第六節: アサヒ飲料チャレンジャーズ戦の見所
2016/10/26
オーバータイムまでもつれるも、あと一歩及ばずOBICに敗退した第五節。その敗戦から一週間後には、リーグ戦最終節、アサヒ飲料チャレンジャーズ(以下、アサヒ飲料)との試合が始まります。前節アサヒビールと対戦したアサヒ飲料は、前半は0-10とリードされるものの、後半に2TDを挙げて12-10で接戦を制しています。リーグ戦終盤に来てモメンタムを掴みつつあるアサヒ飲料に対して、敗戦のショックから立ち直り、さらにチームの体制を調えて大阪に乗り込み、そして試合に勝たなければならないBigBlueに取っては、かなりの覚悟が必要な試合になることは間違いありません。
対戦成績だけ見れば、一昨年、昨年と2ndステージで対戦し、2戦2勝と相性の良い相手ではあります。しかし前節のアサヒビール戦では、アサヒビールが序盤でグランドアタックの中心RB#10柳澤選手を怪我で欠き攻撃の幅が狭まったとは言え、アサヒ飲料ディフェンスは2インターセプト、3ファンブルリカバリーを奪う強力なディフェンスでアサヒビールの攻撃を2Q以降無得点に抑え、終盤の逆転勝利に繋げました。特に、今シーズン加入のライス大出身DB#23ポーラス選手は185cm/93kgとサイズがありパスオフェンスの脅威と言えます。また本来はTEであるアリゾナ州立大出身のTE#9ロジャース選手は、大学の先輩BigBlue DE#23ブルックス選手とほぼ同じサイズで、アサヒビール戦ではディフェンスにも出場しています。この二人の加入だけ見ても、過去二回の対戦以上に厳しい試合内容になる事は確実です。
オフェンスの見所
前節アサヒ飲料戦でのアサヒビールオフェンスは、QB#1ミルズ選手が最後までオフェンスコールをしましたが、序盤にランプレーのキープレーヤーを失い、それ故かパスに関しても一気に得点を狙うロングパス中心となり、相手の守備も予想しやすい状態になったことが2Q以降無得点となった最大の要因でしょう。前節の試合では、アサヒ飲料が2被インターセプト、1ファンブルロストに対して、アサヒビールは2被インターセプトに3ファンブルロストを記録しています。特にアサヒ飲料は2回目のファンブルリカバーから最初のTDに繋げており、また3回目のファンブルリカバーが結果的にアサヒビールの逆転ドライブを阻止した形になり、ターンオーバーが重要な要素になっています。ここまでのBigBlueは5試合で、被インターセプトが12回、ファンブルロストが5回と、ボールセキュリティに難があります。前節OBIC戦でも、ターンオーバーで何度もチャンスを逃しています。昨年のアサヒ飲料との対戦では、BigBlueはターンオーバーを与えませんでした。今回もまずはそれが最低限の目標となります。
プレーに関しては、ランとパスのバランスをどう取っていくかが重要でしょう。ランではRB#10末吉選手に期待が掛かりますが、中央に厚く布陣するアサヒ飲料DL/LBの状況によっては、RB#21髙木選手やレシーバーのモーションからのオープンも効果的とも思われます。また、QB#14政本選手のランプレーも相手に脅威となるはずで、このランとパスの使い分けが出来れば、かなりのゲインが期待出来ます。ただし前節では、アサヒビールのOLがアサヒ飲料のDLに割って入られるシーンが何度もあり、BigBlueのOL陣がどれだけ踏ん張り、相手の壁に穴を開けられるかで、勝敗の行方がかなり左右されそうです。今シーズンのOL陣はルーキーやコンバート組も多い中、ここまで大きな破綻をせずに試合を作ってきているだけに、この試合での縁の下の活躍に大きな期待が掛かります。
アサヒ飲料のここまでの試合は試合時間が非常に短く、1試合当たりの平均は2時間2分となります。一方BigBlueは1試合当たり2時間35分の試合をしてきており、感覚的には1Q少ない時間で戦うことになります。アサヒ飲料の攻撃がラン中心ということもありますが、BigBlueオフェンスにすればパスでサイドラインにでて時計を止めながらオフェンスを進めるなど、自分達のリズムでシリーズを作る事が相手のフィールドで試合することを考えると重要になるでしょう。そう言う意味で、ショート、ミドルレンジのパスの成功率をどれだけ高めるかが試合の鍵になります。マークが厳しくなるであろうWR#81栗原選手、TE#40スタントン選手の裏を突ける、WR#16梶川選手、WR#18上廣選手、WR#83松尾選手等のレシーバー陣の活躍が、この試合オフェンスの最大の見所になるでしょう。
ディフェンスの見所
