JXB 32nd: 富士通フロンティアーズ戦の見所

2018/12/10

昨年に続き、Japan X Bowl(JXB)準決勝でパナソニックインパルス(以下、パナソニック)を24-17で破り2年連続3回目のJXB進出を勝ち取ったBigBlue。対戦する相手は、やはり昨年と同じ富士通フロンティアーズ(以下、富士通)です。6年連続10回目のJXB進出となる富士通は、ここまで無敗で駒を進めてきており、JXB三連覇に向けて準備万端の状態。対するBigBlueは、リーグ戦初戦で富士通と対戦し大敗したものの、その後はリーグ戦を5勝1敗で勝ち抜き、JXB準々決勝、準決勝と駒を進めて再び富士通と対戦する機会を得ました。昨年のJXBの雪辱、リーグ戦初戦の雪辱、そしてチーム悲願のJXB初優勝に向けて、厳しい戦いがいよいよ始まります。

今シーズンの富士通は、昨年までのオフェンスの要だった、QBキャメロン選手、RBゴードン選手が引退。その穴を埋めるため、QBはルーキーの#3バードソン選手を招聘し、RBにはLBだった#16ニクソン選手をコンバートして対応。これが見事に当たり、昨年と遜色ない攻撃力を見せています。また、ニクソン選手が抜けた穴は、ルーキーのLB#5マシス選手を獲得し、守備力についても抜かりなく補強を進めています。リーグ戦第一節の対戦では、この強力なディフェンスに、BigBlueオフェンスは仕事をさせて貰えず、僅か1TDしか奪えませんでした。しかし、3カ月の間に力を蓄え、準決勝では同じくリーグ屈指のディフェンス力を誇るパナソニックインパルスに互角以上のプレーを見せ、大きな成長を証明しました。やはり、大量失点を許してしまったBigBlueディフェンスもターンオーバーを連発して勝ち上がってきており、モメンタムを掴んでこの大一番の試合に臨みます。

オフェンスの見所

その気のなるオフェンスですが、先発が予想されるQB#2政本選手の活躍が注目されます。QB#3クラフト選手の故障というアクシデントもあり、ほぼここまでのBigBlueオフェンスを一人で牽引してきたと言っても良い政本選手。リーグ戦前半こそは、まだぎこちなさが感じられ、綱渡り的なオフェンスという印象でしたが、第四節のLIXIL戦を境に自分のプレーに確信を持ってコールする様子が伺えます。サイドラインのクラフトヘッドコーチ(HC)から入れられるプレーにしても、昨年はややもすると無理をしてターンオーバーを献上するような場面もありましたが、今シーズンは二人の意思疎通に滞りは無く、結果プレーにもメリハリが感じられます。しかし、リーグトップの富士通ディフェンスに対しては、まだまだ力不足を感じる部分もあり、この試合の中でどれだけ覚醒するか、そこが大きな見所と言って良いでしょう。

その政本選手が展開する、アップテンポなノーハドルオフェンスを支えるのが、リーグトップクラスのレシーバー陣。WR#81栗原選手、TE#40スタントン選手のホットラインは健在ですが、今シーズン、ルーキーながらもメインターゲットの一人として活躍を見せているWR#84近江選手と富士通のDB#40アディヤミ選手とのマッチアップは、この試合で見逃せない対決になるはずです。また、TE#88細谷選手はトーナメント戦ではスタントン選手を補完するインサイドレシーバーとして存在感を増しており、この試合でも活躍が期待されます。さらにレシーバー陣で一番の高さを誇るWR#82白根選手には、パナソニック戦で見せたような、高さを生かしたビッグプレーが期待されています。タレント豊富なレシーバー陣の個性を、どの様に試合の中で生かしていくか、クラフトヘッドコーチの采配と、政本選手の閃きが期待されます。

もう一つのオフェンスの軸、ランプレーでは、RB#21高木選手とRB#19鈴木選手がそれぞれの持ち味を生かしたプレーを見せています。ただ、パナソニック戦でも見られましたが、スクリメージラインを超えるタイミングがずれると直ぐさま相手タックルの餌食になります。富士通のリーグトップクラスのディフェンスラインを突破するためには、オフェンスラインが開ける一瞬のホール(穴)に間髪入れずに飛び込むタイミングが重要で、ここまでの三週間でどれだけ呼吸を合わせて、プレーの精度を高めてくるか期待されます。ここまでの試合では、LB#5マシス選手が各チームのランプレーを苦しめていますが、OL/RBとの対決がどうなるか注目されます。

