第三節: アサヒビール シルバースター戦の見所
2016/09/21
前節のBULLS戦から一週間という短いインターバルで対戦する第三節の相手は、アサヒビール シルバースター(以下、アサヒビール)。これまで3勝2敗と勝ち越しており、昨年も第四節に対戦。4Q序盤まで一進一退の展開となりましたが、4Qに2TDをBigBlueが奪い相手を突き放し、35-18で勝利しました。昨年の対戦では、BigBlueがランとパス、ほぼ半々のバランスアタックで得点したのに対して、アサヒビールはパスで462ヤード獲得する一方、ランでは-42ヤードとBigBlueディフェンスがほぼ完璧に押さえました。それでも、パスで獲得した462ヤードは、BigBlueの総獲得距離357ヤードを大きく上回るものでありました。この462ヤードのうち、ウィルソン選手が208ヤード2TD、WR#83林選手が151ヤードを獲得していますが、今シーズンはそのメインターゲットであったウィルソン選手がおらず、アサヒビールのオフェンスプランは大きく変わることが予想されます。
前節の富士通戦では、1Q中盤にWR#11戸倉選手へTDパスが通り先制しますが、その後は富士通の厳しいラッシュにQB#1ミルズ選手も苦しみ、追加点を上げることは出来ませんでした。一方アサヒビールディフェンスは、前半こそ2TDを許しましたが、後半TDは許さず3Qの2FGに止め、昨年以上に力を付けてきていることは確かです。昨年同様に僅差で競り合う展開が予想され、小さなミスが命取りになる緊張した試合が予想されます。
オフェンスの見所
BULLS戦ではQB#4多川選手が事実上一試合全ての指揮を執り、十分にその役割を完遂しました。怪我からの復調が伝えられるQB#3クラフト選手ですが、この後のスケジュールを考えると無理は出来ず、この試合では第一節のようにQB#14政本選手が中心になることが予想されます。敗れたとは言え、ルーキーとは思えないオフェンスプレーを見せ、富士通をあと一歩というところまで追い詰めた実力がこの試合でも発揮されれば、勝利の確率も格段に高くなります。アサヒビールオフェンスが、事実上QB#1ミルズ選手一人だけに対して、BigBlueでは政本選手を軸に、クラフト選手、多川選手と変化を付けたオフェンスが可能で、この点は昨年の対戦時とは異なるBigBlueオフェンスの大きなアドバンテージと言えるでしょう。
昨年の対戦では、RB#10末吉選手とRB#21髙木選手が相手ディフェンスを揺さぶり、その間隙を突いてパスで得点するパターンで試合をリードしてきました。ただ、5TDのうち二つのTDはディフェンスの得点(DB#26星田選手とDE#34ブルックス選手のインターセプトリターンTD)であり、決してオフェンス力で相手を上回っているわけではありません。BULLS戦では、RB#15鈴木選手、WR#28梶川選手という二人の選手が存在感を見せましたが、この試合でも活躍することが勝利を手繰り寄せる重要な要素になります。レシーバー陣では、若手中心に起用したためか、良いプレーと悪いプレーの落差が大きかったように感じられます。BULLS戦よりもパスプレーの回数は減る一方で、一つのプレーが持つ重要度は格段に高くなります。今シーズンDBに新人補強したアサヒビールセカンダリーとのマッチアップが大きな見所になるでしょう。
また、アサヒビールのディフェンスを見ると、昨年以上にフロントラインのラッシュが速く厳しくなっていることが伺えます。富士通のエースRB#29ゴードン選手には100ヤード近いヤードを許したものの、それ以外の選手に対しては確実にタックルしており、BigBlueのOL陣には富士通戦以上に厳しい状況になりそうです。富士通戦ではアサヒビール ルーキーのDL#55松岡選手、LB#14吉原選手のタックルが目立ちました。ベテランの多いBigBlue OL陣の中で、ルーキーの#61進藤選手、2年目の#66伊藤選手がどれだけ相手をコントロールするかがオフェンス爆発の鍵になりそうです。
