あるOBの呟き- セミフィナル: vs パナソニックインパルス戦
2021/12/14

パナソニックは、2010年以来ジャパンエックスボウル進出の機会を得られず、2019年に9シーズン振りに出場するものの2点差で富士通に敗れ、2008年以来の制覇はなりませんでした。昨年は、変則リーグとなりましたが、オービックシーガルズに最後にターンオーバーを喫して敗退。まさに、満を持しての今シーズンは、リーグ戦7試合で最多総得点(251点)、最少総失点(60点)が物語るように、最も隙の無いチームが完成されています。第三節の対戦では1Qで3TDを奪われ、結果17-65とチームとして最多失点を記録する不名誉な試合でした。あの対戦から2カ月が過ぎ、何処までパナソニックに対抗できるか、チームとしてのプライドを賭けた試合になります。
ザ・シーソーゲーム

続くBIG BLUE最初のオフェンスシリーズは、自陣23ヤードからスタート。パス失敗が続くスタートですが、相手の反則に助けられてダウンを更新。しかし、4thダウン2ヤードとなると、ギャンブルを選択。ここはQB#2政本選手からWR#84近江選手へ5ヤードパスが成功しフィールド中央でダウンを更新します。しかしここから反則とパス失敗でボールを進める事が出来ず、4thダウンではQB#2政本選手がパントキックを見せ攻守交代となります。自陣6ヤードからのパナソニックの攻撃ですが、RB#5ミッチェル選手のランを続けて30ヤードまで前進すると、今度はWR#2 Fields選手、WR#15桑田選手へのパスで敵陣に入ると、最後もWR#15桑田選手への28ヤードTDパスで0-14と点差が広がります。

続くパナソニックの攻撃では、RB#33横田選手へのパスをDL#93佐久間選手がロスタックルで止めると、次のRB#33横田選手のダイブも密集でノーゲインで止まったところで2Qに入ります。サイドが代わりQB#18 Lawrence選手はパスモーションに入りますが、間一髪DL#34ブルックス選手が手を叩きパス失敗。パントで攻撃権がBIG BLUEに移動します。RB#21佐藤(航)選手へのパスで続いてダウンを更新すると、WR#8 Smith選手へのパスは、43ヤードのロングパスとなり敵陣28ヤードまで一気に前進します。パス失敗の後、WR#84近江選手へのパスで6ヤード前進。3rdダウン4ヤードとなると、今度はTE#40 Stanton選手へのパスが成功。外に出ないようにサイドライン際で踏みとどまると、そのまま縦に切り上がり、22ヤードのTDパスレシーブとなり、14-14の同点に追いつきます。

パナソニックの反撃は、WR#88木戸選手へのパスで敵陣に入ると、再びRB#5ミッチェル選手のランプレーが止められず、ゴール前1ヤードでファーストダウンを更新します。この残り1ヤードを、ワイルドキャット隊形からRB#42立川選手が飛び込みTDを奪い、17-24と再逆転を許します。残り2分余りからのBIG BLUEの攻撃。QB#2政本選手から、WR#82白根選手、TE#40 Stanton選手とパスが続いてダウンを更新。次の3rdダウン7ヤードでは、WR#82白根選手へのパスでダウン更新に成功します。RB#21佐藤(航)選手へのパスで敵陣に入ると、WR#14遠藤選手へ23ヤードのパスが成功し、ゴール前17ヤードまで一気に前進をします。次の1stダウンのプレーでは、QB#2政本選手からのパスをWR#84近江選手がジャンピングキャッチをすると、LB#40ワイズマン選手のタックルを受けながらも、エンドゾーンに倒れ込んでTDを奪い、三度24-24の同点に追いつき前半を終了します。
あと「一歩」の差

ここからパナソニックはRB#5ミッチェル選手のランでエンドゾーンを目指します。2ndダウンでは左オフタックルを狙いますが、背後からLB#35 Gamboa選手がタックルし4ヤードの前進で阻止。次の3rdダウン2ヤードでは、右オフガードを狙いますが、こちらはLB#57寺林選手が飛び込みノーゲインタックル。4thダウン2ヤードとなると、パナソニックはフィールドゴールではなくギャンブルを選択。RB#42立川選手がQBの位置に入るワイルドキャット隊形を見せます。スナップを受けたRB#42立川選手は、RB#5ミッチェル選手へのフェイクの後、真っ直ぐに飛び込みますが、そこにDL#34 Brooks選手が飛び込みゴール前1ヤードでダウン。BIG BLUEディフェンスが、ゴールラインを死守して攻撃権をオフェンスに渡します。

