あるOBの呟き- パールボウル: vs 東京ガスクリエイターズ戦

2023/05/08

2023年シーズンの開幕は、4年振りに開催される第42回パールボウルトーナメントから始まります。今回はこれまでのブロック予選が無くなり、関東地区所属のX1 Super 8チームがトーナメント形式で対戦しパールボウル優勝を目指します。BIG BLUEは2016年の第38回パールボウルで初めて決勝に進出し、LIXILディアーズ(当時、現在の胎内ディアーズ)と接戦を繰り広げて初優勝を飾りました。その後2019年まで毎回決勝進出をしますが、オービックシーガルズに敗れ、今回4年振りの決勝進出と7年振りの優勝を目指す大会になります。

対戦相手の東京ガスクリエイターズ(以下、クリエイターズ)とは、昨年も交流戦で対戦し30-7で勝利しました。昨シーズンのリーグ戦での対戦はありませんでしたが、一昨年のリーグ戦では、BIG BLUEが決勝トーナメント進出を掛けた対戦となり34-26で何とか逃げ切った試合となりました。今回の試合では、昨年中心となっていた外国人選手は不在ですが、チームとしては堅実なプレーに定評があり侮れません。特に今日の天候は初夏を思わせる好天ですが、台風のような強風が吹いており、ロングパスやキックの時にはボールの軌道に大きく影響すると想定されます。ハイパーオフェンスのBIG BLUEに取っては、コンディションとしては不利な状況で試合が進むと予想されます。コイントスの結果、クリエイターズが後半の選択権を選び、クリエイターズのキックオフで試合が始まります。
 

一進一退の前半

BIG BLUEのオープニングドライブは、RB#4鈴木(恵)選手へのスクリーンパスで6ヤード前進。しかし続く2nd/3rdダウンのパスは失敗が続き、この試合ゲームキャプテンを務めるP#16近藤選手のパントで攻撃権が移動します。続くクリエイターズのオーブニングドライブは、RB#32森分選手が中央突破を狙いますが、DL#99島野選手、LB#5文字選手とタックルで止め、3rdダウンのWR#1加藤選手のダイブも止め、こちらもパントでオフェンスシリーズが終了します。

BIG BLUE2回目のオフェンスシリーズ。RB#4鈴木(恵)選手の5ヤードダイブの後、QB#2政本選手からWR#84近江選手へ絶妙なサイドライン際へのパスが成功しファーストダウンを更新します。再びRB#4鈴木(恵)選手のランでダウンを更新すると、今度はTE#88三浦選手へのパスが成功とリズムが生まれてきます。交代したRB#20石川選手が真っ直ぐに中央を抜けてダウンを更新すると、次のプレーではTDを狙ったパスが失敗しますが、相手のパスインターフェアの反則でゴール前14ヤードでファーストダウン更新となります。ハンドオフフェイクからQB#2政本選手のキープで8ヤード進みます。2ndダウンではRB#20石川選手がボールを受けると、一旦は左に突進しますが直ぐに右サイドに抜け出るとそのままエンドゾーンに走り込みTDを奪います。

オフェンスの好調さはディフェンスにも伝搬します。ファーストプレーのRB#32森分選手へのランこそ上手く逆サイドを抜けられてダウン更新を許しますが、続くQB#18若林選手のQBスクランブルは、LB#17茂木選手とLB#47市橋選手が、次のRB#32森分選手のダイブはLB#47市橋選手とDB#35対馬選手が確実に止めていきます。次のQB#16徳島選手のQBキープでダウン更新を許した次のプレー。ハンドオフを受けたWR#1加藤選手が中央を抜けますが、背後からDL#95大島選手がボールを掻き出しファンブルフォース。溢れたボールにDL#52山岸選手が飛び込みリカバーし、攻撃権を奪います。

自陣47ヤードから攻撃権を得たBIG BLUEのオフェンスは、RB#20石川選手のランとWR#85鈴木(隆)選手へのパスでダウンを更新して敵陣に入ります。しかしここでホールディングの反則で10ヤードを罰退し1stダウンを繰り返します。ここからクリエイターズのディフェンスが粘ります。TE#88三浦選手へのパスを4ヤードでタックルすると、2ndダウンのドロープレーには素早く反応して2ヤードのロスタックル。3rdダウンのRB#4鈴木(恵)選手のランも直ぐにタックルされて4thダウンで17ヤードが残ります。4thダウンではP#16近藤選手がパントを蹴りますが、敵陣44ヤードからと奥行きが無い為に低く転がすキックとなり敵陣20ヤードで外に出てしまい、結果クリエイターズはターンオーバーからのピンチを何とかディフェンスが守り切ります。