ディフェンスの見所

カウマイヤーディフェンスコーディネーター(DC)就任1年目の今シーズンですが、BigBlueディフェンスは大きく変化しています。その一つが、DB陣のアグレッシブ(攻撃的)な守備です。積極的なプリッツで、DB#13神津選手、DB#25寺中選手、DB#41森岡選手がQBサックを見せれば、パスプレーに対しても、リーグ戦では6インターセプトでしたが、JXBトーナメント2試合でも6インターセプトをする等、試合を重ねるにつれてボールに対してより積極的なプレーが増えていることは明らかです。富士通のメインターゲットである、WR#9宜本選手、WR#81中村選手とのマッチアップは勿論、富士通レシーバー陣vsBigBlue DB陣の空中戦は、この試合最大の見所と言って良いでしょう。

これも「カウマイヤー効果」の一つかもしれませんが、BigBlueディフェンスの守護神、DL#34ブルックス選手とDL#92トゥアウ選手が、ここまで昨年以上のパフォーマンスを見せており、さらにJXBトーナメントに入ってからもそれが衰えるどころか、さらにパワーアップしていると感じられます。この二人を中心として、いかに富士通グランドアタックの中心、RB#16ニクソン選手を止めるかが、もう一つのディフェンスの見所です。本来はLBながらも、今シーズン春からRBにコンバートされ、見事に「二刀流」を開花させたニクソン選手の武器は、タックルを瞬時に交わすステップとタックルをものともしない強靱さ。DL二人だけで止められるほど甘くは無く、この二人がニクソン選手の走路を限定させ、そこにLB/DB陣がどれだけ集まり対応出来るか、その反応力と瞬発力の戦いが試合の流れを決めるでしょう。

富士通のランプレーでニクソン選手に続くのは、実はQBのバードソン選手。したがって、強力な富士通OL陣に対して、まずはBigBlueのDL陣がどれだけバードソン選手、ニクソン選手の二人の動きを制限できるかが重要になります。一方で、プレッシャーを受けても、そこからディープゾーンへパスを投げ込んでくるバードソン選手に対しては、DB陣のカバーは勿論ですが、さらにキャプテンのDB#1中谷選手やバイスキャプテンのLB#5コグラン選手等のチャージも大きなプレッシャーになるはずです。ここまでの試合でも、QBサックやロスタックルを決めてきたディフェンス陣が、それ以上のプレーをこの試合でどれだけ見せることが出来るか、勝敗を決める重要なプレーになる事は間違いありません。過去の試合では、何れも大量失点を許して来ているだけに、この試合でのディフェンス陣の捲土重来が大いに期待されます。

試合の見所

富士通戦の対戦結果を見ると、2016年シーズンの第一節では24-29JXB準決勝では26-28と、どちらも敗れたとは言えあと一歩の所まで迫りました。しかし、昨年のJapan X Bowl(23-63)、今シーズンの第一節(6-41)では大差で敗れており、BigBlueとしては厳しい状況からの再戦となります。これまでの対戦内容を見れば、先ず必要な事はディフェンス陣がどれだけ富士通の攻撃を抑えて行くかであることは明らかです。リーグ戦中盤からエンジンが掛かり、上り調子ではあるものの、リーグトップの得点力を誇る富士通オフェンスにどう対応するのか、昨年まで最も身近な場所で見てきたカウマイヤーDCの采配が注目されます。また、オフェンスに関しても、クラフト選手が怪我から復帰し本来の体制に戻ったとは言え、Japan X Bowlトーナメントの試合では決定力に欠ける場面がまだ見られました。これまで以上に得点チャンスは厳しくなると思われるだけに、プレーの精度をどれだけあげることが出来るか、残り少ない時間の中での成長が注目されます。

対戦経験のあるXリーグのチームの中では、これまで唯一勝ち星の無い富士通。さらには、チームとして悲願の一つでもあるJapan X Bowl初優勝もかかるこの試合は、二年越しのチームスローガン「DOMINATE!」を実現する試合になります。昨年の試合では、Japan X Bowlの歴代最多得失点差になってしまいましたが、その結果以上に、本来の自分達の力を出し切れずに試合が終わったことが残念でした。今回こそは、これまでで最高のプレーで最高の試合をしなければなりません。それは、自分達のためでもあるし、今シーズン色々な意味で注目を集めた一年となった「フットボール」に対して、一つの回答にも成るはずです。今シーズン、チームの活動拠点が変わり、チームのコーチング体制も大きく変わり、「変革」を恐れないチームとしてもそれ以上に変化を進めてきました。その「変革」を、日本のフットボール史の中にも刻むような、そう言う試合を是非見せて欲しいと思います。DOMINATE! BigBlue!

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