準々決勝: エレコム神戸ファイニーズ戦の見所
2018/11/03
リーグ戦を3位(5勝1敗)で通過したBigBlue。JXBトーナメント準々決勝で対戦するのは、第六節で対戦したエレコム神戸ファイニーズ(以下、エレコム神戸)です。シーズン中に同一チームと再戦するのは、2014年シーズンのセカンドステージでLIXILディアーズと対戦し、その二週間後にファイナルステージ(JXB準決勝)で再戦して以来の事です。この時は、ホーム・ビジターは変わりましたが試合会場はどちらも横浜スタジアムでした。今回は試合会場が富士通スタジアム川崎から王子スタジアムに変わり、BigBlueは今シーズン2回目の関西遠征となります。この影響が心配される対戦となります。
第六節の試合は55-17と大差が付きましたが、エレコム神戸はスターターQBの#19ソコール選手が欠場しており、本来のオフェンスは見せていません。メインターゲットのWR#2ハシック選手も、1捕球24ヤードだけでしたが、ソコール選手が戻ればボールが集まることが予想され、前回の試合のようには行かないことは明らかです。リーグ戦の記録を見ても、エレコム神戸は圧倒的なパッシングオフェンスで勝ち上がってきており、前回の勝因も、エレコム神戸のリーグ戦6試合で唯一パッシングヤードを100ヤード台(136ヤード)に押さえたBigBlueディフェンスの活躍だったと言って良いでしょう。この対決が、この試合最大の見所になります。
オフェンスの見所
今シーズンオフェンスを牽引するQB#2政本選手が仕事の都合で不参加となった前回の対戦ですが、代わりにオフェンスを率いたQB#3クラフト選手は、怪我からの完全復活を証明する試合にもなりました。後半にパスの精度が低下したことが気になりますが、259パッシングヤード/3TDを奪い、ここまでの政本選手の活躍を考えると、JXBトーナメントに向けて大黒柱二人による強力なオフェンスシステムが整ったと言えるでしょう。ヘッドコーチ(HC)兼任ということを考えると、この試合では政本選手の先発起用が想定されますが、それはエレコム神戸にとってもこれまでの対戦経験がほとんど無いため、政本選手対策に苦労することが想定されます。
前回のエレコム神戸戦では、DL#10ベンジャミン選手を中心としたエレコム神戸ディフェンス対策が懸念されましたが、BigBlue OL陣はこれに上手く対応しました。特にOL#66伊藤選手、OL#59内尾選手はベンジャミン選手との1対1での対戦でも負けることなく、中央突破のランプレーでロングゲインを生む原動力になっていました。6TD/2FGを許してしまったエレコム神戸ディフェンスとしては、前回の反省から今回は多様なディフェンスプレーを準備してくると予想されます。これに対してBigBlueオフェンスはどの様に対応するのか、スクリメージラインを挟んだプレー毎の対決が、この試合では重要な見所になるでしょう。
前回の対戦では、3ランTDと3パスTDに#81栗原選手の100ヤードキックオフリターンTD、さらにはK#11佐藤選手の2FGで、今シーズン最多得点となる55得点を上げたBigBlueオフェンス。パスでは、12選手に投げ分け相手にターゲットを絞らせず、またランではRB登録の6選手全員が出場し、6選手でトータルラッシングヤード242ヤードを上回る243ヤード(注:試合最後のニーダウンでチームに-12ヤードが記録されているため)を走り、これが序盤で試合の流れを決めたと言って良いでしょう。しかし後半になるとエレコム神戸ディフェンスも対応してきており、今回は序盤から厳しい状況が予想されます。いかに相手の想定を上回るプレーを実行する事が出来るか、RB/WR陣の活躍が注目されます。
ディフェンスの見所
前回の対戦では、エレコム神戸の攻撃を185ヤードと200ヤード以下に抑えこんだBigBlueディフェンス。DL#34ブルックス選手、DL#92トゥアウ選手の二人を基軸に、この二人の間や外側からQBにプレッシャーを掛けるプランは次回も有効だと思われます。今回は、前回は出場しなかったQB#19ソコール選手の先発が予想されます。これまでの試合を見ると、ポケットパサータイプのソコール選手は、左右への早いタイミングのパスと、ポケットの中で我慢してフィールド奥に投げ込むパスが目立ちます。DLが包囲し、LBがラッシュしてQBに向かうか、あるいはDLのプレッシャーで一気にポケットを絞りプレーさせない等、ディフェンスコーディネーターのカウマイヤーコーチの采配が注目されます。
前回の試合では、不本意な結果で終わったWR#2ハシック選手ですが、ソコール選手との相性は良いだけに、今回の試合では脅威となりそうです。カバーするDBは、サイズ負けしない、DB#7中島選手、DB#24宮川選手、DB#32高橋選手、あるいはDB#1中谷選手といった選手達とのマッチアップが注目されます。高さの勝負だけでなく、プレーが崩れたときにはアメリカ人QB/WRが子供の頃から馴染んでいる「フットボール感覚」、日本で言うところの「あうんの呼吸」でのパス成功場面も多く見られており、前回の対戦とは全く違った展開が予想されます。パスオフェンスへの比重が高いエレコム神戸オフェンスだけに、前回以上にパス対策が重要であり、DL/LB/DBの空中戦対策がディフェンス最大の見所になるでしょう。
前回はトータル49ヤードに押さえたランプレーですが、RB#22川淵選手は4回で43ヤード走っており、今回も注意が必要です。特に、圧倒的なパスオフェンスが予想されるだけに、その裏をかいたドロープレーやランパスオプション等も想定されます。ただ、前回の試合結果を見る限りBigBlueディフェンスは相手オフェンスと互角以上の対戦をしており、焦って反則やミスで相手にゲインを許すことさえ無ければ、勝機は十分と思われます。今シーズンのディフェンスはこれまで以上に安定感が感じられており、それがそのまま発揮できれば勝利に大きく前進出来るでしょう。
試合の見所
前回の反省点を上げると、一つはキッキングゲームで大きなリターンを許したこと、もう一つは反則の多さで相手を助ける場面が何度もあったことでしょう。特にキックオフリターンでは、WR#26永見選手が4回128ヤード(最長59ヤード)を戻しており、最初の2回はFGとTDを獲得したシリーズとなりました。今回はさらなるキックカバーの対応が必要です。また、キッキングゲームという意味では、BigBlue K#11佐藤選手、エレコム神戸K#12山崎選手ともに、この春はNFL挑戦を目指して渡米した仲。僅差での競り合いになれば、この二人のキックの精度に命運がかかります。この試合では、キッキングゲームも大いに注目されます。
チームにとって負担の大きい関西遠征試合ですが、これまでの関西での戦績は7勝1敗で2014年以来6連勝中であり、その6連勝が始まったのが今回の王子スタジアムでのアサヒ飲料戦からでした。そんな験の良さをプラスに受け止めつつ、絶対に避けたいのが前回の試合で点差を付けて快勝したことによる油断です。今年こそ「日本一」を目ざし「DOMINATE!」のスローガンの下、チーム力が充実してきた表れではあると思うものの、試合中の様子や内容に関しては、まだまだ発展途上な部分も多く見られます。来年の1月3日に勝利するまでは、貪欲に勝利を奪い取りに行く「挑戦者」という立場を忘れずに試合に臨んで欲しいと思います。
DOMINATE! BigBlue!
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