クリエイターズの攻撃が始まり、試合は2Qに。ディフェンスが掴んだモメンタムがオフェンスに繋がったのか、クリエイターズの反撃が始まります。ランプレーが効果的と判断したクリエイターズは、QB#16徳島選手がハンドオフフェイクをしたRBとは反対方向に走り出すQBカウンターで前進しダウンを更新。さらに相手の反則もあり敵陣に入ります。ここからはRB陣が活躍。RB#32森分選手がカットバックで前進し、ディフェンスも対応しますが、3回の攻撃で確実にダウン更新を許してしまいます。1stダウンで一旦オープンに抜けたRB#32森分選手、不運にも自ら転倒してしまい2ヤードの前進にとどまりますが、次のプレーでは今度は反対側に同じプレーでスクリメージラインを抜けると、そこから縦に駆け上がりゴール前9ヤードまで一気に前進します。最後はQB#16徳島選手がQBカウンターでエンドゾーンに駆け込み、7-7の同点に追いつきます。

BIG BLUEのオフェンスは、WR#83天田選手へのパスでダウンを更新すると、次はRB#4鈴木(恵)選手のオープンランでダウン更新。再び3rdダウンで10ヤード残る場面になりますが、ここではTE#40スタントン選手へのパスが成功すると、さらにランアフターキャッチ(RAC)で敵陣45ヤードまで前進します。更に相手の反則で5ヤード前進と、ここまでテンポ良く前進します。しかしここからのパスが通らず4thダウンギャンブルも失敗。攻守交代となります。クリエイターズは、ランプレーで確実にヤードを積み上げて、時間を消費しながら前進。QB#16徳島選手のキーププレーが止められず、ゴール前6ヤードでスパイクをして時計を止めます。次のプレーも、QB#16徳島選手の右オープンへのランですが、ゴール前1ヤードでボールデッド。残り1秒でクリエイターズは最後のタイムアウトを取ります。残り1秒で1ヤードを巡る攻防は、再びQB#16徳島選手が右オープンからエンドゾーンを狙いますが、DB#41廣田選手に続いて、DL#99島野選手、DB#1中谷選手とタックルし、TDを阻止。7-7の同点で前半を折り返します。
 

やっとエンジンが掛かる後半

接戦では有るものの、やや消化不良を感じる前半。それも影響したのか、後半開始のK#11福岡選手のキックオフは3回続けてアウトオブバウンズとなり5ヤード下がりながら蹴り直しが続きます。4回目のキックオフは風にも乗り大きく伸びてゴール前8ヤードでRB#32森分選手がキャッチ。ここからリターンを始めますが、WR#86熊井選手がすかさずタックルに入り、敵陣19ヤードからの攻撃に抑えます。クリエイターズ最初のプレーは、ディレーオブゲームで罰退しますが、それを取り返すRB#32森分選手のランでダウン更新をしつつ前進。相手のQB/RBのランプレーに対応出来ずに、BIG BLUEディフェンスはじりじりと前進を許します。さらに敵陣に入ったところで、4thダウンパントの場面となりますが、ここでラフィングザキッカーの反則で、ダウン更新を与えてしまいます。ゴール前17ヤードまでクリエイターズは前進しますが、残念ながら決め手に欠けて4thダウンに。K#17高橋選手のフィールドゴール(FG)は、距離は34ヤードと短かったものの、強風に流されてか右にそれて失敗で終わります。

この後、両チーム共にパントで攻撃権を交換し、3Q終盤のBIG BLUE後半2回目のオフェンスシリーズ。自陣43ヤードからの1stダウンのプレーは、WR#3遠藤(太)選手へ8ヤードのパスが成功。次のパス失敗の後の3rdダウンでは、QB#2政本選手がラッシュ受けてプレーが崩れますが、その間にフィールド奥に走り込んだWR#3遠藤(太)選手へ39ヤードのパスが成功し、ゴール前10ヤードでファーストダウンを更新します。RB#32柴田選手が5ヤード進み、次のプレーではQB#2政本選手がタイミング良くスクランブルに出て、この試合2本目のTDを奪い14-7と試合をリードします。

TD後のK#11福岡選手のキックオフは、再び外に出て反則となりますが、今度はクリエイターズは自陣35ヤードからの攻撃開始を選択します。パス失敗の後、RB#32森分選手のランで8ヤード前進したところで、試合は早くも4Qに入ります。4Q最初のブレーはQB#16徳島選手のキーププレーで一気に28ヤード前進。タックルをかわして敵陣29ヤードまで大きく進みます。さらにWR#1加藤選手が18ヤード進み、ゴール前6ヤードでファーストダウンとなります。しかしここからディフェンスが粘ります。QBキープをLB#43本田選手がノーゲインで止めると、次のRB#32森分選手のランをLB#23山本選手もノーゲインでタックルします。3rdダウンのプレーは、左パイロン際にTDパスが通ったように見えましたが、オフェンスのパスインターフェアの反則でTDは無効となり、さらに15ヤードの罰退。やり直しの3rdのパスも失敗し、クリエイターズは4thダウンでK#17高橋選手が48ヤードのFGを蹴り込み、14-10と点差を縮めます。

