あるOBの呟き- 第六節: vs オービックシーガルズ戦

2019/11/10

2019リーグ戦も残り2試合となり、厳しい試合が続くBigBlue。第六節の対戦チームは、ここまで全勝のオービックシーガルズ(以下、オービック)です。最近のオービックとのリーグ戦での対戦は、2年前の開幕戦ですが、東京ドームでのこの試合は後半のパスインターセプトから流れを掴むと38-34で逃げ切り、オービックから初の勝ち星を奪った試合でした。実はその前年2016年の対戦では23-24、その前の2013年は41-42と僅差で敗れており、2017年は「1点の差」を超えた象徴的な試合でした。しかし春のパールボウルでは今年まで3回続けて対戦して敗れており、タレントも揃い、チームシステムも完成しているオービックの壁は、まだまだ高く厚いと言えます。

今シーズンのオービックは、2年目のQB#3ハワード選手がシステムに馴染み、WR#18木下選手、WR#81水野選手、WR#84西村選手ら豊富なレシーバー陣にパスを通していますが、それ以上に脅威なのはグランドアタック。RB#29李選手とRB#30地村選手の二選手が、リーディングラッシャーの富士通・グラント選手に並ぶ活躍を見せており、機動力で言えばリーグトップの実力と言えます。一方ディフェンスでも、引退したケビンジャクソン選手の後を埋めるDL#17ファナイカ選手が加入。ディフェンスの中心である、DL#23バイロン選手とともに、強力なフロントラインは健在で、この壁をいかに崩すかがこの試合の課題になりそうです。
 

最高の先制点、追撃して前半を折り返す

コイントスで後半の選択権をオービックが選び、K#98多田羅選手のキックオフで試合が始まります。このキックをWR#81栗原選手がキャッチすると、39ヤードを戻して自陣41ヤードからBigBlueのオープニングドライブが始まります。好ポジションからのオフェンスですが、3rdダウンコンバージョンのパスが失敗し、4thダウンではK#11佐藤選手がパントを蹴ります。このパントをキャッチしたWR#7池井選手は、ボールをファンブルするとキックカバーチームに入ったTE#18小川選手選手がリカバー。ゴール前13ヤードから再びBigBlueの攻撃が始まります。RB#4鈴木選手、RB#47山中選手とランが続きますが、3rdダウンで8ヤード、ゴールまで11ヤードが残ります。ここからQB#3クラフト選手は、左コフィンコーナーのWR#84近江選手にパス。近江選手はジャンプしてパスをキャッチすると、ぎりぎり右つま先をエンドゾーンに残し、先制のTDを奪います。

続くオービックのファーストドライブは、ダウン更新を許すものの、オービックのホールディングの反則から流れが変わり、DL#92トゥアウ選手、LB#57寺林選手、DL#34ブルックス選手とロスタックルにQBサックと相手を押し戻してパントで終わります。しかし、続くBigBlueの攻撃では、チップして浮いたボールを、LB#48小田原選手がインターセプトし、攻撃権を直ぐさま取り替えされてしまいます。このオービックの攻撃は、ダウン更新は許すもののディフェンスが踏ん張りQBのQB#3ハワード選手にプレッシャーをかけパス失敗が続き、このシリーズも4thダウンパントに押さえます。ところがQB#12荒木選手のパントをエンドゾーン手前でキャッチしたWR#81栗原選手がこれを溢すと、オービックDB#38石神選手がゴール前4ヤードでリカバー。ここからRB#43望月選手のダイブを2ヤードでLB#5コグラン選手が止めたところで、試合は2Qに入ります。2Q最初のプレー、ラッシュを受けて右にスプリントアウトしながらQB#3ハワード選手が投じたパスを、LB#22中山選手がエンドゾーン内でインターセプトし、窮地を救います。

自陣20ヤードからのBigBlueの攻撃は、WR#14前田選手へのロングパスでダウンを更新すると、今度はTE#40スタントン選手へダウン更新のパスが成功し敵陣に入ります。しかし、ここからのパスが不成功となり4thダウンはパントになります。タッチバックとなり自陣20ヤードからのオービックの攻撃は、3rdダウン7ヤードから、ラッシュをかわしてQB#3ハワード選手からWR#81水野選手へダウン更新のパスが成功します。さらにハンドオフフェイクのQBキープで21ヤード進むと、WR#84西村選手へのパスが成功し、ゴール前21ヤードでダウンを更新します。パス失敗の後、RB#43望月選手が6ヤード進めた後の3rdダウン、ゴールポスト下に投じられたパスを、TE#85ハフ選手がぎりぎりでキャッチし、オービックが同点に追いつきます。