ディフェンスの見所
昨年の対戦では、パスで462ヤードも許す一方5インターセプト(内2リターンTD)、ランでは-42ヤードと完全に守り切り、出入りは激しかったものの守り勝ったBigBlueディフェンス。理由はいろいろありますが、やはりこの時のアサヒビールがQB#1ミルズ選手中心のパッシングチームだったことが、プレーを絞ることが出来、ディフェンスとしても有利だったと思われます。今シーズンも、ミルズ選手中心のパッシングオフェンスは変わらないものの、昨年以上にランの比率が増えていることには注意が必要でしょう。前節活躍したのはRB#10柳澤選手ですが、さらに記憶する限りでは昨年は見たことが無いQBミルズ選手のオプションプレー等、そのランプレーにもバリエーションを加えてきています。
一方で今シーズンのBigBlueディフェンスはラン対策に軸足を置いており、ルーキーのDL#2イェイツ選手はランに対しての反応は随一。さらに、DL#44福岡選手、DL#96長尾選手、DL#99中村選手と、フロントラインはさらに厚みを増しており、その背後にはLB#5コグラン選手、LB#35高橋選手、LB#47作道選手とルーキーが活躍しており、厚みだけで無く左右への対応も万全。昨年は事実上ミルズ選手のスクランブル対策だけで十分でしたが、今シーズンはRB#10柳澤選手、RB#2高松選手、RB#29山田選手と油断できないプレーヤーが活躍しているだけに注意が必要です。ラン対策の成否が試合を決める最大要素になる事は間違いありません。
昨年の試合でミルズ選手は、62回投げ33回の成功と成功率は高くありませんでした。前節の富士通戦では、28回投げ22回成功しており、昨年以上にパスが脅威になることは確実です。最大の理由は、ウィルソン選手が抜けた分ターゲットが分散してディフェンスが難しくなったことでしょう。また基本はDL/LBがどれだけQBにプレッシャーをかけられるかですが、富士通戦ではQB#1ミルズ選手はかなり動きながらでもパスを通しており、プレーが崩れてからの一発ロング、一発TDには注意が必要です。BigBlueのDB陣では、DB#1中谷選手、DB#22中山選手、DB#23保宗選手と、中心となる選手の活躍が目立っており、ベテランの活躍に若手・ルーキー選手が刺激されてどこまで伸びるか期待されます。この試合の勝利だけで無く、続く対戦にも影響するだけに、DB陣の活躍がこの試合最大の見所と言って良いでしょう。
試合の見所
どちらも1勝1敗で対戦するこの試合。前半の3試合を勝ち越して後半に臨みたい気持ちはどちらも同じで、それ故に昨年以上に厳しい対戦になる事は確実です。どちらのチームにとっても、ディフェンス戦になることは確実で、いかに失点しないか、いかにミスをしないかが、試合を決める最大要素になるでしょう。BigBlueに有利な点は、キッカーの二人。キックオフ、パント、さらにはFGと、ボールポジションと状況に応じてそれぞれの持ち味が生かされれば、相手オフェンスの負担が増え、結果的にBigBlueディフェンスが有利となります。今のところ、今回の試合も天候は微妙ですが、そういう条件でこそ少しの積み重ねが後で大きく影響するわけで、K#8小田倉選手、K#11佐藤選手の役割は大きいと言えます。
どのチームも、まずは確実にJapan X Bowlに進むことが出来るSuper-9 6位以上がこのリーグ戦の目標と思います。その為には、少なくとも3勝というのがボーダーラインになると予想されます。前半の二試合が終了したところで、まだまだ最終順位の予想は出来ませんが、勝ち星を先行させて一歩抜け出るのはどちらのチームか、期待高まる試合になります。OneBLUE! Go BigBlue!
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