前節のアサヒ飲料のオフェンスは、プレーの比率も獲得ヤード数も、75%がランプレーによるもの。試合により変化はありますが、オフェンスの中心はランです。その攻撃を支えているのが、RB#24白神選手です。OLが僅かに開けた走路をスルッと抜けると、後は一気に加速してカットバックでヤードを稼ぎます。昨年の試合でも、白神選手一人に18回/195ヤード/2TDと活躍されてしまい、今回の試合でも白神選手対策がこの試合の最重要課題と言っても過言ではありません。昨年と事なり、今シーズンのBigBlueディフェンスは、フロントが#2イェイツ選手、#44福岡選手、#96長尾選手、#99中村選手と厚みを増しており、スクリメージライン突破には苦労するはずです。また、その後のLB陣も、ルーキーの#5コグラン選手、#35髙橋選手、#47作道選手の活躍が目立っており、昨年のようなプレーは止められるはずです。
また、オフェンスチームではQB#2加納選手、QB#14原口選手の二人のQBが登場しますが、それぞれのQBには特徴があり、パスの殆どは#2加納選手によるものであり、また#14原口選手は自ら走るケースも多く見られます。勿論、これまでのパターンを変えて、この裏をかいてくる可能性もあります。ただ、アサヒビール戦からの時間が短く準備期間がそれ程無い事を考えると、この傾向は変わらないでしょう。アサヒビール戦では、2回の被インターセプトの後、QB#2加納選手は短いパスを繋ぐようにプランを変えたように見られ、これが功を奏しました。相手のオフェンスがランを中心に組み立てられる事もあり、DB陣も上がり気味の守備となると思われますが、その裏を取られない注意が必要。これまでのパターンを見ると、素直にTDを狙うパスを投じるよりは、フリーフリッカーやオプションフェイクからのパス等、一手間も二手間も絡めてからのプレーになるかもしれません。DBとのマッチアップが中心になりますが、ここでもフロントラインの速いプレッシャーが重要になります。
前節アサヒ飲料の2TDのうち、3Qの最初のTDはファンブルリカバーでゴール前でファーストダウンを奪い、そこからのTDランでしたが、2本目の4QのTDは、3Q終盤から4Q途中まで、自陣22ヤードからの、17プレー、78ヤード、7分34秒のロングドライブでした。この中でランプレーは14回有り、そのうち9回はRB#24白神選手です。少しずつのゲインを積み重ねていく地力の強さや、また4thダウンギャンブルを成功させる決定力など、アサヒ飲料のもつオフェンス力を最も的確に表したシリーズだったと言えるでしょう。これまでの対戦相手と比べて、じっくりと時間を使い得点を狙ってくるアサヒ飲料に対しては、ボールの前進を止めると共に、時間の使い方についても相手を上回る戦術が必要になります。ボールデッドから次のスナップ開始までの間の攻防戦も、この試合の見所と言って良いでしょう。
試合の見所
リーグ戦2勝3敗同士のこの対戦では、勝利し3勝3敗となれば、どちらのチームもリーグ5位での通過が可能になる一方、敗れた場合には最悪リーグ9位でシーズン終了となる可能性もあります。文字通り、どちらのチームにとっても「絶対に負けられない試合」です。またアサヒ飲料にとっては、BigBlueには過去2シーズンで二連敗しているだけに、三連敗は絶対に許されません。この一戦に掛けてくる彼らの意気込みは、今リーグ戦最大で有る事は間違いありません。
一方BigBlueにしても、ここまでの3敗という結果は、何れも強豪チームとの対戦ではあったけれど、決して勝てない内容では無かっただけに、悔いが残ります。富士通、LIXIL、OBICは既にトーナメント進出が確定しており、5位、6位でトーナメント進出すればいずれかのチームと再戦できる可能性はかなり高いと言えます。仮に再戦するのであれば、一回戦、準決勝、決勝(Japan X Bowl)と順にこの3チームと対戦して勝ち上がりたいというのが、今のチーム全員の気持ちでしょう。その為には、この試合に勝利して、自力でトーナメント進出を確定させる事が必須です。大阪遠征、初めての競技場という不安材料はありますが、同じ条件で過去二回は勝利をしています。今回も厳しい試合が予想されますが、創部40周年という記念のシーズンをここで終わらせるわけには行きません。必ず勝利して、次のステージへ進むことを信じています。OneBLUE! Go BigBlue!
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