自陣19ヤードからのBigBlueの攻撃は、QB#3クラフト選手からWR#84近江選手へパスが成功。ダウン更新と思われたところにタックルを受けると、痛恨のファンブル。これをDB#1砂川選手がゴール前28ヤードでリカバーします。RB#29李選手が3ヤード進めた後の2ndダウン、QB#3ハワード選手が余裕を持って投じたパスは、メインターゲットのWR#18木下選手に通り、これが逆転のTDパスとなります。仕切り直しとなり、自陣21ヤードからのBigBlueの攻撃。QB#3クラフト選手のスクランブルでダウンを更新すると、続けてTE#40スタントン選手へパスが成功し敵陣26ヤードへ。ここからTDを狙いますが、何れもオーバースロー気味となり失敗。4thダウンとなり、K#11佐藤選手が登場すると、43ヤードFGを成功させ、10-14と点差を縮めます。

自陣20ヤードからのオービックの攻撃は、RB#29李選手のダウン更新のランの後、WR#18木下選手へのパスが成功し敵陣40ヤードまで前進します。さらに、再びランフェイクのQBキープでゴール前22ヤードでダウンを更新します。ここでオービックの反則に、パス失敗の後、LB#6大滝選手が2回続けてQBをロスタックルし、4thダウンで敵陣37ヤードまで後退します。オービックはK#49星野選手が登場し、54ヤードのFG狙います。BigBlueが2回タイムアウトをとりプレッシャーをかけた後、左側からDL#34ブルックス選手、DL#92トゥアウ選手がラッシュする姿が影響したか、キックは右に外れて失敗。オービックスの追加点を防ぎ、2Q残り43秒でBigBlueに攻撃権が移動します。

FGキックが失敗したため、自陣37ヤードからのBigBlueの攻撃は、残り時間も少ないなか、QB#3クラフト選手はRB#28伊藤選手を使います。RB#28伊藤選手は、オービックのディフェンスを掻い潜り、2回のランで敵陣に入りダウンを更新します。再びRB#28伊藤選手がハンドオフを受けて6ヤード進むと、ボールは敵陣40ヤード。残り時間との競争の中、今度は左サイドのWR#84近江選手へパスが通ると、タックルを受けながらもランアフターキャッチでゴール前30ヤードまでボールを運びます。ここで最後のタイムアウトを取ると、残り時間は1秒。再びK#11佐藤選手が登場すると、47ヤードのFGトライに臨みます。緊張の中、K#11佐藤選手のキックはゴールポストの中心を通過して成功。逆転はならなかったものの、1点差の13-14迄点差を縮めて前半を折り返します。
 

モメンタムが途切れ、反撃も届かず

後半3Qは、K#11佐藤選手のキックオフで再開します。DB#21ブロンソン選手が大きく戻し、オービック自陣43ヤードからオービック後半最初のシリーズは、WR#11前田選手へのパスでダウンを更新して敵陣に入ります。しかし、DL#44福岡選手のQBサックで4ヤード戻されると、3rdダウンのパスも失敗。パントで攻撃権がBigBlueに移動します。自陣11ヤードから、後半最初の攻撃は、RB#47山中選手へのパス。さらにTE#40スタントン選手、WR#84近江選手とパスが続きダウンを更新します。ここからRB#47山中選手のランとパスでダウンを更新します。続いてTE#40スタントン選手へパスが通ると、タックルを一人二人と振り切りダウンを更新すると、再びパスでWR#82白根選手へパスで、敵陣22ヤードでダウンを更新します。RB#4鈴木選手のランの後の2ndダウン、ターゲットのTE#40スタントン選手へ投げたパスは、手元が狂ったか横のDB#21ブロンソン選手ヘ。攻撃権を得たオービックは、QB#3ハワード選手のRB#29李選手へのハンドオフフェイクのQBキープで18ヤード進むと、次のプレーでは逆にRB#29李選手へボールを渡します。李選手は、直ぐさまカットバックして走路を変えるとBigBlueのタックラーの間を抜けて68ヤードを独走しTDを奪います。

次のBigBlueの攻撃は、QB#3クラフト選手がQBサックを受けて大きく後退し、4thダウンパントで終了。続くオービックは、再びハンドオフフェイクのQBキープで敵陣に入ると、RB#30地村選手のランの後のパス失敗で、3rdダウン残り3ヤードとなります。ここで再びRB#30地村選手がボールを受け取ると、右オープンを駆け上がり一気に38ヤードを走り抜けTD。続けてTDを奪われ、13-28と点差が広がります。