キックオフがタッチバックとなり、自陣25ヤードからBIG BLUEの攻撃。RB#37平松選手へのパスの後、今度はそのRB#37平松選手がランで運びダウンを更新します。ここからQB#2政本選手は、WR#83天田選手、TE#88三浦選手、WR#85鈴木(隆)とダウン更新のパスがテンポ良く決まります。続くプレーは、プレッシャーを受けてパス失敗となりますが、次のプレーではハンドオフを受けたRB#32柴田選手が中央を抜けた所で一旦タックルされますが、ここにオフェンスの選手が集まり後ろからモールのように前に押し出し、16ヤードと大きく前進しゴール前12ヤードでファーストダウンを更新します。ここからQB#2政本選手は、タイミングを計り左奥隅コーナーへ浮かせたパスを投じます。それを、ディフェンスバック(DB)の裏に回ったWR#86熊井選手がキャッチしTD。しかしK#11福岡選手のトライフォーポイントキックは右に流れて失敗。20-10と2回の得点機会が必要な2ポゼッション差ですが、微妙な得点差となります。

早めにTDかFGで先ずは得点したいクリエイターズは、ここで初めてパス中心のオフェンスに切り替えます。3rdダウンで9ヤード残りますが、WR#26林選手へダウン更新の12ヤードパスが成功します。次のパスは反対サイドのWR#30海野選手へ成功。3ヤード残りますが、QB#10沼田選手が中央を抜けてダウンを更新します。クリエイターズは、奥を狙ったパス失敗の後の2ndダウンで、WR#1加藤選手が上手くカットバックでタックルを避け15ヤード前進し、敵陣36ヤードまで進みます。1stダウンでは、プレッシャーを受けてQB#18若林選手はパスを投げ捨て。2ndダウンのランプレーも2ヤードで止めます。3rdダウンのパスも失敗し、クリエイターズは4thダウンとなります。クリエイターズはタイムアウトの後、FGを選択。51ヤードと距離はありましたが、K#17高橋選手が成功させ、スコアは20-13と1TD差に迫ります。

クリエイターズは再び攻撃を得るためにオンサイドキックを蹴りますが、10ヤード進まず外に出て反則となります。そのため、2分6秒を残して敵陣34ヤードからBIG BLUEの攻撃が始まります。BIG BLUEはRB#32柴田選手がボールを持って前進しますが、堅い守りもありダウン更新には至らず、P#16近藤選手のパントの後、29秒を残して自陣20ヤードからクリエイターズの攻撃に変わります。TDが必須となるクリエイターズは、QB#18若林選手がパスを投じますが続けて失敗。3rdダウンでも、右サイドラインに出るコースのWR#26林選手にパスを投じますが、その手前にLB#22中山選手が入り込むとパスをインターセプト。クリエイターズの攻撃を断ちきります。この後ニーダウンで時間を消費し、20-13でシーズン初勝利を掴むことが出来ました。
 

成果と課題のシーズン初戦

試合が終わって感じるのは、試合内容として悪そうに見えるけれどよく見たらそんなに悪くない、良いプレーも多かったけれど反省するべき点も多くあると言う、何とも微妙で複雑な感情と言うかな印象です。オフェンスに関しては、前半の4thダウンギャンブルの失敗や、前半・後半でのパント機会(2回ずつ)のシリーズの幾つかは、TDかFGへの得点チャンスに繋げられなかったことは課題かなと感じます。強風のためラン中心のゲームプランを予想し、実際プレー数ではパス・ラン半々(24回ずつ)とランの比率が通常よりは高い印象がありますが、終わってみれば強風をものともしないパスオフェンスでヤードを稼いでおり、後はランでの平均獲得ヤード(3.4ヤード)をどれだけ伸ばすかが課題と言えるでしょう。後半の2TDはテンポ良く短時間で得点するBIG BLUEらしいオフェンスでしたが、最初のTDシリーズのように粘り強いシリーズでも得点できる「厚み」が欲しいと感じました。ルーキーRB/WRの活躍もこの試合では目立った事は今後の期待値の一つと言えるでしょう。

ディフェンスに関しては、以前から苦手と感じるQBランの対策不足を感じる内容でした。この試合では、最前列のディフェンスラインを4人にしてラン対策を考えていたように見えますが、まだ連携不足なのか相手オフェンスラインに上手く隙間を作られて、QBやRBにスクリメージラインの突破を許していたように感じられます。後半に対策を投入した様に見えますが、新人選手も多用した事もあってか、まだまだぎこちなさを感じる場面もありました。一方で、2Q最後のTD阻止の場面や、TDを許さずFGに押さえた3シリーズ(1回はFG失敗)、さらに2回のファンブルフォース(1回はターンオーバー)に最後のパスインターセプト等ビッグプレーも多く、ディフェンスの雰囲気としては良かったのでは無いかと感じます。それを今後どの様に継続しつつ伸ばしていくかが、次の課題と言えるでしょう。

次の対戦相手は、春の公式戦では未勝利のオービックシーガルズです。パールボウルの決勝戦でも前回まで三連敗中の相手だけに、次の試合までの三週間でどれだけ準備しチーム力が成長するか期待したいと思います。

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