況の中でも、後半には対策が生きてきており、特に4Q最後のシリーズでファーストダウンを奪った末吉選手のランは、これで残りのプレーでの時間消費が確定して勝利を決定づけたプレーになりました。決めるべき時に決められるランプレーが接戦の中では求められるわけで、そのプレーをこの試合でも存分に発揮して欲しいところです。
オフェンスの鍵はなんと言ってもQB#14政本選手の、特に「走力」をどの様に使うかでしょう。クラフト選手不在中の富士通戦、アサヒビール戦ではしっかりとその実力を発揮したものの、クラフト選手と併用となった第四節以降の試合では、その実力が上手く発揮されていない気がします。手(=パス)だけで無く足(=ラン)でもLIXILディフェンスをかき回し、BigBlueへの流れを作る大きな仕事が期待されます。
ディフェンスの見所
アサヒ飲料のオープニングドライブであっと言う間にTDを奪われたものの、その後の攻撃シリーズではきっちりと相手のプレーを止め、後半逆転のシナリオを作ったBigBlueディフェンス。その立役者を一人挙げるとすれば、やはりDL#2イェイツ選手の活躍でしょう。デビュー戦となった富士通戦ではまだシステムに慣れておらずぎこちなさが目立ち、また第三節のアサヒビール戦序盤ではDE#34ブルックス選手が負傷で退いたため、孤軍奮闘せざるを得ない状況となりました。アサヒ飲料戦からはブルックス選手が復帰し、得意なインサイドタックラーとして存分にプレーすることが出来るようになり、BigBlueのフロントラインがやっと今シーズン望んでいた状態になったと感じられます。プレー比重は少ないとは言え、RB#29丸田選手、#31岡部選手、#32前川選手と、強力なRB陣を有するLIXILのオフェンスに対して、これは強力なアドバンテージになるでしょう。
LIXIL QB#9加藤選手の武器は、正確に投げ込んでくるパスプレー。前節パナソニック戦では、WR#83石毛選手への8回/119ヤードを筆頭に、8人のレシーバーにパナソニックの倍以上となる338ヤードを投げています。その中でも、TDを狙って投げ込んでくるロングパスが多いのが特徴で、やはりWR#83石毛選手への51ヤードを筆頭に、#11前田選手(43ヤード)、#2中川選手(36ヤード)とターゲットも揃っています。前回の対戦では、パスだけで442ヤードを許していますが、DB陣がどれだけこの喪失ヤードを今回は減らすことが出来るか、DBとレシーバーのマッチアップがこの試合では特に見所です。
パールボウルでは、DE#34ブルックス選手のラッシュを中心に、DL#31藤井選手、#98森田選手らのラッシュでQBへプレッシャーを掛けてきました。今回はここにDL#2イェイツ選手を筆頭に、DL#44福岡選手、#99中村選手と、春と比べてかなり層が厚くなっています。しかし、単にラッシュするだけではQB#9加藤選手は、それをかわしてTDパスを投げる力があるため、さらに一歩踏み込んで確実にタックル・サックをしないと止まりません。これまで以上にスピードと確実なタックルがプレーに要求されます。時間が延びれば伸びるほど、相手レシーバーが有利になるため、スピードでどれだけQBに迫れるか、ディフェンスとしては正念場の試合になることは確実です。
試合の見所
近年、少なくともオフェンスに関してはパス中心となり「似た者同士」さを感じる両チーム。強いてBigBlueに足りない部分を捜せば、LIXILオフェンスにはどんな状況にあっても、まるで判で押したようにきっちりとプレーを実行して試合を最後には勝利に導く機械のような正確さ、実行力が備わっていることでしょう。BigBlueも、最近ではチームの様子も変わってきていますが、やはりまだその時の状況や雰囲気でプレーが流れてしまうことが散見されます。ただ、だからといってLIXILと同じようにきっちりとプレーを組み立てるチームを作るのが良いかと言えば、それは二番煎じであるだけで決して相手を上回ることは出来ません。BigBlueがBigBlueであるならば、BigBlueらしいプレーを目指すべきで、それが何かと問われれば、どんな状況でも決して折れない強い気持ちと、相手をなぎ倒してでも前に進む強い力では無いでしょうか。リーグ戦では11連敗中の相手に、何故かそれ以外の対戦では勝利しているのも、ここで負ければ後が無いと言う背水の陣の気持ちが、そういったBigBlueらしさを生んでいるからだという気がします。そして、この試合は文字通り負ければ終わりの後の無い試合です。
リーグ戦の結果だけ見れば、上位チームに敗れて3勝3敗という成績でしたが、勝った試合も敗れた試合も、点差ほどの力の差があったわけでは無く、チームとしての気持ちの持ち様次第で勝敗が分かれた結果だったと言えます。ここからの試合は、その僅かな違いが大きな結果となるトーナメント戦になります。本当に"OneBLUE"を実現できるのか、真価が問われる試合になるでしょう。OneBLUE! Go BigBlue!
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