3Q終盤ですが、クラフトHCの選択はギャンブル。その采配は当たり、WR#14遠藤選手へダウン更新5ヤードパスが成功します。さらにQB#2政本選手みずからのキープでゴール前2ヤードでファーストダウンを更新します。1stダウンのパス失敗の後の2ndダウン、DL#17 Motu選手が飛び出しオフサイドでフリープレーとなると、一瞬ディフェンスの動きが止まった隙に、左コーナーのWR#82白根選手へTDパスが成功。99ヤード、19プレー、7分43秒のロングドライブで31-24とし、BIG BLUEがこの試合初めてリードを奪います。

残り3分18秒からのBIG BLUEのオフェンスドライブは、まずは同点に追いつくシリーズになります。TE#40 Stanton選手へのパスで自陣47ヤードまで進むと再びTE#40 Stanton選手へのパスで敵陣に。時間との闘いの中、WR#14遠藤選手へのパスでダウンを更新すると、パス失敗の後TE#40 Stanton選手への3ヤードパスが成功したところでタイムアウトを取り時計を止めます。エンドゾーンまで34ヤードで3rdダウン7ヤードからのプレー、右コーナーに向かうWR#85鈴木(隆)選手へTDパスを狙うQB#2政本選手ですが、ボールをリリースする直前に背後からDL#98梶原選手がボールにタッチ。これで勢いを失ったボールは失速してしまい、LB#49青根選手がインターセプトし万事休す。残り時間をニーダウンで消費し、試合終了となりました。
「トップ4」と呼ばれるために
オフェンスにおいては、リーグ最少総失点(60点)のパナソニックから最も得点した試合となり、QB#2政本選手を中心としたBIG BLUEパッシングオフェンスの一つの完成形が出来たと言えます。特に3Qに31-24と逆転するオフェンスドライブは、自陣1ヤードからの99ヤードを、19プレー、7分43秒で完結し、これまでのBIG BLUEのオフェンスでは観られなかった粘り強さでした。そのようなオフェンスをいつでも実行出来るかどうかが、トップチームとそうで無いチームとの大きな違いと言えるでしょう。実際、ノジマ相模原戦にしても、東京ガス戦にしても、4Q終盤の粘りのオフェンスで勝ちきってきたわけで、それがこの試合の4Qでは出せなかったところが、来シーズンに向けての大きな課題と言えます。
ディフェンスにおいては、そのオフェンスのロングドライブの直前、ゴール前1ヤードの攻防が、この試合でのベストシリーズと言って良いでしょう。課題は、相手の8回のオフェンスシリーズ中、無得点に押さえたのは、この3Qのシリーズと、1Qから2Qに掛けてパントで交代したシリーズの2回だけであったことです。特に気になるのは、3rdダウンコンバージョン率が「11/13 (85%)」と高いことです。2017年(31-24)では「5/13(38%)」、2018年(24-17)では「6/12(50%)」と押さえており、かつ2018年の対戦ではBIG BLUEが4インターセプトを奪っています。それ位のパフォーマンスを出せるユニット作りが、来季に向けての大きな目標となるでしょう。
一旦掴みかけた勝利をあと一歩の所で逃した訳で、どんな理由であっても悔しい事に変わりありません。一方で、敗れた試合ではあるけれど、何か充実感のようなものを試合後に一瞬感じた事も事実で、それだけ今シーズンが精神的にも厳しいシーズンであった証しと言えるでしょう。そう言う意味では、昨年は短縮された特別なシーズンであったことも理由の一つだと思いますが、2年目の終盤になってやっとチームとしての「クラフト体制」が浸透して、一つの形を作る事が出来たと言えるかもしれません。これから今シーズンの反省と、来季に向けての新体制作りが始まると思いますが、この試合までに得た資産をどれだけ次に引き継ぐことが出来るか、現状からどれだけ積み上げて来シーズンのスタートを切ることが出来るかが、最大の課題と言えます。まだまだ厳しい道のりかもしれませんが、来シーズンは必ず日本一を勝ち取れるチームを実現して欲しいと思います。
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