WR#81栗原選手のキックオフリターンの後、BigBlueの攻撃は自陣32ヤードから。WR#82白根選手へのパスで7ヤード進みますが、3rdダウンのパスは失敗。ここでQB#3クラフト選手は4thダウンギャンブルを選択します。力勝負でRB#4鈴木選手がダイブで突破を試みますが、1ヤード足らずにギャンブルは失敗します。折り返してのオービックの攻撃は、DB#29米田選手、LB#22中山選手と好タックルを見せると、3rdダウン6ヤードでは、DL#34ブルックス選手がQB#3ハワード選手にチャージをかけ、逃げるところにLB#6大滝選手が5ヤードのロスタックル。ここで試合は、4Qに入ります。サイドが替わり、オービックはK#12荒木選手のパントはアウトオブバウンズとなり、自陣の35ヤードからBigBlueの攻撃が始まります。

RB#47山中選手が2回運びダウンを更新したものの、反則で15ヤードの罰退。しかしTE#40スタントン選手へのパスはランアフターキャッチ(RAC)で大きく前進し、敵陣34ヤードまで進みます。RB#28伊藤選手がヤード進めると、2ndダウンではWR#85鈴木選手へパスが成功し、ゴール前2ヤードまで進みます。そして次のプレーでも、WR#85鈴木選手にゴールライン上でのTDパスが成功します。点差を縮めたいBigBlueは、トライフォーポイント(TFP)では2点コンバージョンを狙いますが、パスは失敗。得点は、19-28と1TD/1FG以上が必要な2ポゼッション差のままです。しかし、次のオービックの攻撃では、RB#29李選手が右オープンに一旦出ると直ぐさま反対側へカットバック。そのまま左オープンを駆け抜けTDを奪い、直ぐさま点差は19-35と広がります。

点差は広がりましたが、2ポイントコンバージョンで2TDを奪えば同点に追いつけます。自陣25ヤードからまずはTDが欲しいBigBlueは、WR#82白根選手がジャンピングキャッチで31ヤードのパスをキャッチし、敵陣44ヤードまで一気に進みます。後半に入りパスが好調なQB#3クラフト選手は、WR#84近江選手、TE#40スタントン選手とパスを通してダウンを更新します。さらにWR#85鈴木選手へパスを通して、ゴール前20ヤードでダウンを更新します。1srダウンのプレーは、一度は左サイドのTE#40スタントン選手を狙いますが、直ぐさま正面に入ってきたWR#82白根選手へパスを投じると、白根選手は倒れ込みながらもエンドゾーンに飛び込みTD。TFPでは、再び2点コンバージョンを狙いますが、パス失敗で不成功となり、得点は25-35となります。

次のK#11佐藤選手のキックオフは、オンサイドキックでしたが、これをWR#18木下選手が確保し、オービックは自陣49ヤードからの攻撃開始です。1stダウンのプレーはRB#30地村選手へのハンドオフ。スクリメージラインに沿って左に移動する地村選手は、タックルを振り切ると縦に切れ上がり、そのまま51ヤードを独走。僅か1プレーで、点差は3ポゼッション差まで広がります。残り3分33秒からのBigBlueの攻撃は、反則で5ヤード罰退したこともあり厳しい状況になります。RB#47山中選手のランは1ヤードで止められ、RB#4鈴木選手へのフレアーパスもロスタックルで止められると、4thダウンパントで攻撃権がオービックに移動します。オービックは、RB#43望月選手のランで時計を進め、最後はQB#6菅原選手がニーダウンをして、25-42で試合終了となりました。
 

今シーズンの全てを見せる最終戦へ

オープニングドライブを、今シーズンでも最高の内容でTDを奪い、逆転こそ出来なかったものの、前半終了をFG成功で終わり、追い上げて折り返したことは良かったと思います。3Qも、中盤まではディフェンス、オフェンス共に互角の展開を見せ、この時点では勝負は終盤の争いと思いましたが、RB#29李選手、RB#30地村選手に許した独走のTDランが、その後のリズムを大いに狂わし、それを修正することが出来無いうちに試合が終わってしまった印象です。力の差は、正直点差ほど無いと思うものの、以前のパナソニック戦やエレコム神戸戦でも見られた、一寸したことで崩れる「脆さ」が、この試合でも出たように感じます。

この試合に敗れたため、最終戦に勝利してもBigBlueは最大で3勝5敗となります。同じく最終戦の結果で、3勝5敗で並ぶ可能性のあるエレコム神戸とは直接対決で敗れているため順位で上回ることが出来ないため、BigBlueはリーグ戦5位以下が確定しました。2016年シーズンから毎年JXB準決勝以上に進んでいたBigBlueですが、今シーズンはそれが一旦途切れることになります。残念な気持ちは、選手やスタッフも同様だと思いますが、昨シーズンBigBlueに敗れたチームが今シーズンの勝利を目標に努力した結果であり、今度はBigBlueがその結果を来シーズンに向けて実行する番です。その為にも、次の最終戦では今シーズンやるべきだったこと、そして来シーズンに繋がる事、全てを出し切って欲しいと思います。Go BigBlue!

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